2010.06.25歯にはそれぞれ役割がある
あなたのお口の中にある歯は、全部で何本あるかご存知でしょうか?
親知らずを除くと、全部で28本あります。
そして28本、すべてが「形」も「大きさ」もまったく違います。
歯は28本なんですが、その28本、1本たりとも同じ「大きさ」「形」は無いんですね。
驚きですよね?
例えば航空機事故などで遺体がぐちゃぐちゃになっていて誰が誰だかわからない、という時には「身元を発見する為に、「歯の形」「レントゲン」その様な物で、個人を特定したりします。
これを法歯学と言います。
歯には、28本「形」「大きさ」がそれぞれ全く違う、いう事は、 このことにどんな意味があるかお分かりになりますか?
それぞれの歯の持っている役目、役割、機能が違うと言う事です。
28本のうち、2本や3本歯が無くなった(はがない)、でも噛める、いいじゃないか!
と思いますよね。
もちろん噛めるかも知れない。
でもそれは、なくなった歯の代わりを代償する歯は実はどこにもないのです。
バランスが崩れてしまうのです。
神様が人間というものを本当に完璧に作り上げているんですね。(^^)
歯はおみこしのように支えられている
歯が28本有るという事で、私は噛み合わせの事を「おみこし」で例えたりします。
28本、上下で14本づつで28本、左右だと7本7本、上下左右7本づつです。
7本7本7本7本で、28本です。
つまりおみこしで、片方に7人、片方に7人、合計14人でおみこしを支えている。
その様にお考え頂いたら良いと思います。
その14人、全員が元気な14人ではございません。
大人もいれば、子供も居ます。
大きい人もいれば、小さい人も居ます。
大きい人ばかりであれば、大丈夫かも知れませんけど、残念ながら小さい人もいる訳ですね。
次に下の歯の前歯を見てみましょう。
先が尖っていますね。
根っ子は細いですね。
1本ですよね。
ではこれを立ててみましょう。
すぐ倒れます、棒ですから。
すぐ倒れちゃいます。
つまり私が例えとするところでは、歯と言うのは、畑に大根が植わっている様に、骨の中に植わっている、もっと言い換えれば、砂の山に棒が刺さっている状態だとお考え下さい。
そこに力が加わると、棒は倒れて行きますよね。
では次に奥歯を見ていきましょう。
その歯は6歳臼歯って言いますよね、6歳臼歯、6歳の時に生えてくる訳です。
ものすごい役目をします・・・家で言う大黒柱です。
見てみましょうね、臼状の形をしています、根っ子は3本も有りました。
カメラの三脚はどうでしょう?
自分で支えますよね。
つまりこの奥歯は力を支えることが出来る、その様な構造になっています。
それに対して前歯は、根っこが1本ですから、その様な力を支えることは出来ません。
つまり人間というのは、臼状の部分(奥歯)、ここで力を支え、噛む事をし、磨り潰すという事をする訳です。
では前歯は?・・・そんな力はありません。
草食動物、肉食動物、その両方を持ちえる事が出来たのが人間なんです。
奥歯で支え、奥歯で磨り潰す、しっかりと奥歯で支える。
そして前歯は、奥歯で噛んだ時当たらない、当たらないと言う事がものすごく大事なのです。
もちろん矯正治療の様に、歯を残念ながら、上下左右1本づつ抜かれた方、いらっしゃるかも知れません。
歯を抜いた場合は、もうその時点で28人が24人になっちゃってます。
4人足りないわけです。
そうすると、奥歯の人が、支えることが出来ませんので、矯正の治療をした方の中には、わざと前歯を当てる様にしている先生もいらっしゃるかも知れません。
そういう特殊な事を除くと、奥歯で支えて、前歯は当たらないって言うのはすごく大事な事なのです。
前歯にはそもそも、自分で力を支える、噛む事をする、その様な能力、そのものが無い訳ですから、その前歯で噛んでいたら何が起こるのか・・・。
当然、出っ歯になっていきます。
だんだん崩れて行きます。
いきなり揺れだしてあっという間に抜け落ちてしまう場合もあります。
そのうち歯は、倒れて行きます。
最も分かり易いのは、上の前歯を両手の指で上から押さえてみて下さい。
歯を直接押さえて下さい。
ガンガンガン・・・もしその時に上の前歯が揺れていませんか?
歯が揺れるんです。
ビックリしないで下さいよ(――;)。
カチカチカチと噛んだ時に、上の歯が動いてくる歯があるかもしれません。
実際によくあります。
奥歯がないとか、奥歯で噛めない状態が長年続いていた方や、入れ歯をされていた患者さんは、奥歯で支えることが出来ませんから、前歯が食事のたびにガンガンと当たります。
そうすると、上の前歯が揺れていく訳です。
話は戻りますね。
砂の山に挿してた棒を揺らすとどうなるでしょうか?
まず、砂の入り口ですよね、棒の挿さっている部分、ここの砂が崩れますよね。
さらに大きく揺らしてみましょう・・・イメージして下さい。
どんどん周りの砂が崩れて行きます。
そして棒は、倒れて行きます。
歯はどうでしょうか?
同じ運命を辿る事となります。
歯は、それぞれ機能が有るわけです
。
奥歯は、臼状の力でもって、力を支えることが出来る。
つまり、力のあるお父さんだと思って頂いたらいいでしょう。
それに対して前歯は、細くて小さい、子供達・・・
真ん中の歯は、4番目5番目、お母さんというところでしょうか・・・
奥歯でしっかり支える、6番目7番目の歯が無くなった途端、歯は、どんどん崩れて行く訳です。
おみこしをいつもは、14人で支えていました。
その内4人がお父さんでした。
しかし、ある時からお父さんが一人抜け、二人抜け、最後にはお父さん4人が全員いなくなってしまった。
残った子供達やお母さんでおみこしを支えなくてはならなくなった。
そしてどんどん、その力に耐えられなくなって、有る程度の期間は持つかもしれませんが、その重さに耐えられなくなって崩れて行く、こんなイメージです。
ドミノ倒しの様に崩れて行く訳です。
噛み合わせのバランス、つまり、顎のバランスが崩れる、ということは、全身のバランスをドミノ倒しのように崩していくんですね。
噛み合わせって、実はとっても重要なことなんです。
知らなかったでは済まされない重大な問題が「噛み合わせ」には隠されていることが多いんですね。
吉本歯科医院の噛み合わせ治療に関して