「先日もこんな患者さまがお越しになられました。
その方は3年前に他医院で下顎部分にインプラント治療をされました。
しかし、最近になってインプラントを埋入した部分が腫れて痛みが出るように。
レントゲン写真を撮影し、詳しく骨の状態を拝見するとインプラントを埋入した周囲の骨が溶けてしまっていました。
バイ菌が入り込み炎症を起こしています。
インプラントはただのネジです。
元々の自分の歯ではありません。
異物なのです。
インププラントを埋入し、被せ物の歯が入ればそれで完成!
と思っておられる方はとても多いです。
特にトラブルを起こし、「どうにもならない状態」で
当院に駆け込んでこられる方も少なくは、ありません。
今回の患者さんのインプラントトラブルは
メインテナンスを怠ったためにバイ菌が繁殖し、インプラント周辺の骨が大きく溶けてきたことによるものです。
最近、インプラント治療による事故がマスコミに取り上げられています。
そのトラブルは
医院側の責任
■手術に必要な検査を省いたこと
■全身管理ができる担当医師をつけていなかったこと
■術前に神経等の場所を三次元的に把握できるシミュレーション診断を行なっていなかったこと
などです。
患者さん側の責任
■喫煙
■糖尿病によるもの
■定期メインテナンスを怠った
などです。
私の医院にも、「他医院でインプラントをしたが、トラブルを起こして困っている」
という患者さんは増える一方です。
問題が起こっているには
必ず原因があります。
では、インプラントが故障したり、トラブルがあったりした場合に
「はずせばいいではないか?」
「もう一度やり治せば良いではないか?」
と単純に思いませんか?保障もついているから。
しかし、そのように単純なものでは、ないのです。
インプラントはただのネジです。
インプラントメーカーというのは世界に何百社とあります。
ご自分が入れたインプラントメーカーがどこのメーカーのものかによって
修理ができる場合とできない場合が、あります。
インプラントと被せ物の歯を「ネジ」で固定されています。
修理したり、深部まで掃除したりするにはネジを外して被せ物を掃除する必要があります。
しかし、そのネジを外すドライバーというものが、各メーカーにはあります。
各メーカーは自社の商品を使い続けて欲しいので、ネジ山を特殊形状にして他社のドライバーでは外せないようにしています。
つまり、メーカーが違うとネジを外すことさえ、できません。
骨を大きく削ってインプラント本体を外すしかできないことまでありえます。
その先生がどこのメーカーのインプラントを埋入するのか?ということは
実は将来的にはとても大きな問題です。
インプラントをする際には、10年後にもし「インプラントを外す状況になった時に修理ができるのか?」というこの視点を持って選択する必要があります。
引越し等でメインテナンスに通えなくなった場合には、引越し先の近隣でメインテナンス可能な医院をご紹介していただいてください。
せめて、下記の5点だけでもいいので教えて頂いてください。
1 どこのメーカーのインプラントなのか?
2 インプラントの種類や型番はどうなのか?
3 ネジで固定されているのか?接着材で固定されているのか?
4 接着材のメーカーや種類は何なのか?簡単に外せるものなのか?
5 外すにはどうすれば外せるのか?
このことが判っていれば自医院で対応できるのか?対応できないのか?判断できます。
また、先ほどの患者さんですが、
インプラント治療がいったん終了すれば、それでもう大丈夫、と思われてしまったことにも問題があります。
最初の2年はメインテナンスに通われていたそうです。
2年間大丈夫だったから、先生が大げさに言っているだけで、
きっともう大丈夫に違いないと思われてしまったそうです。
インプラントはご自分の歯と同じく
死ぬまでメインテナンスする必要があります。
また、インプラントトラブルの8割は2年以内に起こっています。
ですので吉本歯科医院では、インプラント治療を行なった患者さんには
終了後すぐは1ケ月ごとに経過を見させて頂いております。
その後、半年、一年半、2年目と、レントゲンで骨の状態を確認しながら
状態が安定するのを確認します。
特に症状が無くてもです。
状態が悪くなっていたとしても、インプラントはご自身の歯のように痛いや凍みるなどのように自覚症状として警告を発してくれません。
よくない状況が周囲の歯ぐきや隣の歯にまで影響が及んではじめて患者さんは自覚症状として気づくことができます。
メインテナンスにきちんとおこし下さらない
または、メインテナンスの必要性をご理解いただけない場合には
手術を行なうことはできません。
それは
トラブルの原因となるから、です。
インプラント治療なんか受けなければよかったとなるから、です。
どうぞ、知って下さい。
インプラントは完成したら、終わり
ではありません。
歯と同じく、あなたが死ぬまで、そのインプラントを使い続けるまで
定期的なプロによるメインテナンスが必要なのです。
次に、他の部分の治療についてです。
インプラント治療をした以外の部分を治療された場合には、必ず早急にインプラント治療をした医院で噛み合わせのチェックを受けてください。
マウスピースの調整を受けてください。
ご自身の歯は一生動き続けますが、インプラントは全く動きません。
お口の中の状況に応じて適切な噛み合わせに調整されています。
他の歯の状態が変化しないのを前提に調整しています。
他の歯と同じように違和感なく当たるように調整したのでは、インプラントが折れてしまうこともあります。
インプラントに何かがあってからでは復旧不可能なのです。
※以上、当院院長吉本彰夫よりインプラントをされた、または予定されている
すべての患者さまにメッセージです。
個性心理学の本を読みました。
こんなストーリーが紹介されてあり、
私は衝撃でした。
ご紹介しますね。
昔々あるところに、杉の木の夫婦が住んでいました。
お互いに同じ杉の木ですから、価値観も行動パターンも同じで
友だちのように仲の良い夫婦でした。
あるとき、この夫婦に待望の赤ちゃんが宿りました。
夫婦は、これから生まれてくる子どものことを考えると嬉しさでいっぱいです。
「せめて健康に生まれてきてくれさえすれば・・・」
と神様にお祈りする毎日でした。
ついに出産日を迎え、無事に丸々と太ったかわいらしい男の子が生まれました。
しかし、個性は遺伝しませんので、生まれてきた子どもは松の木でした・・・。
乳飲み子の赤ちゃんの頃は「個性」が強く出ませんでしたが、
成長するにしたがって両親の期待は裏切られることになります。
杉の木の両親は、
「木はまっすぐに空に向かって伸びるもの」
と信じていましたが松の木のわが子はくねくねと曲がりくねって、
横に枝を伸ばして成長していったのです。
このままではいけないと感じた両親は、何度も話し合ってある決断をしました。
数日後の夜、すやすやと寝息を立てて眠っているわが子を、
ロープやガムテープでぐるぐる巻きにして、大きな枝切りバサミで、
横に伸びた枝をすべて切り落としてしまったのです。
寝込みを襲われた子どもは、ビックリして泣き叫んでいます。
「お父さん、お母さん、痛いよ~!」
「僕が何か悪いことをしたの?」
「どうして僕を傷つけるの?」
「僕は僕のままじゃいけないの?」
と、血だらけになりながらも必死に両親に訴えます。
しかし、杉の木の両親は、松の子どもの言葉に耳を貸そうとはしません。
「これが、親の愛情だ」
「大人になったら、きっとわかるわ」
「これが、お前のためなんだよ」・・・
枝をすべて切り落とされてしまった松の子どもは、
成長の芽も、可能性の芽も、全部一緒に切り落とされてしまい、
小さく小さく萎縮してしまいました。
その後も枝を切り続けられて育ったその子どもは、個性を否定され、
自信を失って、無口な友達の少ない子どもになってしまいました。
しばらくして、松の木の子どもも成長期を迎え、どんどん大きくなっていきました。
しかし、松は杉にはなれません。
松の木の子どもは、その枝を横に横に伸ばして成長していったのです。
それを見た杉の木の両親は、落胆してしまいました。
「この子は、もうダメだわ」
「ちっとも直らなかったじゃないか」
そうして子どもが連れて行かれたのが、精神科の病院や
カウンセラーの先生のところでした。
最初の先生は、たまたま「松の木」の先生でした。
その先生は言いました。
「お宅のお子さんは全く問題ないですよ。
むしろ、すくすくとそだっていますよ」
それを聞いた両親は「この医者は、ヤブ医者だわ。信用できない」と言って、
病院を変えました。
次に行った病院の先生は、「桃の木」の先生でした。
杉の木の両親には、桃の木の先生の言っていることが全く理解できません。
不信感をもった両親は、またまた病院を変えました。
自分たちが気の済むまで何度も・・・。
そして、やっと「杉の木」の先生にめぐり合いました。
「ご両親の苦労がよくわかります。
やっぱり、木はまっすぐに空に向かって伸びていないとね」
それを聞いた両親は、とても安心しました。
「やっと、私たちを理解してくれる素晴らしい先生に出会えたわ」
と、大喜びしました。
そんな両親の選ぶ学校は「杉の木学園」、塾は「杉の木塾」。
誰からも理解されることなく、理不尽な教育と躾を受け続けました。
松の木の子どもは、家で枝を切られ、学校でも、塾でも枝を切られ、
病院でも枝を切られ・・・。
果たして、この子どもはどんな大人に成長するのでしょうか?
他人を拒絶し、誰も信用できない暴力的な自分勝手な大人になるに
違いありません。
そしてこの悪魔の連鎖が繰り返されるのです。
この物語は実話なのです。
この悲劇は繰り返されているのです。
衝撃では、ありませんか???
人はみなそれぞれ
違います。
違います、と言葉では知ってはいても
現実に目の前に、同じことを見ても全く違うように感じ、話す人を見ると
「何?この人?変な人!苦手だわ」
と思ってしまう自分が、います。
個性の違いとは
価値観の違いでも、あります。
自分と他人はそもそもがまったく違う生き物であり
同じように感じること
同じように行動することを
強要はできません。
そもそもが違うのですから。
人間関係の不和はすべて
「コミュニケーションの不足」から起こります。
コミュニケーションが不足するから
大いなる誤解や勘違い思い違いが生じ
「あの人は嫌い」とまでなってしまい
「あの人はわからない人」となってしまいます・
嫌いな人とは距離を置きたくなり
そしてさらにますますコミュニケーションが不足し
相手のことがわからなくなってしまいます。
「自分と他人」は違います。
親と子でも、違います。
自分の子だから、こうだろう
なんてとんでもない思い込みで
その子にはその子の伸びる方向があります。
会社でも、きっとそうですね。
社長が部下に期待する像を押し付け
そうでない場合には、
「あいつはダメだ」と
決め付けその可能性の芽をちょんぎってしまう。
きっとよくあります。
「あなたのことを思って」という大義名分があるから
さらに怖いです。
お前のためを思って・・・
この言葉ほど相手を苦しめるものはなく
さらに
この言葉で動くことなどなく。
今、いろいろなシーンで起こっている人間関係の不和は
「他人と自分は同じ」であり
「自分が感じたように相手も感じるはず」
というおおいなる思い込みと勘違いから、起こっています。
そんなことは、ありえません。
親友だと思っていたあの人も
恋人だと思っていたあの人も
理解のあるパートナーだと思っていたあの人も
ひとたび突っ込んで関わってみると
自分と違う、自分と同じように感じてくれない
ということは絶対にあります。
違う、からです。
自分と同じように相手が感じてくれなかった
自分が期待するような言葉をくれなかった
自分が期待するような態度をくれなかった
だから、悲しかった
だから、あの人とはやっていけないと思った
ということはよくあります。
そしてそれは女性によくありがちです。
しかし、相手もまた同じように思っているんです。
私のことを。
自分のことを。
期待通りのリアクションをくれなかった、とがっかりしているかも
しれないのです。
お互い様です。
私とあなた
自分と他人
この違いに気がついて理解していくことから
自分が快適に生きる人間関係の構築は始まると私は思います。
自分と他人は、「ああ、そうか、違うんだ」
ということを冷静に知ることです。
自分と他人の違いに気がつくことによって
「では、あの人とも違うんだ。この人とも」と
深い人間観察に入っていきます。
人を観察することで
自分のことが見えてきます。
あの人はそう感じるんだ、
私はこう感じる、
と自分の中で感じていることが
人を観察することで明らかになってくるんです。
人間関係は一人では成立しません。
私がいて、あなたがいてくれるから
そこに「関係」があるのです。
つまり、どう関わるか?
です。
一人一人の違う言動にいちいち腹を立て
あの人は変!
と攻撃するのをやめ
卑屈になるのもやめ
「違うんだ」とはっきり知ることで
心がすっきりとなっていきます。
今、吉本歯科医院では面白い取り組みをしています(笑)
それは年末のニュースレターにてご紹介しますね。
一人一人の違いを知るよいきっかけになるものです。
どうぞみなさまの職場でも
やってみて下さい。
きっと、面白いです。