
香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。
歯を抜かないといけないと診断されたが本当に抜かないといけないのか?抜かずに残せる方法はないか?というご相談でご遠方より受診される方は非常に多いです。過去に歯の治療を何度も繰り返しており既に歯の神経を抜かれている方もいらっしゃいますが中には、歯には自信がある。小学生の時には優秀な歯で表彰もされた。今まで虫歯は1本もなかった、という方もいらっしゃいます。歯は丈夫だから硬いものをしっかり噛んで歯を鍛えているという方もいらっしゃいます。
実際にお口の中を診させて頂くと、奥歯が真っ二つに割れてしまっている、歯の根まで見事に割れてしまっているというケース、とても多いです。
50歳を過ぎた頃からだんだん増えてくる歯の破折、歯根破折についてお話させて頂きますね。
歯の破折は金属疲労による破断のようなもの

時々ニュースで報道される遊園地の遊具での事故。ジェットコースターの事故もありますね。
猛スピードで走行中のジェットコースターで車輪が折れてしまい多くの方が死傷した事故もありました。車輪が折れた原因は「金属疲労」だったそうです。破断部分の写真は公開されていました。折れた車輪の断面は摩耗に強いニッケルクロム銅が使われていましたが車輪の破断面には金属疲労があったそうです。コースターの重量や上下左右の激しい移動など、長年にわたって負荷がかかり続けて結果、たまたま事故の日にバーンと割れてしまい大事故になったわけですね。
これ、歯の破折とまったく同じなんです。
咬む力やかみ合わせ異常により割れたり折れた歯
これらの歯は、噛む力や上下左右のかみ合わせバランスの悪さにより割れたり折れた歯です。


歯のお掃除は綺麗にできているんです。定期的に歯医者さんで歯石を取ってもらっています、という方でも歯は割れます。
歯の破折は予測できる?

では、歯の破折は予測ができるのか?
それは「予測できない」んです。上記のジェットコースターの経年劣化による金属疲労のように「いつ割れるかわからない」というのが現状なのです。雨垂れ石をうがつという言葉をご存じでしょうか?ほんのわずかな力であっても長い時間力がかかり続けたならば小雨の小さな力であっても硬い石に穴をあけてしまうという意味合いです。

虫歯や歯周病と違って、破折により歯を失うという事実はまだまだ日本人には知られていません。力によって歯が割れて、抜歯になってしまうという事実はまだまだ知っている方が少ないのです。定期検診に通って歯の掃除をしていても歯の破折は起こります。原因が清掃不良によるばい菌ではなく噛む力、喰いしばる力、歯軋りの力が原因のためなかなか予防することが難しいのが現状です。歯の破壊から歯を守るためにできることは破壊予防のための硬めのマウスピースを装着して就寝するだとか咬み合わせが悪い部分はそこだけが強く当たってしまい破壊されないように調整するだとか、そういった「力のコントロール」に対する対策が必要です。
50歳を過ぎたら歯の破折予防対策は必須

歯の破壊防止用のマウスピースですが、患者さんによっては作製して3ケ月で真っ二つにマウスピースが割れてしまう方もいらっしゃいます。

マウスピースは硬いものです。その硬いマウスピースにこれだけ穴が空いたり割れたりするということはその力分だけ強い噛む力がかかっている証拠なんですね。男性ではなんと100キロほどの噛む力がかかると言われています。寝ている時なので無意識です。マウスピースそのものは割れても折れても穴があいても修理することはいくらでもできます。しかし、割れるのはマウスピースではなくあなたの大事な歯だった場合にはマウスピースのように簡単に修理すればいいというわけにはいかないのです。破折が根の奥から割れている場合には、最悪は抜歯ということになってしまいます。(歯根破折による抜歯)。マウスピースはご自身の歯が割れる身代わりとなって割れてくれる存在です。
まだまだ「力による破折」が知られておらず多くの方がある日突然「歯が割れて抜歯診断を受けた」ということでご相談にお越しになられます。そうならないために歯の破折からご自身の歯を守るために知って頂きたいと思います。



