
香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。今日は患者さんからお問い合わせを多くいただく「削らない治療」についてお話します。「MI治療(ミニマルインターベンション)=歯をまったく削らない治療?」 そう思われている患者さんは少なくありません。
「他院で『神経を抜かないといけない』と言われたけれど、削らずに治せませんか?」 そのようなご相談を連日いただきます。
結論から申し上げます。 MI治療は、「歯を全く削らない」わけではありません。 しかし、一般的な歯科医院の治療に比べ、「削る量は10分の1程度」です。
なぜそこまで削る量を減らせるのか? そして、なぜ「削らない」だけではなく「薬」と「接着」が必要なのか?吉本歯科医院が実践する、四国の開業医では唯一の「接着歯科治療専門医」によるMI治療について、詳しく解説します。
- 1. 「外科」ではなく「内科」の発想で治す
- 2. なぜ「神経」を残すことにこだわるのか?
- 2.1. 歯の神経を取った歯は
- 3. 削らないだけではダメ。「完全封鎖」がないと再発しやすい
- 4. 吉本歯科医院のMI治療のこだわり
- 4.1. ① 徹底的な乾燥(ドライな環境)
- 4.2. ② 接着剤は「生もの」として扱う
- 4.3. ③ 四国の開業医で唯一の専門医による施術
- 5. 「一生自分の歯で噛みたい」方へ
- 6. よくある質問
- 6.1. Q1. 「MI治療」なら、虫歯をまったく削らずに治せますか?
- 6.2. Q2. 他院で「神経を抜くしかない」と言われました。それでも残せますか?
- 6.3. Q3. 「特殊接着封鎖技術」とは何ですか?普通の詰め物と何が違うのですか?
- 6.4. Q4. 保険でこの治療は受けられますか?
- 6.5. Q5. 治療中、口の中をすごく乾燥させると聞きましたが?
- 6.6. Q. 虫歯が酷い状態でズキンズキンと脈打つように痛みますが、神経を残せますか?
- 6.6.1. 無理な可能性が高い理由①神経がすでに「死んでいる」可能性が高い
- 6.6.2. 無理な可能性が高い理由②菌の感染量が多すぎる
- 6.6.3. 無理な可能性が高い理由③完全封鎖ができないリスク
「外科」ではなく「内科」の発想で治す

従来の虫歯治療は、いわば「外科手術」の発想でした。 「虫歯菌に感染して黒くなった部分は、悪い部分だからすべて削り取る」 これがこれまでの常識です。
しかし、削れば削るほど歯は小さくなり、やがて神経(歯髄)に達してしまいます。その結果、「神経を抜く」という処置が取られてきました。
吉本歯科医院のアプローチは根本的に異なります。 私たちは「内科的な発想」で治療を行います。
✅従来(外科的): 菌がいる場所を物理的にすべて削り取る。
✅当院(内科的): 薬(抗菌剤)を使って、歯の内部の菌を殺す(無菌化する)。
菌さえ死滅させることができれば、黒く変色して柔らかくなった部分(軟化象牙質)であっても、無理に削り取る必要はありません。菌がいなくなった歯は、再石灰化し、自ら修復を始めるからです。この「薬で治す」アプローチがあるからこそ、従来の10分の1という最小限の切削量で済むのです。
なぜ「神経」を残すことにこだわるのか?

「痛いなら神経を取ってしまえば楽になる」 そう考えるのは非常に危険です。歯の神経(歯髄)は、歯に栄養と水分を運ぶ命綱です。神経を取った歯は、その瞬間から「死んだ歯」になります。枯れ木を想像してみてください。 瑞々しい木はしなやかで折れませんが、枯れ木は少しの力が加わっただけでポキリと折れてしまいます。歯も同じです。神経を失った歯の強度は、生きている歯のわずか10分の1まで低下します。
歯の神経を取った歯は
①折れやすくなる:噛む力(男性で約200kg)に耐えられず、歯が割れる。
②変色する:時間が経つと黒く変色し、見た目が悪くなる。
③抜歯への道:割れた歯は抜くしかなく、インプラントや入れ歯になる。
だからこそ、最初の治療で「いかに神経を残すか」が、その歯の寿命、ひいてはあなたの健康寿命を決定づけるのです。
削らないだけではダメ。「完全封鎖」がないと再発しやすい
「あまり削らずに詰め物をしました」という治療でも、詰め物の下で虫歯が再発することはよくあります。 これは、「接着(封鎖)」が不十分だからです。

一般的な治療では、削った穴にセメントでフタをしますが、実は目に見えない隙間から細菌が侵入し続けています。これを私たちは「密着(ただくっついているだけ)」と呼び、「接着」とは区別しています。吉本歯科医院では、「特殊接着封鎖技術」を用います。

特徴①マジックテープのような結合: 歯と詰め物の表面を特殊な処理でザラザラ・ギザギザにし、表面積を増やしてガッチリと一体化させます。
特徴②細菌の侵入を許さない: 強力に封鎖することで、外からの菌の侵入を防ぎ、中で菌が繁殖するのを防ぎます。
どんなに薬で菌を殺しても、新たな菌が入ってくれば意味がありません。「無菌化」と「封鎖」はセットで初めて効果を発揮します。
吉本歯科医院のMI治療のこだわり
吉本歯科医院のMI治療は、単に削る量を減らすだけでなく、見えない部分に徹底的な手間をかけています。
① 徹底的な乾燥(ドライな環境)
お口の中は湿気だらけです。しかし、接着剤は水に弱いため、完全な乾燥が必要です。当院では、他院では行わないレベルで、特殊な器具を使い、一方向から空気を送るなどして「カラカラの状態」を作り出します。

② 接着剤は「生もの」として扱う
歯科用の接着剤は、温度変化に弱いデリケートな材料です。当院ではメーカーから歯科商店、そして医院での保管に至るまで、徹底した温度管理を行っています。使用直前の処理も、まるでドレッシングを振るように成分を適切に混ぜ合わせるなど、材料の性能を100%引き出す管理を行っています。

③ 四国の開業医で唯一の専門医による施術
院長の吉本彰夫は、日本接着歯学会認定の「接着歯科治療専門医」です(四国の開業医では唯一※)。 「どの薬剤を、どの濃度で、何秒作用させるか」。エナメル質と象牙質で処理を変えるなど、専門医ならではの緻密な技術が、再発しない治療を支えています。
「一生自分の歯で噛みたい」方へ
よくある誤解として、「MI治療=魔法のように簡単に治る」と思われがちですが、そうではありません。 科学的根拠(エビデンス)に基づき、非常に緻密な工程と時間をかけて行う、高度な治療です。神経奥深くにバイキンが達してしまっている歯や、すでに何度も治療を繰り返し歯髄が露出してしまっている状態の歯にはこの治療は行うことはできません。
歯は一生もの。最後まで自分の歯で食事を楽しみながら人生を謳歌したい。そうお考えの方は、ぜひ吉本歯科医院にご相談ください。 歯は、一度失うと二度と元には戻らない、あなたの「財産」です。「薬で菌を殺し、特殊技術で封鎖して、神経を守る」 これが、私たちが提案する、歯を一生守るためのMI治療です。
よくある質問
Q1. 「MI治療」なら、虫歯をまったく削らずに治せますか?
A. 「全く削らない」わけではありません。削る量は従来の1/10程度です。吉本歯科医院のMI治療は、魔法のように「何もしないで治る」ものではありません。 しかし、一般的な歯科医院で行われている「悪い部分はすべて大きく削り取る」という外科的な発想とは根本的に異なります。
✅従来の治療: 虫歯菌に感染した黒い部分(軟化象牙質)をすべて削り取るため、歯が大きくなくなり、神経まで達してしまうことが多いです。
✅当院の治療: 削るのは細菌の入り口など「必要最小限」だけです。内部の細菌は、抗菌剤(薬)を使って死滅(無菌化)させます。
菌さえいなくなれば、無理に削り取る必要はありません。その結果、削る量を従来の10分の1程度に抑えることが可能です。
Q2. 他院で「神経を抜くしかない」と言われました。それでも残せますか?
A. 菌を薬で無菌化し、完全封鎖できる状態であれば、神経を残せる可能性は十分にあります。多くの歯科医院では、虫歯菌が神経の近くまで達していると判断された時点で、「神経を取る(抜髄)」治療が行われます。 しかし、当院では「薬による無菌化」と「特殊接着封鎖技術」を組み合わせることで、神経を残す治療を数多く成功させています。
Q3. 「特殊接着封鎖技術」とは何ですか?普通の詰め物と何が違うのですか?
A. 「ただフタをする」のではなく、細菌が再侵入しにくいように「一体化(接着)」させる技術です。一般的な治療では、削った穴にセメントでフタをしますが、これは単に「密着(くっついているだけ)」している状態です。目に見えない隙間から細菌が入り込み、中で虫歯が再発することがよくあります。
吉本歯科医院の院長は、四国の開業医で唯一の「接着歯科治療専門医」です。 当院では、歯の表面と詰め物の表面を特殊処理してザラザラ・ギザギザにし、マジックテープのように強力に結合させます。これにより細菌の侵入を許さない「完全封鎖」を実現します。
Q4. 保険でこの治療は受けられますか?
A. すべて「自由診療」となります。「薬で治す治療」や「特殊接着封鎖技術」は、日本の保険制度で認められている材料や手順では行うことができません。
✅時間の違い: 接着処理には、一般的な治療の約4倍の時間がかかります。
✅材料の違い: 接着剤は「生もの」と同じで温度管理が命です。当院ではメーカーから歯科商店、医院の保管に至るまで冷蔵管理された高品質な材料を使用しています。最高の材料を使い、十分な時間をかけて「再発しにくい」治療を行うため、保険外診療となります。
Q5. 治療中、口の中をすごく乾燥させると聞きましたが?
A. はい。湿気は「接着」の最大の敵だからです。お口の中は湿気と細菌だらけです。しかし、接着剤は水分があると性能を発揮できません。 そのため、当院では他院では行わないレベルで徹底的に乾燥させます。
✅特殊な器具で根の中まで乾かす。
✅風は必ず「一方向」から当てて、唾液の飛び散りを防ぐ。
「ここまで口の中がカラカラになったのは初めて」と驚かれる患者様も多いですが、これが接着を成功させ、虫歯の再発を防ぐための絶対条件なのです。
Q. 虫歯が酷い状態でズキンズキンと脈打つように痛みますが、神経を残せますか?
A. 結論から申し上げますと、その状態では「神経を残すことは無理な可能性が高い」と言わざるを得ません。
「ズキンズキンと脈打つような痛み(拍動痛)」があるということは、虫歯菌がすでに神経の深部まで侵入し、神経が激しい炎症を起こしているか、あるいは一部が死んでしまっている(壊死している)可能性が極めて高い状態です。吉本歯科医院では、他院で「神経を取る」と言われた歯でも、薬を使って菌を殺すことで神経を残せるケースが数多くあります。しかし、それはあくまで「神経がまだ回復可能な状態」である場合に限られます。
無理な可能性が高い理由①神経がすでに「死んでいる」可能性が高い
脈打つような痛みは、神経が細菌と戦い敗れかけている、あるいはすでに壊死が始まっているサインであることが多いです。一度死んでしまった神経や、回復不可能なほどのダメージを受けた神経は、どんなに良い薬を使っても生き返らせることはできません。その場合は、残念ながら神経を取り除く処置(抜髄)が必要になります。
無理な可能性が高い理由②菌の感染量が多すぎる
当院の「薬で治す治療(MTAや抗菌剤による覆髄)」は、微量の菌であれば無菌化して封鎖することで治癒させられます。しかし、ズキンズキン痛むほど菌が大量に増殖し、神経の奥深くまで入り込んでいる場合、薬の力だけでは抑えきれないことがほとんどです。
無理な可能性が高い理由③完全封鎖ができないリスク
痛みが激しいほど虫歯が進行している場合、歯そのものがボロボロで、菌が入らないように「完全封鎖」するための健康な歯質が残っていないこともあります。封鎖ができなければ、治療をしてもすぐに菌が入り込み、再発してしまうため、抜歯や神経を取る選択肢しか残されていないことが一般的です。それでも「診断」を受ける意味はあります。ご期待に添えない厳しい回答となりますが、ご自身で「もうダメだ」と放置してしまうと、次は「抜歯」しかなくなってしまいます。 「神経は残せない可能性が高い」という前提にはなりますが、もし奇跡的に神経の一部が生きていれば、特殊な処置を行える可能性もゼロではありません。まずは、現状が「神経を取るだけで済む」のか、それとも「抜歯が必要」なのか、正確な状態を知るために早急にご相談ください。



