歯の治療で「左右同時」が危険な理由とは?|咬み合わせ専門の吉本歯科医院【香川県高松市】

香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。

歯の治療を一度にまとめて終わらせたい方へ。実は右と左を同時に治療すると、噛み合わせの基準が崩れ、治療が失敗するリスクがあります。インプラントや入れ歯で後悔しないための考え方を、噛み合わせ専門医が分かりやすく解説します。合わない入れ歯やインプラントでお悩みの方へ、「噛み合わせを無視した治療は必ず壊れる」というお話をさせていただきます。

歯の治療で「左右同時」が危険な理由とは?

歯の治療で「左右同時」が危険な理由とは?|咬み合わせ専門の吉本歯科医院【香川県高松市】

「歯の治療は早く終わってほしい」「一度に何本も同時に治療してほしい」
このようにお考えの患者さんは多くいらっしゃいます。

また、分野が違えば「特に問題はないのでは」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、歯科治療においては基本的に右と左を同時に治療してはいけません。今回は、その理由を分かりやすくお話しします。

噛み合わせは椅子の足と同じ構造

4本の足で支えられた椅子やソファに座っているところを想像してみてください。

歯の治療で「左右同時」が危険な理由とは?|咬み合わせ専門の吉本歯科医院【香川県高松市】

もし、そのうち1本の足が壊れて交換する場合、座ったまま外すとガタッと崩れてしまいますよね。
力をかけたまま高さを維持して修理するのは、とても難しいのです。

では、2本同時に交換したらどうなるでしょうか。一気にバランスが崩れ、正しい高さが分からなくなります。

1本なら残り3本で三脚のようにある程度の高さを保てますが、2本同時だと基準がなくなり、短い足を入れても傾いたまま「それで安定してしまう」状態になります。これは、右と左でヒールの高さが違う靴を履いているのと同じです。

歯の治療で「左右同時」が危険な理由とは?|咬み合わせ専門の吉本歯科医院【香川県高松市】

つまり、左右の歯を同時に治療してしまうと、噛み合わせの「高さの基準」そのものが失われてしまうのです。

なぜ正しい噛む位置は簡単にズレるのか~「噛んでみてください」の記録の難しさ

歯科医院で「噛む位置を記録しますね」「噛んでみてください」と言われることがあります。これを専門的には「咬合採得(こうごうさいとく)」や「バイト」と呼びます。

歯の治療で「左右同時」が危険な理由とは?|咬み合わせ専門の吉本歯科医院【香川県高松市】

このとき、グッと強く噛み込むと実は位置がずれてしまうのですが、患者さんご自身ではほとんど気づけません。

さらに、歯を失って長期間経っている場合、「元々どこで噛んでいたか」は分からないことがほとんどです。

左右同時に治療して基準がなくなると、正しい位置に戻らない可能性が高くなります。

しかも怖いのは、間違った位置でも“噛めてしまう”ため、ズレに気づかないことです。

例外:左右同時でも良いケースとは

ただし、例外もあります。例えばトラックのように歯の本数が多く、奥歯でしっかりとした基準が残っている場合です。その場合、前歯や一部の歯の治療であれば比較的安定して行えます。

丈夫な歯でも割れる|50代からの歯のリスク、噛み合わせがカギ【香川県高松市の咬み合わせ専門歯科 吉本歯科医院】

また、当院で唯一、左右同時の治療を勧めることがあるのが親知らず(8番)の抜歯です。親知らずは、左右のバランスを崩す力が強く、綱引きの人数差のように簡単に噛み合わせをズラしてしまいます。

繰り返す虫歯|虫歯菌ではなく咬み合わせが原因かもしれません|咬み合わせ専門歯科 香川県高松市の吉本歯科医院

もちろん、4本同時に抜くと
✅食事がしづらい
✅腫れや痛みが強い
といったデメリットはあります。

しかし1本ずつ抜くと
✅期間が長引く
✅途中で治療をやめてしまう
✅噛み合わせがずれ続ける

といったリスクもあります。そのため、状況によっては4本同時抜歯をおすすめする場合もあります。

片側治療中に起こる“ドミノ倒し”現象

治療中にも注意が必要です。例えば右側を治療中で仮歯が入っている場合、どうしても左側だけで噛もうとしますよね。右の歯を治療していたら左の歯が痛くなってきたことがあるという体験をされた方は多いのではないでしょうか?

これは、両足なら1〜2km歩ける人が、片足ケンケンで進むようなものです。片側だけで今までと同じ力で噛むのは非常に危険で、大きな負担がかかります。

歯の治療で「左右同時」が危険な理由とは?|咬み合わせ専門の吉本歯科医院【香川県高松市】

その結果、反対側の歯が欠ける・痛む・しみるといったトラブルが起こることがよくあります。ですから、治療中は「柔らかいものを、弱い力で、ゆっくり噛む」ことが重要です。これを守らないと、歯のトラブルがドミノ倒しのように広がってしまいます。

まとめ

「早く終わらせたいから左右同時に治療したい」そのお気持ちはよく分かります。

しかし、左右同時に治療すると噛み合わせの基準が失われ、結果的に壊れる治療になる可能性が高いのです。

咬み合わせ専門の吉本歯科医院では、
✅何が問題なのか
✅何を優先すべきか
✅どの順番で治すべきか

をしっかり考えたうえで治療計画を立てています。単純に「早い=良い治療」ではありません。私たちの体は機械ではありませんので突貫工事のようなことをしていたらその影響は必ずどこかにでます。

歯科治療の時のよくある質問

Q.治療の順番はどうやって決めるのですか?

A.「最終的な問題は何か」「何を優先すべきか」を基準に決定します。左右同時に治療すると噛み合わせの基準が崩れるため、
単に「早く終わらせたい」という理由では順番は決められません。根本原因を見極め、全体のバランスを考えて治療順序を決定します。

Q.片方を治療中の食事はどうすればいいですか?

A.「柔らかいものを、弱い力で、ゆっくり噛む」ことが重要です。片側だけで噛むのは、片足ケンケンと同じで大きな負担がかかります。
その結果、反対側の歯までダメージを受けてしまいます。ドミノ倒しを防ぐためにも、無理な噛み方は避けてください。

Q.インプラントや入れ歯でも噛み合わせは重要ですか?

A.非常に重要です。噛み合わせを無視した治療は必ず壊れます。高さのバランスが崩れると、他の歯にも負担がかかり、
トラブルが連鎖していきます。インプラントや入れ歯でも、噛み合わせの基準を守ることが成功の条件です。

詰め物がよく外れる、同じ場所が虫歯になる。それは「噛む力」が集中している危険信号です

Follow me!