インプラント治療を受ける前に患者さんが知っておくべき事項があります。

知っておくだけで、あなたの将来起こるであろうトラブルから守られます。

 

 

■え?5年前のカルテがない?

 

先日、5年以上前に他医院でインプラントをした患者さんがお越しになられました。

 

インプラントを入れた部分の被せモノが外れて困ってしまったとのことでした。

インプラントを入れた部分の歯茎は真っ赤に腫れています。

咬むと顎が痛い。

頭痛がひどい。

こんな状態になってしまって、「なんとかして欲しい」というご相談です。

このようなご相談は日常的によくあるご相談です。

 

 

インプラント治療をされた医院さんへまずはご相談下さいと申し上げました。

 

しかし、残念ながら、コミュニケーションギャップや、治療への不安などから元の医院さんにご相談に行きたくない、という方はとても多いのです。

 

本来は、インプラント治療をされた先生に、修理、メインテナンスをお願いするのが一番なのです。その理由はあとでお話します。

 

 

では、せめて、インプラントをされた医院さんへ下記の5つだけでも教えてもらえるように確認して下さい、と患者さんにお願いしました。

 

①どこのメーカーのインプラントなのか?

②インプラントの種類や型番はどうなのか?

③ネジで固定されているのか?接着材で固定されているのか?

④接着材のメーカーや種類は何なのか?簡単に外せるものなのか?

⑤外すにはどうすれば外せるのか?

 

患者さんが、インプラントをされた医院さんへ相談へ行くと、こう言われました。

「5年前のカルテですので、もうありません。」

確かにカルテは5年間保存が法律で義務づけられています。

なので、5年すぎたカルテは廃棄したとしても法律には反していません。

 

しかし、インプラントは5年、10年、15年、20年とその後の患者さんの寿命が続く限り、お口の中に入っているものです。

 

 

 

インプラントは本来、治療後何かトラブルがあった場合には、インプラントをされた先生に一貫して修理、メインテナンスをお願いするのが一番なのです。

 

 

その理由を、お話します。

 

また、こんな状況になってしまう前に、どうぞ知っておいて頂きたいのです。

そして、正しい知識を得てください。

 

 

ある患者さんは3年前に他医院で下顎部分にインプラント治療をされました。

 

しかし、最近になってインプラントを埋入した部分が腫れて痛みが出るようになりました。

 

レントゲン写真を撮影し、詳しく骨の状態を拝見すると

インプラントを埋入した周囲の骨が溶けてしまっていました。

 

バイ菌が入り込み炎症を起こしています。

インプラントはただのネジです。

元々の自分の歯ではありません。

元々の歯のように抵抗力も自己防御機能である免疫もありません。

 

様子をみていれば落ち着く、良くなるということはまったくありません。

異物なのです。

 

インプラントを埋入し、被せ物の歯が入ればそれで「完成!」と思っておられる方はとても多いです。

 

特にトラブルを起こし、「どうにもならない状態」で当院に駆け込んでこられる方も少なくは、ありません。

 

今回の患者さんのインプラントトラブルは

メインテナンスを怠ったために

バイ菌が繁殖し、インプラント周辺の骨が大きく溶けてきたことによるものです。

 

最近、インプラント治療による事故がマスコミに取り上げられています。

 

そのトラブルは

医院側の責任

■手術に必要な検査工程を省いたこと(血液検査、心電図検査、CT撮影など)

■全身管理ができる担当医師をつけていなかったこと(歯科麻酔医師による全身管理)

■術前に神経血管等の場所を三次元的に把握できるシミュレーション診断を行なっていなかった

■シミュレーション通りに手術を行う技術が歯科医師に習熟できていなかった。

ことなどです。

 

患者さん側の責任

■喫煙(たばこを吸っていた)

■糖尿病によるもの

■定期メインテナンスを怠った

■硬いものを咬んではいけない時期に咬んでしまい 懐にしまった

などです。

 

問題が起こっているには必ず原因があります。

では、インプラントが故障したり、トラブルがあったりした場合に

「はずせばいいではないか?」

「もう一度やり治せば良いではないか?」

と単純に思いませんか?

 

保障もついているから。

しかし、そのように単純なものでは、ないのです。

 

インプラントはただのネジです。

まずはそれを知って下さい。

 

そのインプラントとなるネジを製造しているインプラントメーカーというのは国内で50社、海外では200~300社にのぼります。

 

主流なメーカーのほとんどが、外資系の会社です。

 

世界情勢に詳しい方ならすぐにご理解いただけるかと思いますが、外資系企業は

M&A(つまり、企業の買収や合併)が盛んに行なわれています。

 

今では日本も珍しい話ではなくなりました。

 

インプラントメーカーも例外ではありません。

 

これだけ多くのメーカーがあれば合併されたり、会社が消滅するなどの浮き沈みがあるのが現状です。

 

このことは患者のみなさまにとっても知られざる気になる問題を含んでいます。

 

それはそのメーカーのインプラント医材がなくなり、いざという時に再治療ができなくなる可能性がないとは言い切れないのです。

 

こんなことを体験したことはありませんか?

 

電化製品を長く使っていると、一部が壊れ、その部品を取り寄せようと思っても

その製品が製造中止になり、部品がないということが。

 

去年買ったばかりのカメラなのに、もう今年はないよ、吸収合併されちゃった、という会社は珍しくはありません。

 

また、会社が倒産したと同時にもう「今ではその商品は製造中止になりました」ということはよくあります。

 

さあ、そこで考えて下さい。

もしあなたの口の中に埋め込んだインプラントのメーカーが、すでにもう倒産して消えてなくなっている商品のインプラントだとしたら、どうでしょう?

 

もし、何かしらの故障や不具合があった場合に「一旦インプラントを外さないといけない」状況になった時、インプラントをはずすことさえ、できません。

 

 

先ほども申し上げましたとおりインプラントはただのネジだから、です。

 

ネジを外すにはそのネジを外すための同一メーカーのドライバーが必要なのです。

ご自分が入れたインプラントメーカーがどこのメーカーのものかによって修理ができる場合とできない場合が、あります。

 

車に例えてみましょう。

あなたの車がベンツだとしたら、故障した時にはベンツの部品を使って修理しなくてはなりません。

 

ベンツにはベンツ専用の部品があるのです。

 

トヨタの車にはトヨタ専用の部品を使って修理しなくては、なりません。

 

インプラントもネジですが、インプラントと被せ物の歯も「ネジ」で固定されています。

 

修理したり、深部まで掃除したりするにはネジをほどいて、被せ物を外して掃除する必要があります。

 

しかし、そのネジを外すドライバーというものが、各メーカーにはあります。

 

各メーカーは自社の商品を使い続けて欲しいので、ネジ山を特殊形状にして他社のドライバーでは外せないようにしています。

 

つまり、メーカーが違うとネジを外すことさえ、できません。

 

吸収合併を繰り返してきたメーカーの中には同一メーカーでありながら何種類もドライバーが存在している場合もありますし、すでに製造を中止している部品もあります。

 

骨を大きく削ってインプラント本体を外す対応しかできないことまでありえます。

その先生がどこのメーカーのインプラントを埋入するのか?ということは実は将来的にはとても大きな問題です。

 

インプラントをする際には、10年後や20年後や将来、もし「インプラントを外した方が良い状況になった時に修理ができるのか?」というこの視点を持って選択する必要があります。

 

現代は100歳以上の方が何万人も生活されていらっしゃいます。

本当に10年後にはお亡くなりになられていますか?

寿命がきていますか?

 

「もうトシだから」と簡単にこの言葉をお使いになられていませんか?

本当に50年後にもそのインプラントメーカーは倒産していませんか?

ドライバーを取り寄せられますか?

 

引越し等でメインテナンスに通えなくなった場合に、引越し先の近隣でメインテナンス可能な医院がありますか?ぜひご紹介していただいてくださいね。

 

せめて、下記の5点だけでもいいので教えて頂いて

①どこのメーカーのインプラントなのか?

②インプラントの種類や型番はどうなのか?

③ネジで固定されているのか?接着材で固定されているのか?

④接着材のメーカーや種類は何なのか?簡単に外せるものなのか?

⑤外すにはどうすれば外せるのか?

このことが判っていれば自医院で対応できるのか?

対応できないのか?判断できます。

 

また、先ほどの患者さんですが、インプラント治療がいったん終了すれば、それでもう大丈夫、と思われてしまっていたことにも問題があります。

 

最初の2年はメインテナンスに通われていたそうです。

 

2年間大丈夫だったから、先生が大げさに言っているだけで、きっともう大丈夫に違いないと思われてしまっていたそうです。

 

インプラントはご自分の歯と同じく死ぬまでメインテナンスをする必要があります。

また、インプラントトラブルの8割は2年以内に起こっています。

 

ですので吉本歯科医院では、インプラント治療を行なった患者さんには終了後すぐは

1ケ月ごとに経過を診させて頂いております。

 

その後、半年、1年、2年目3年目と、レントゲンで骨の状態を確認しながら

状態が安定するのを確認しています。

 

特に症状が無くてもです。

状態が悪くなっていたとしても、インプラントはご自身の歯のように痛いや凍みるなどのように自覚症状として警告を発してくれません。

 

インプラントはただの「ネジ」だから、です。

ただのネジなので痛くもかゆくもしみることも、ないのです。

 

だから、怖いのです。

周囲の歯ぐきや隣の歯にまで影響が及んではじめて患者さんは自覚症状として気づくことができます。

 

メインテナンスにきちんとお越し下さらないまたは、メインテナンスの必要性をご理解いただけない場合には手術を行なうことはできません。

 

それは必ずトラブルの原因となるから、です。

 

インプラント治療なんか受けなければよかったとなるから、です。

どうぞ、知って下さい。

 

インプラントは完成したら、終わりではありません。

 

歯と同じく、あなたが死ぬまで、そのインプラントを使い続けるまで定期的なプロによるメインテナンスが必要なのです。

 

次に、他の部分の治療についてです。

 

インプラント治療をした以外の部分を治療された場合には、必ず早急にインプラント治療をした医院で

噛み合わせのチェックを受けてください。

マウスピースの調整を受けてください。

 

一見関係ないように思えるかもしれない他の歯のことです。

 

全く違う部分の虫歯治療くらい関係ないだろう、と思われると思いますが実は関係あるのです。

 

ご自身の歯は一生動き続けますが、インプラントは全く動きません。

 

吉本歯科医院でのインプラントはお口の中の状況に応じて適切な噛み合わせに調整されています。

 

他の歯の状態が変化しないのを前提に調整されています。

他の歯と同じように違和感なく当たるように調整したのでは、インプラントが折れてしまうこともあります。

 

インプラントに何かがあってからでは復旧不可能なのです。

 

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