
この記事のまとめ(要約)
✅歯周病の進行スピードは「ばい菌」だけでは決まりません。歯にかかる過剰な「力」が加わると、骨の破壊は一気に加速します。
✅毎日きちんと歯磨きをしているのに歯がグラグラしてくる方は、噛みしめ・食いしばり・噛み合わせの異常など「力」のダメージが隠れている可能性があります。
✅ばい菌のコントロール(歯磨き・クリーニング)と、力のコントロール(噛み合わせの診断・マウスピース等)の両方を行ってはじめて、歯周病の進行を止めることができます。
香川県高松市で、日本歯科専門医機構認定 補綴(ほてつ)歯科専門医・指導医を務めております、咬み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の院長 吉本彰夫です。
「毎日しっかり歯磨きをしているのに、歯周病が進行していると言われた」「定期的に歯医者さんでクリーニングを受けているのに、歯がグラグラしてきた」このようなご相談で、当院にお越しになる患者様が大変多くいらっしゃいます。一生懸命ケアをしているのに、なぜ歯周病は進んでしまうのか。その答えのひとつが、今回お話しする「力(ちから)」です。
- 1. この記事のまとめ(要約)
- 2. 歯周病は「骨が溶けてなくなる病気」です
- 3. 骨が溶ける原因は「ばい菌」だけではありません
- 4. 「ばい菌」と「力」が揃うと、骨の破壊は一気に加速
- 5. 「歯磨きを頑張っているのに進行する」方に共通すること
- 6. 歯周病治療には「2つのコントロール」が必要です
- 7. こんな方は一度、噛み合わせの診断を受けてください
- 8. よくある質問(FAQ)
- 8.1. Q1. 毎日歯磨きをしていれば、歯周病は防げますか?
- 8.2. Q2. 自分に「力」のダメージがあるかどうか、どうすれば分かりますか?
- 8.3. Q3. 食いしばりの自覚がないのですが、力のダメージはあり得ますか?
- 8.4. Q4. 力のコントロールとは、具体的に何をするのですか?
- 8.5. Q5. 一度溶けてしまった骨は元に戻りますか?
- 9. ご予約・ご相談はこちら
歯周病は「骨が溶けてなくなる病気」です

まず大前提として、歯周病とは歯ぐきの病気ではなく、歯を支えている顎の骨が溶けてなくなっていく病気です。
歯は歯ぐきで支えられているのではありません。畑の大根が土に植わっているように、歯は顎の骨に植わって支えられています。その土台の骨が溶けてしまえば、どんなに健康な歯であってもグラグラになり、最後は抜け落ちてしまいます。
そして、この「骨が溶ける」原因は、実はひとつではないのです。
骨が溶ける原因は「ばい菌」だけではありません
一般的に歯周病の原因として知られているのは、歯垢(プラーク)の中にいる歯周病菌、つまり「ばい菌」です。

ばい菌が歯と歯ぐきの境目で炎症を起こし、その炎症が骨にまで及ぶことで、骨が少しずつ溶けていく。これが教科書的な歯周病の説明であり、もちろん間違いではありません。
しかし、もうひとつ、見逃されがちな大きな原因があります。
それが、歯にかかる過剰な「力」です。

- 夜間の歯ぎしり・食いしばり
- 日中の無意識の噛みしめ(TCH:歯列接触癖)
- 噛み合わせのズレによる、特定の歯への力の集中
- 片側ばかりで噛む癖
こうした「力」は、ばい菌とはまったく別のルートで、歯を支える骨にダメージを与えていきます。
「ばい菌」と「力」が揃うと、骨の破壊は一気に加速
ここからが今回の本題です。
ばい菌による炎症だけであれば、骨の破壊は比較的ゆっくり進みます。ところが、そこに過剰な「力」が加わると、歯周病の進行スピードは一気に速まります。

イメージしていただきたいのは、地盤のゆるんだ土地に立つ杭を、毎日グラグラと揺さぶり続ける状態です。
ばい菌の炎症によって歯の周りの組織が弱っているところに、体重を超えるほどの強い噛む力が、毎晩何時間も繰り返し加わる。すると、
- 揺さぶられた歯の周囲で骨の破壊がさらに進む
- 歯と歯ぐきの間のすき間(歯周ポケット)が深くなる
- 深くなったポケットの奥にばい菌が入り込み、歯ブラシでは届かなくなる
- ばい菌が増え、炎症がさらに強くなり、また骨が溶ける
という悪循環が生まれます。
「ばい菌」と「力」。このふたつが組み合わさったとき、歯周病は単独のときとは比べものにならない速さで進行していくのです。

「歯磨きを頑張っているのに進行する」方に共通すること
当院にご相談に来られる方の中には、誰よりも丁寧に歯磨きをされている方が少なくありません。定期的に歯科医院で歯のお掃除を続けてこられた方もいらっしゃいます。
それでも歯がグラグラしてくる。骨が溶けていると言われる。
そういった方のお口を拝見すると、多くの場合、
- 歯がすり減って平らになっている
- 歯の根元がくさび状に削れている(くさび状欠損)
- 詰め物・被せ物が何度も外れたり割れたりしている
- 朝起きると顎が疲れている、こめかみが張っている
といった、「力」のダメージのサインが見つかります。
つまり、ばい菌のコントロールはできているのに、力のコントロールが手つかずのままになっているのです。これでは、片方の蛇口を閉めても、もう片方の蛇口から水が出続けているのと同じことです。
歯周病治療には「2つのコントロール」が必要です

咬み合わせ専門の吉本歯科医院では、歯周病の治療において次の2つを車の両輪と考えています。
1つ目は、ばい菌のコントロール。
毎日の正しい歯磨き、歯科医院での専門的なクリーニングによって、歯周病菌の数を減らしていくことです。
2つ目は、力のコントロール(フォースコントロール)。
噛み合わせを精密に診断し、特定の歯に力が集中していないかを確認したうえで、噛み合わせの調整やマウスピースの使用などにより、歯と骨にかかる破壊的な力を分散・軽減していくことです。
この2つが揃ってはじめて、骨の破壊という悪循環を断ち切ることができます。どちらか一方だけでは、歯周病の進行を止めることは難しいのです。
こんな方は一度、噛み合わせの診断を受けてください
- 歯磨きを頑張っているのに歯周病が良くならない
- 「骨が溶けている」と言われた
- 朝起きたとき、顎やこめかみに疲れ・だるさがある
- 歯がしみる、欠ける、すり減っていると感じる
- 治療した歯ばかり、何度もトラブルを繰り返す
ひとつでも当てはまる方は、ばい菌だけでなく「力」のダメージが進行している可能性があります。骨は一度溶けてしまうと、元に戻すことは容易ではありません。歯がグラグラになってからでは、選べる治療の選択肢はどんどん少なくなってしまいます。「まだ大丈夫」と感じている今こそが、歯を守る最大のチャンスです。
香川県高松市で歯周病の進行にお悩みの方、他院で「歯周病で抜歯」と言われてしまった方は、ぜひ一度、咬み合わせ専門の吉本歯科医院へご相談ください。ばい菌と力、両方の視点からあなたの歯を守るための診断をいたします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 毎日歯磨きをしていれば、歯周病は防げますか?
A. 歯磨きで防げるのは「ばい菌」によるダメージです。歯ぎしり・食いしばり・噛み合わせの異常など「力」によるダメージは、歯磨きでは防ぐことができません。歯周病の進行を止めるには、ばい菌のコントロールと力のコントロールの両方が必要です。
Q2. 自分に「力」のダメージがあるかどうか、どうすれば分かりますか?
A. 朝起きたときの顎の疲れ、歯のすり減り、歯の根元のくさび状の欠け、詰め物が何度も外れる、といったサインがあれば「力」のダメージが疑われます。正確には、咬み合わせ専門の歯科医院での精密な診断が必要です。
Q3. 食いしばりの自覚がないのですが、力のダメージはあり得ますか?
A. はい、あり得ます。特に睡眠中の食いしばりや歯ぎしりはご本人に自覚がないことがほとんどで、ご家族にも気づかれないケースが多くあります。自覚症状の有無ではなく、歯やお口に残された「力の痕跡」から診断することが大切です。
Q4. 力のコントロールとは、具体的に何をするのですか?
A. 噛み合わせを精密に診断したうえで、特定の歯に集中している力を分散させる噛み合わせの調整や、夜間のマウスピース(ナイトガード)の使用などを行います。お口の状態によって最適な方法は異なりますので、診断に基づいてご提案いたします。
Q5. 一度溶けてしまった骨は元に戻りますか?
A. 一度溶けた骨を完全に元へ戻すことは容易ではありません。だからこそ、骨がまだ残っている早い段階で原因(ばい菌と力)を取り除き、進行を止めることが何より重要です。気になる症状がある方は、お早めにご相談ください。
ご予約・ご相談はこちら
「歯磨きをしているのに歯周病が進む」「歯がグラグラしてきた」という方は、手遅れになる前に一度、噛み合わせの診断を受けてみてください。
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咬み合わせ専門 吉本歯科医院(香川県高松市)
日本歯科専門医機構認定 補綴(ほてつ)歯科専門医・指導医
院長 吉本彰夫



