
香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。毎日の診療で患者さんとお話ししていると、「硬いものを食べて歯を鍛えているんだ」
とおっしゃる方が、実は少なくありません。
また、「子どもの頃から母親に“硬いものをしっかり噛むと歯が強くなる”と言われて育った」という方もよくいらっしゃいます。
しかしこれは実は、とても危険な考え方です。確かに、20代くらいまでは歯や顎が成長・発育の段階にあるため、硬いものを噛んでも大きな問題は起こりにくいでしょう。
ところが、それ以降は話がまったく変わります。良かれと思って続けているその習慣が、大切な歯を失う原因になっているかもしれません。
今回は、50代以降一気に増えてくる「歯根破折(しこんはせつ)」という怖いトラブルについて、専門医の視点からお話しします。
歯を失う第3の原因「歯根破折」とは?

「8020運動」の成果もあり、近年はご自身の歯が多く残っている方が増えました。(※8020運動とは→「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という1989年に 厚生労働省 と 日本歯科医師会 が提唱した日本の国民運動です。)
しかし、それに伴って新たな問題が急増しています。それが、歯根破折です。

歯を失う原因といえば「虫歯」や「歯周病」が有名ですが、実は歯根破折も主要な原因の一つです。
これは、被せ物の内側などで歯の根(歯根)にヒビが入り、割れてしまう状態のこと。一度歯根が割れてしまうと、残念ながらその歯は抜歯せざるを得ません。

なぜ「硬いもの」を食べてはいけないのか?
「硬いものを噛んだ方が健康にいい」そう信じて、ナッツやフランスパンの皮などを好んで食べていませんか?
歯のケアとしては、これは間違いです。特に60歳を過ぎると、体の骨と同じように、歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)の骨密度は低下していきます。
さらに、更年期以降は治療済みの歯(被せ物・神経を取った歯)が増えていることも多く、その状態で無理に硬いものを噛むと、歯に過剰な力がかかり、
根元からパキッと割れてしまうのです。

また、硬いものを噛み続けることは、歯だけでなく顎関節症の原因にもなります。
無意識の「くいしばり」にも要注意

歯根破折の原因は、食事だけではありません。無意識の「くいしばり」も大きな要因です。
✅寝ている間
✅集中している時
グッと歯を食いしばる癖はありませんか?
この強い力が、毎晩、毎晩、歯の根元にダメージを与え続けています。
歯根破折から歯を守るために
咬み合わせ専門の吉本歯科医院では、こうした力から歯を守るため、次の対策をおすすめしています。
① 就寝時用マウスピース(ナイトガード)
睡眠中の強烈な力から歯を守るため、専用のマウスピースを装着します

※吉本歯科医院では患者様の咬み合わせの状態によって7種類のマウスピースをご用意しております。(保険適応ソフトマウスピースもあります)
② 舌ポジションの改善

盲点となっているのが舌(ぜつ)です。あなたは普段、上下の歯が触れていませんか?本来、何もしていない時は歯と歯は離れているのが正常です。
✅舌を上あごにつける
✅舌を下の前歯の裏に添える
この意識を持つだけで、くいしばりは大きく減らせます。
「歯の磨きすぎ」も破壊の原因となります

最後に、歯磨きについても重要な注意点があります。「しっかり磨かなきゃ」と、強い力でゴシゴシ磨いていませんか?強いブラッシングは歯茎を傷つけ、柔らかい歯根を露出させてしまいます。歯と歯茎のさかいめが茶色くなっているのは虫歯ですか?|くさび状欠損(WSD)|咬み合わせ専門の吉本歯科医院【香川県高松市】
露出した歯根は
✅虫歯になりやすい
✅折れやすい
という非常に危険な状態です。
歯ブラシは柔らかい毛先のものを選び、毛先が広がらない程度の弱い力で、優しく磨きましょう。押し当ててはダメです。吉本歯科医院では歯に直接ブラシを当てずに音波による水流で歯の汚れをかきだす音波電動歯ブラシ(ソニッケア)をおすすめしています。
まとめ
「硬いものを噛むこと」は、シニア世代の歯にとってトレーニングではなく、破壊行為になりかねません。
✅食事は軟らかいものを選ぶ
✅歯磨きは優しく
✅就寝中の保護用マウスピースで歯軋りの力をコントロールする
これらを意識することで、歯は確実に長持ちします。咬み合わせ専門の吉本歯科医院まで、お気軽にご相談ください。



