
【歯を失うと老け顔に見えることがある?】50代以降の女性に知ってほしい、歯・顎の骨・かみ合わせと口元の変化
「最近、急に老けた気がする」
「ほうれい線が前より深くなった」
「口元がしぼんで、疲れた顔に見える」
「頬がこけて、以前より元気がなさそうに見える」
鏡を見るたびに、そんな変化が気になっていませんか?
50代以降になると、肌のハリや筋肉の変化を感じやすくなります。
そのため、「年齢のせいだから仕方ない」と思ってしまう方も多いかもしれません。
もちろん、年齢による変化は誰にでもあります。
けれど、口元のたるみやほうれい線、頬のこけ、顔の左右差には、歯を失ったことや、かみ合わせの変化が関係している場合があります。
特に、奥歯を抜いたままにしている方。
合わない入れ歯を我慢して使っている方。
片側だけで噛む癖がついている方。
その口元の変化は、スキンケアだけでは届きにくい「お口の内側の土台」から起きているかもしれません。
これまで、家族のこと、仕事のこと、親の介護のことを優先して、ご自身の歯を後回しにしてきた方もいらっしゃると思います。
まずは、そのことを責めないでください。
歯のことを後回しにしてきた時間は、あなたが誰かのために頑張ってきた時間でもあります。
ただ、これから先の人生は、少しご自身の口元にも目を向けてあげてほしいのです。
歯を失うと「老け顔」に見えることがある理由
歯を1本失っても、すぐに顔が大きく変わるわけではありません。
だからこそ、「奥歯だから見えないし大丈夫」と思ってしまう方も少なくありません。
けれど、歯は食べ物を噛むためだけのものではありません。
歯は、顎の骨、歯ぐき、唇、頬、口元の筋肉を内側から支える役割も持っています。
家に例えるなら、歯は建物を支える「柱」のような存在です。
柱が1本なくなっても、すぐに家が傾くわけではありません。
でも、そのままにしていると、残った柱に負担が集中し、少しずつ建物全体にゆがみが出ることがあります。
お口の中も同じです。
歯を失ったままにしていると、顎の骨やかみ合わせのバランスが少しずつ変わり、口元の印象に影響することがあります。
歯を失うと、顎の骨がやせることがあります
歯の根は、顎の骨の中に埋まっています。
私たちは噛むたびに、歯の根を通じて顎の骨へ刺激を伝えています。
この刺激は、顎の骨を保つために大切な役割をしています。
歯を失うと、その部分には歯の根からの刺激が届かなくなります。
すると、歯を支えていた骨が少しずつやせていくことがあります。
これを歯槽骨吸収(しそうこつきゅうしゅう:歯を支えている骨が少しずつ減っていくこと)といいます。
顎の骨がやせると、その上にある歯ぐきも下がりやすくなります。
歯ぐきが下がると、入れ歯が合いにくくなったり、口元を内側から支える力が弱くなったりすることがあります。
その結果、
「頬がこけて見える」
「口元がしぼんだように見える」
「以前より疲れた顔に見える」
と感じることがあります。
これは、肌だけの問題ではなく、口元を支える内側の土台が変化しているサインかもしれません。
奥歯を失うと、かみ合わせの高さが下がりやすくなります
特に大切なのが、奥歯です。
奥歯は食べ物をすりつぶすだけではありません。
上下の顎の高さを支える、大切な役割を持っています。
奥歯を失ったままにしていると、上下の歯で支えていた高さが低くなることがあります。
これを咬合高径(こうごうこうけい:上下の歯が噛み合ったときの顔の高さ)といいます。
咬合高径が低くなると、口元が内側に入り込んだように見えたり、ほうれい線が深く見えたり、下顔面が短くなったように見えたりすることがあります。
「昔より口角が下がった」
「写真を撮ると、口元がしぼんで見える」
「口を閉じたとき、顔が小さく縮んだように感じる」
このような変化の背景に、奥歯の喪失やかみ合わせの低下が関係している場合があります。
歯がない場所を放置すると、周りの歯も動きます
歯は、1本ずつ単独で存在しているわけではありません。
隣の歯、噛み合う相手の歯、上下の顎、筋肉とバランスを取りながら並んでいます。
歯を失ったままにすると、隣の歯が空いた場所へ倒れてくることがあります。
また、噛み合う相手を失った歯が、歯のない方向へ伸びてくることもあります。
これを挺出(ていしゅつ:噛み合う相手を失った歯が伸びてくること)といいます。
歯が動くと、かみ合わせ全体のバランスが変わります。
すると、噛む力が偏り、顎の位置や顔の左右差に影響することがあります。
つまり、「歯が1本ないだけ」と思っていても、お口全体では少しずつ変化が始まっていることがあるのです。
合わない入れ歯も、口元の老け見えにつながることがあります
「入れ歯を入れているから、歯がないままよりは大丈夫」
そう思っている方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、入れ歯で歯を補うことは大切です。
ただし、入れ歯が合っていない場合は注意が必要です。
たとえば、こんなお悩みはありませんか?
入れ歯が外れやすい。
噛むと痛い。
食事中に動く。
左右どちらかだけが強く当たる。
長く入れていると歯ぐきが痛い。
入れ歯を入れても口元がしぼんで見える。
このような場合、入れ歯の高さやかみ合わせが今のお口に合っていない可能性があります。
合わない入れ歯を我慢して使い続けると、歯ぐきに強く当たったり、顎の骨に偏った負担がかかったりすることがあります。
その結果、さらに入れ歯が合いにくくなることもあります。
入れ歯は、作ったら終わりではありません。
年齢や歯ぐき、顎の骨の変化に合わせて、調整や作り直しが必要になることがあります。
50代以降の女性に多い「口元の変化」のサイン
次のような変化がある方は、歯やかみ合わせの状態を一度確認してみることをおすすめします。
・奥歯を抜いたままになっている
・歯がない場所をそのままにしている
・左右どちらかだけで噛んでいる
・前歯で食べ物を噛むことが増えた
・ほうれい線が前より深く見える
・頬がこけてきたように感じる
・口角が下がったように見える
・入れ歯を入れても口元がしぼんで見える
・顔の左右差が気になる
・硬いものを避けるようになった
これらがすべて歯だけで起こるわけではありません。
けれど、歯の喪失やかみ合わせの低下が関係している場合があります。
「年齢だから仕方ない」とあきらめる前に、お口の中から確認してみることも大切です。
「歯を後回しにしてきた」と感じている方へ
50代以降の女性の中には、長い間、ご自身のことを後回しにしてこられた方がたくさんいらっしゃいます。
子育てがあった。
親の介護があった。
仕事と家事で毎日がいっぱいだった。
家族の病院には付き添っても、自分の歯科受診は後回しだった。
歯が抜けても、痛みがなければ「今はこれでいい」と思うしかなかった。
そうやって、ご自身よりも周りを優先してきた時間があったのだと思います。
歯を失ったことを、責める必要はありません。
入れ歯が合わないまま我慢してきたことを、恥ずかしく思う必要もありません。
これまで頑張ってこられたからこそ、これからはご自身の口元にも少し目を向けてあげてください。
口元は、食べるためだけの場所ではありません。
笑う、話す、表情をつくる、自分らしさを支える大切な場所です。
口元の変化を防ぐために大切なのは「かみ合わせの土台」を整えること
ほうれい線や口元のたるみが気になると、化粧品や美容ケアを考える方も多いと思います。
もちろん、肌のお手入れも大切です。
けれど、歯や顎の骨、かみ合わせの高さが崩れている場合、表面からのケアだけでは限界を感じることがあります。
大切なのは、口元を支えている内側の土台を整えることです。
吉本歯科医院では、歯を失った部分だけでなく、かみ合わせ全体を確認します。
残っている歯に負担がかかっていないか。
奥歯で高さを支えられているか。
前歯に無理な力がかかっていないか。
顎の位置が安定しているか。
入れ歯の高さや噛み合わせが合っているか。
歯ぎしり(寝ている間などに歯をこすり合わせる癖)や食いしばり(無意識に強く噛みしめる癖)がないか。
かみ合わせは、顔の土台です。
その土台が安定しているかどうかを診ることが、これからの口元を守るために大切です。
歯を失った方の主な治療選択肢
歯を失った場合の治療には、いくつかの方法があります。
どの方法が合うかは、お口の状態、骨の量、残っている歯、全身状態、ご希望によって変わります。
ブリッジ
ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を削り、橋をかけるようにつながった被せ物で補う治療です。
固定式なので、取り外しの手間がなく、違和感が少ない場合があります。
一方で、支えになる歯を削る必要があり、その歯に負担がかかることがあります。
部分入れ歯
部分入れ歯は、残っている歯にバネをかけて使う取り外し式の装置です。
保険診療で対応できる場合があり、比較的短期間で作製しやすい方法です。
一方で、バネが見える、違和感がある、噛む力が弱く感じる、バネをかける歯に負担がかかることがあります。
精密入れ歯
精密入れ歯とは、型取り、素材、かみ合わせ、見た目に配慮して作る自費診療の入れ歯です。
かみ合わせの高さや口元の支えを考えながら作製できるため、保険の入れ歯では満足しにくかった方の選択肢になることがあります。
ただし、入れ歯であるため、調整や慣れは必要です。
テレスコープ義歯
テレスコープ義歯とは、残っている歯に内冠(ないかん:歯にかぶせる内側の冠)を装着し、その上から外冠(がいかん:入れ歯側についている外側の冠)をはめ込む精密な義歯です。
金属のバネを使わないため、見た目が自然になりやすく、残っている歯にかかる力を分散しやすいという特徴があります。
また、設計によっては、将来の修理や増歯(ぞうし:入れ歯に人工歯を追加すること)に対応できる場合もあります。
「入れ歯の見た目が気になる」
「口元を自然に見せたい」
「残っている歯を守りながら噛める状態を考えたい」
という方にとって、選択肢の一つになります。
インプラント
インプラントとは、顎の骨に人工歯根(じんこうしこん:人工の歯の根)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療です。
噛む力を骨に伝えやすく、固定式で使えることが特徴です。
隣の歯を削らずに補える場合もあります。
ただし、外科処置が必要です。
骨の量、歯周病の状態、糖尿病などの全身状態、服用中のお薬、喫煙習慣、治療後のメンテナンスなどを確認したうえで慎重に判断します。
インプラントが向いている方もいれば、精密入れ歯やテレスコープ義歯の方が合っている方もいます。
大切なのは、治療方法を先に決めることではなく、今のお口全体を診てから考えることです。
「まだ大丈夫」と思っている今こそ、相談しやすいタイミングです
歯や顎の骨、かみ合わせの変化は、ある日突然大きく変わるというより、少しずつ進むことが多いです。
そのため、気づいたときには、
「もっと早く相談しておけばよかった」
「入れ歯が合わなくなる前に見てもらえばよかった」
「奥歯がなくなったとき、そのままにしなければよかった」
と感じる方もいらっしゃいます。
でも、今気づいたことは、とても大切な一歩です。
「老け顔が気になる」
「口元が変わってきた気がする」
「歯がないことと関係あるのか知りたい」
そのようなご相談でもかまいません。
歯科医院は、痛くなってから行く場所だけではありません。
これからの口元と食事を守るために、今の状態を確認する場所でもあります。
よくあるご質問
Q. 歯を失うと必ず老け顔になりますか?
必ず老け顔になるわけではありません。
ただし、奥歯を失ったままにしている場合や、かみ合わせの高さが下がっている場合、口元の印象に影響することがあります。
顔つきの変化には、年齢、筋肉、姿勢、体重変化なども関係します。
そのため、お口の状態を確認したうえで判断することが大切です。
Q. ほうれい線は歯科治療でなくなりますか?
ほうれい線が完全になくなると断定することはできません。
ただし、歯を失って口元の支えが弱くなっている場合、かみ合わせの高さや入れ歯の設計を見直すことで、口元の印象が変わることがあります。
美容目的だけでなく、噛む機能を整えることが基本になります。
Q. 合わない入れ歯を使っています。作り直した方がいいですか?
入れ歯が外れやすい、痛い、噛みにくい、口元がしぼんで見える場合は、一度確認した方がよいでしょう。
調整で改善できることもあれば、作り直しが必要なこともあります。
かみ合わせの高さや歯ぐきの状態を確認して判断します。
Q. インプラントが怖いのですが、ほかの方法はありますか?
あります。
インプラント以外にも、精密入れ歯やテレスコープ義歯などの選択肢があります。
外科処置に不安がある方、骨の量が少ない方、全身状態が気になる方は、無理に一つの方法に決める必要はありません。
お口の状態に合わせて、選択肢を一緒に考えます。
まとめ|口元の変化は、歯とかみ合わせから見直せることがあります
「最近、老けて見える」
「ほうれい線が深くなった」
「口元がしぼんできた」
「頬がこけたように感じる」
その変化は、年齢だけのせいではないかもしれません。
歯を失うと、顎の骨がやせることがあります。
奥歯を失うと、かみ合わせの高さが下がることがあります。
合わない入れ歯を使い続けると、口元の支えが不安定になることがあります。
口元は、顔の印象を大きく左右する場所です。
そして、その口元を内側から支えているのが、歯、顎の骨、かみ合わせです。
これまで家族や仕事を優先して、ご自身の歯を後回しにしてこられた方も多いと思います。
本当に、よく頑張ってこられました。
これからは、ご自身の口元にも少し目を向けてあげてください。
噛めること、笑えること、話せることは、これからの毎日を支える大切な力です。
吉本歯科医院では、かみ合わせ専門の視点から、歯を失った原因、顎の骨の状態、噛む力のバランスを確認し、患者さまに合った治療方法をご提案しています。
「歯がなくなってから口元が変わった気がする」
「入れ歯を入れても老けて見える」
「老け顔と歯の関係を相談したい」
そんなお悩みがありましたら、一度ご相談ください。


