
香川県高松市で、日本歯科専門医機構認定 補綴(ほてつ)歯科専門医・指導医を務めております、咬み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の院長 吉本彰夫です。
この記事のまとめ(要約)
✅抜歯は「終わり」ではなく、次の治療への「始まり」です。どのように抜くかによって、その後の顎の骨の残り方が大きく変わり、将来のインプラント治療の難易度を左右します。
✅歯を抜いた後、顎の骨は必ずやせていきます。特に抜歯後の最初の半年間で骨は急速に吸収され、乱暴な抜歯や骨を傷める抜歯は、その吸収をさらに加速させてしまいます。
✅「骨を守る抜歯」という考え方があります。歯の周りの骨をできる限り温存する丁寧な抜歯、抜いた穴に骨の材料を補う処置(ソケットプリザベーション)、条件が整えば抜歯と同時にインプラントを埋入する方法(抜歯即時インプラント)など、抜く前にこそ選択肢があります。
✅抜歯を宣告されたら、「抜く前」にご相談ください。歯を抜いてしまった後では、選べたはずの選択肢が失われていることがありす。
「抜きましょう」と言われたとき、あなたはどうされますか?

「この歯はもう残せません。抜きましょう」
長年連れ添ってきたご自分の歯に、ある日突然、別れを告げられる。50代、60代、70代と年齢を重ねてこられた方なら、一度はこのような場面を経験された、あるいはこれから経験されるかもしれません。
子供の頃から何十年も、固いおせんべいも、お正月のお餅も、一緒に噛みしめてきた歯です。「仕方がない」と頭では分かっていても、心のどこかで寂しさを感じられるのは、当然のことだと思います。
そして多くの方が、こうお考えになります。
「抜くのはどこで抜いても同じだろう」
「抜いてから、その後のことはゆっくり考えればいい」
実は、ここに大きな落とし穴があります。
抜歯は「どこで抜いても同じ」ではありません。そして「抜いてから考える」のでは、遅い場合があるのです。
歯を抜くと、顎の骨は必ずやせていきます

まず知っていただきたいのは、歯と骨の関係です。
歯は、歯茎に支えられているのではありません。歯茎の下にある「歯槽骨(しそうこつ)」という顎の骨に、しっかりと植わっています。畑の大根が土に植わっているのと同じ構造です。
この歯槽骨は、「歯がそこにあるからこそ維持される骨」です。毎日の食事で噛む力が歯から骨へ伝わることで、骨は刺激を受け、その形を保っています。
ところが歯を抜くと、その刺激が失われます。すると体は「ここの骨はもう必要ない」と判断し、骨を吸収して(溶かして)いくのです。
特に抜歯後の最初の3か月から半年の間に、骨は急速にやせていきます。幅も高さも減っていき、一度失われた骨は、自然に元へ戻ることはありません。
「歯の抜き方」で、残る骨の量が変わります

ここからが、今回最もお伝えしたいことです。
同じ歯を抜くのでも、抜き方によって、その後に残る骨の量が大きく変わります。
歯の周り、特に頬側(外側)の骨は、紙のように薄いことが多くあります。抜歯の際にこの薄い骨を傷つけたり、割ってしまったり、無理な力で歯を揺さぶって骨ごと壊してしまうと、ただでさえやせていく骨が、さらに大きく失われてしまいます。
また、歯の根が割れている歯(歯根破折)や、根の先に病巣がある歯では、炎症によってすでに骨が溶けていることがあります。このような歯を、周囲の状態を確認しないまま抜いてしまうと、感染した組織が取り残されたり、骨の欠損がどこまで広がっているか分からないまま治癒を待つことになったりします。
将来インプラント治療をお考えなら、これは深刻な問題です。
なぜなら、インプラントは「骨」に支えられる治療だからです。インプラントという人工の歯根を埋め込むには、十分な厚みと高さのある顎の骨が必要です。骨が足りなければ、骨を造る手術(骨造成)を追加で行わなければならず、治療期間も費用も、お体への負担も大きくなります。場合によっては「骨が足りないのでインプラントはできません」と断られてしまうことさえあるのです。

つまり、こういうことです。
抜歯のその瞬間に、将来のインプラント治療の成否の一部が、すでに決まり始めている。
骨を守るために。抜歯前に検討できる選択肢
では、具体的にどのような方法があるのでしょうか。代表的なものをご紹介します。
1. 骨をできる限り温存する、丁寧な抜歯
歯を周囲の骨ごと壊すのではなく、専用の器具を用いて、骨へのダメージを最小限に抑えながら抜歯する方法です。根が複数ある奥歯であれば、あえて歯を分割し、一本ずつ静かに抜いていくこともあります。時間も手間もかかりますが、薄い頬側の骨を守ることが、将来の骨の量を守ることに直結します。
2. ソケットプリザベーション(抜歯窩温存術)
抜歯をした後の穴(抜歯窩)に、骨補填材という骨の材料を入れ、骨がやせていくのを最小限に抑える処置です。「抜きっぱなし」にするのと比べて、骨の幅や高さの吸収を抑えることが期待でき、将来のインプラント治療の土台づくりになります。これは抜歯と同時にしか行えない処置です。抜いてしまった後から「やっぱりお願いします」というわけにはいきません。
3. 抜歯即時インプラント
骨の状態や感染の有無など、条件が整っている場合に限られますが、抜歯と同時にインプラントを埋入する方法です。手術の回数を減らせること、骨がやせる前に治療を進められることが利点です。ただし、どなたにでも適応できる方法ではありません。CT撮影による精密な診査と、咬み合わせを含めた診断が不可欠です。
「抜く前」のご相談が、未来の選択肢を守ります

当院には四国各地より、「他の医院で抜歯と言われたのですが」とご相談にお越しになる方が大勢いらっしゃいます。
その中で、本当に残念に思うのは、すでに抜歯を済まされた後で、「こんな方法があるなんて知らなかった」とおっしゃる方にお会いするときです。
抜歯そのものは、決して悪いことではありません。残すことでかえって周囲の骨を失う歯、お体に害を及ぼす歯は、適切な時期に抜くべきです。
しかし、「いつ、どのように抜くか」「抜いた後をどうするか」を設計してから抜くのと、何も考えずに抜くのとでは、その後の人生が変わります。
家を建てるとき、土地の地盤を調べずに柱を立てる大工さんはいません。歯科治療も同じです。抜歯は、いわば更地にする工事。その先にどんな家(インプラント、ブリッジ、入れ歯)を建てるのかを決めてから、更地の作り方を選ぶべきなのです。
人生100年時代。まだまだ、ご自分の口で召し上がってください
50代、60代は、まだまだ折り返し地点です。これから先、20年、30年と続く食卓があります。お孫さんと囲む食卓、ご夫婦での旅行先の食事、お仲間との会食。その全ての場面で、「噛める」ということが、人生の楽しみを支えてくれます。
歯は一生もの、とよく言われます。しかし万一その歯を失うことになっても、骨を守ることができれば、次の選択肢を守ることができます。
「抜きましょう」と言われたら、どうか抜く前に、一度立ち止まってください。セカンドオピニオンとしてのご相談も承っております。CT撮影による骨の精密な診査を行い、抜歯の方法から、その後の治療設計まで、咬み合わせ専門医の立場でご一緒に考えさせていただきます。
多くの患者様に選ばれている「インプラント初診パック」
「抜歯と言われたけれど、本当に抜かないといけないのか。残せないのか」
「抜歯した後は、どうすればいいのか」
「骨がないと言われたけれど、この先どうなるのか」
当院には、このようなご不安を抱えた50代以降の患者様が、毎月数多くご相談にお越しになります。長年がんばってきたご自分の歯のこと、そしてこれからの人生の「噛める」を支える顎の骨のこと。漠然とした不安のまま過ごすのは、本当におつらいものです。
そうした皆様に大変喜ばれているのが、吉本歯科医院の「インプラント初診パック」です。通常40,000円のインプラント診断初診メニューを、5,500円(税込)でお受けいただけます。
内容は、初診カウンセリングに始まり、骨の厚みや硬さまで診断できるCTスキャン撮影、咬み合わせを含めた口腔内の診察と写真撮影。それらの結果をもとに、院長の吉本彰夫が直接、診断結果をご説明いたします。
「抜くべき歯なのか、残せる可能性があるのか」「抜くなら、骨を守るためにどんな方法があるのか」「骨が少ない場合、どんな選択肢が残されているのか」。レントゲンだけでは分からない骨の状態をCTで精密に把握したうえで、あなたのお口に何が起きているのか、これからどうすればよいのかを、明確にお答えします。曖昧なまま帰っていただくことはいたしません。多くの患者様が「初めて自分の口の中のことが分かった」「不安の正体がはっきりして、気持ちが軽くなった」とおっしゃってくださるのは、この「明確さ」ゆえだと考えております。
専任のカウンセラーも同席いたしますので、費用のこと、治療期間のこと、痛みへの不安など、どのようなことでも遠慮なくお尋ねください。
一つ、お約束いたします。初診パックは、インプラント治療を強制するものではありません。診断結果とお見積りをお持ち帰りいただき、ご自宅でゆっくりご検討ください。ご家族と相談されてからで結構です。納得のいかないまま治療を始めることほど、後悔につながるものはないからです。
ご予約方法
- WEB予約:ご予約フォームより、メニュー一番最後の「インプラント初診パック」をお選びください
- お電話:087-818-1118(「初診パック希望」とお伝えください)
あなたの歯の苦労を、あなたの人生から取り除いてさしあげたい。その思いで、お待ちしております。
香川県高松市 咬み合わせ専門
吉本歯科医院 院長 吉本彰夫




