他医院で骨がないといわれた。診断の正確さでインプラント治療を実現
入れ歯で噛めない、他医院でインプラントができないと言われた(76歳男性)―インプラント治療後、咬合改善、定期的なメインテナンスを
入れ歯で噛めない、他医院で骨がないのでインプラントができないと言われた患者様の症例
吉本歯科医院では、口内写真とパノラマレントゲンを撮影し、まずは顎の骨の状態まで詳しく確認しました。
写真(1)口内写真
写真(2)パノラマレントゲン写真
CT画像で見ると骨の厚みが1、2ミリしかなく、通常の10ミリのインプラントを入れればシミュレーションのように鼻の空洞に突き抜けてしまうばかりでなく、強い力で噛んだ時に骨折する恐れがあります。
正確な診断
院長の吉本の診断は、次の3つでした。
・入れ歯では合わない、噛めないのは当たり前
・合わない入れ歯を入れているために骨がどんどん退縮していってる
・入れ歯を入れたり入れなかったりするため、歯並びがどんどん崩れだしている
→歯がない状態で過ごしているへ
→入れ歯が合わない噛めないへ
初期治療と継続的な治療について
1.インプラント治療(きちんと噛めるように長いインプラントと短いインプラントを組み合わせ治療を行う)
2.マウスピースによる咬合改善維持
3.定期的な予防治療(PMTC)
写真(1)
写真(2)
短いインプラントを斜めに2本入れ、奥の上顎結節に長いインプラントを1本入れて強度を確保しました。赤い部分がインプラントです。
写真(3)
完成後、長いインプラントと短いインプラントを組み合わせきちんと噛めるように調整を行なう
骨な少なくとも、サイナスリフトという大掛かりな外科手術を行なわずにインプラント治療が実現することができました。
右上の奥歯と左下の奥歯を失い前歯が当たる、奥歯で噛めない。奥歯のインプラント治療
治療について
- 治療内容/右上と左下奥歯のインプラント治療,右上に骨がないので上顎結節部に強度を上げるためにインプラント本数追加
- 費用/300万円(税別)
- リスク・副作用/術後1週間程度の腫れ、2~3週間程度の内出血やあざがでることがある。上顎の場合は数日鼻血が出ることがあります。骨とインプラントが結合するまでの期間はしっかり噛めません。仮歯が入るまでは奥歯がありません。
- 期間/1年半程度
インプラント治療におけるリスクや副作用の詳細説明
一般的なインプラント治療には以下のようなリスクがあります。
その有無や程度は、症状や個人差によって異なります。
全ての患者様に言えることは、喫煙はインプラント手術及び術後の経過不良を引き起こしてしまう可能性があるということです。
インプラント治療に入る前に、禁煙されることを強くお勧めします。また将来においても禁煙をお勧めします。
外科手術
インプラント埋入手術は、いずれも外科手術が必要です。
口腔や顎骨に関わる外科手術によって以下のように生じるリスクがあります。
①痛み・腫れが生じる可能性があります。
②外科による出血が長引く可能性があります。
③神経損傷による麻痺の可能性があります。
④上顎洞炎になる可能性があります。
⑤手術によって内出血様のあざが生じる可能性があります。
⑥上の術後にはしばらく鼻血が出る可能性があります。
⑦手術部とは離れた部分に内出血やあざが生じる可能性があります。
腫れやあざは、多くの場合時間の経過とともに自然に退いていきます。(2週間~3週間程かかる場合もあります)
当院では、出来る限り低侵襲な治療法を選択することで、負担の少ない治療をご提供しています。
さらに、神経損傷や麻痺のリスクを回避するため、神経や血管の位置や骨の硬さの値をより正確に把握することが可能なCTで撮影を行います。そのCTデータを3D立体構築画像検査による精密診断を必ず実施ししてから手術を行います。
その結果に基づいた治療計画を立てています。
顎骨・歯周組織の影響
骨量や歯周組織が吸収、減少してしまっている場合は、骨造成や骨移植及び歯肉移植などの手術を併用します。当医院で使用する人工骨は牛から取り出した成分を加工して作られた人工骨とリン酸カルシウムを材料として作られた人工骨です。いずれも長期に応用されているもので不具合は報告されていません。
骨質に関しては、骨の質が硬すぎる、柔らかすぎる場合、埋入後のインプラントが骨と結合しにくいというリスクがあります。
骨の中にバイキンが残っている場合には埋入後のインプラントが骨と結合しにくいというリスクがあります。
特に骨質(硬さ)は個人差があります。また、骨質にはCTでは明確に見えない部分があります。実際、手術で開いてみて骨の状態によって埋入予定が変更になる場合があります。
メインテナンス
インプラント自体は虫歯になることはありませんが、インプラント周囲の歯肉はブラッシングを怠ると歯周病のように炎症を起こし、バイキンが歯肉から骨の方に侵入していきます。結果インプラント周囲の顎骨が溶けていってしまいます。腫れる、膿みがでる、噛むと痛む、インプラントや被せ物が動くなどが主な症状です。
これをインプラント周囲炎といいます。重症化するとインプラント抜去になってしまうことがあります。インプラントは自覚症状が出にくいものです。
早期発見、早期治療が状態悪化を遅らせることになります。当院では必ず定期健診にお越し頂きますようお願いいたします。
ご自身では、毎日正しい清掃を続けていく必要があります。
噛み合わせも日々変化し、治療後の状態が続くわけではないので、当院では治療後も定期的に噛み合わせのチェックをしています。
生活習慣
歯肉・歯周組織が健康な状態でないと、適切なインプラント治療を行うことが難しくなります。
特に禁煙、糖尿病は、術後の歯周組織の治癒を遅らせ、インプラント手術の成功率を低下させます。
したがって当院ではインプラント治療に際して、禁煙を強くお勧めしています。
また、糖尿病や骨粗しょう症の自主的管理をすることも、付け加えさせていただきます。
禁煙にご不安な方には禁煙外来をご紹介いたします。
国内未承認の有無 | 未承認(一部適応にて承認有り) |
---|---|
入手経路 | ノーベルバイオケア社およびジンマー・バイオメット・デン タル合同会社(旧 バイオメット3iジャパン社)から入手 |
国内の承認医薬品の有無 | 無(一部適応外使用有り) |
安全性に関し諸外国の情報 | 該当のインプラント商材は日本で何万件も の歯科医院で導入されており、これによる重大な副作用などの事象報告はありません |