2012.01.25歯科技工士さん、という存在
歯科技工士の植村さんです。
患者さんのお口に入る技工物を作成中をパシャリ。
植村さんの「技」には、いつもついつい見とれてしまいます。
歯の治療で一番最後に行なうことは、歯を削った部分に差し歯や被せものを被せたり、詰め物を詰めたりすることです。
この最終の段階で治療に必要な人工歯や、被せ物を作成する仕事を行なうのが国家資格を持った「歯科技工士」という仕事です。
多くの歯科医院では、この「歯や被せ物を作る」という仕事は、この歯科技工士さんが行ないます。
「さあ、これで完成!」という最終段階のことを委ねているのが歯科技工士さんなのですが、当然、人間ですので歯科技工士さんによって仕事の質が全く違います。
それだけ重要な役割を担っているのが、実はこの歯科技工士さんの存在です。
ものすご~~~く、重要な存在です。
この歯科技工士さんの仕事ですが、ほとんどが手作業で行なわれます。
歯科技工所に行くと、何人もの技工士さんが細かい作業を何度も何度も繰り返しながら歯や被せ物を作り出しています。
その光景は、まさに芸術家が繊細な作品を創り出しているようなものです。
出来上がった歯や歯型はどれひとつとして同じものはありません。
「歯の色」
「風合い」
「質感」
「形」
「微妙な色合い」
など、100%その歯科技工士さんの感覚で出来上がってきます。
当然、同じ『白』と言っても、Aさんが作るもの、Bさんが作るもの、Cさんが作るもの、全く出来上がりが違います。
私の前歯4本もこの植村技工士さんに作ってもらったものなのですが
誰に聞いても「これが作り物だとはとても思えない!」というほど
自然、です。
歯と歯茎の境目などはどこまでも自然で
どう見ても上から被せているとは、思えません。
にこりと笑った時に
前歯が他の歯に比べて異様に白すぎたり
また、
歯と歯茎の境目が黒くなっていたり
不自然な段差があったりと
前歯は
以外に人が見ていないようで
ものすごく見ている部分でもありますので
治療には注意が必要です。
さらに
患者さんにとっては最終段階でご自分の口に入り、その後何年も付き合っていかなくてはならない「歯」です。
患者さんにとって「きちんと噛めて違和感がない」ものでなければなりません。
患者さまと歯科医師、歯科技工士、この3者が揃い顔を合わせお口の中を実際に拝見し、
患者さまが求めるオーダーメイドの歯を作り出す、これが本来の姿だと
私達の医院では、考えています。
植村さんをとても慕っている、当院の新枝先生なのです(^^)
植村さんのすごいところ!
それは技術だけでは、ありません。
植村技工士に一度でも会われお話を交わしてくださった患者さんは
お感じになられたかと思います。
共感能力がすごい!!
聞き上手!!
ということ、です。
9年ほど前に吉本歯科医院にやってきて
最初に植村さんに会った時
「まあ、なんて感じのいい人なんだろう。。。すごいなあ」
と私は惚れ惚れとしたのですが
その印象は今でもまったく変わっておらず
一貫してその雰囲気のまま。
仕事は恐ろしく厳しいのですが
人に対する配慮は天下一品です。
伸びていく人
大きくなっていく人
には
共通することがあるんだなあ、と私は思います。
どんなに技術が素晴らしくても
どんなに頭がよくても
どんなに才能があっても
関わる人をいつも大事に大事にしている人は
勝手に周囲が押し上げてしまいたくなるものなんだ、と。
極め細やかな配慮をいつも忘れない植村さんには
学ぶところばかり、です。
細かい手作業を静かに進めていく姿は思わず見入ってしまいます。
作ることが、面白くてしょうがない、という感じです。
技工物というより、もはや作品です(笑)
患者さんに対する想い入れもひとしお。