2013.04.23ご相談の内容が変わってきている
当院では、患者さんにからの歯のお悩みの相談をメールにてお受けしております。
10年前から開設しました。
10年前から今までお寄せいただいたメール相談の内容は全て残っています。
どんなお悩みのご相談を頂き、それに対し、どんなお答えをお返ししているのか。
また、ご相談いただいた方が、現在も患者さんとしてお越しくださっているというケースも、あります。
10年前と今と、「ああ、違ってきてるんだなあ」と
思うことがあります。
それは、ご相談の内容です。
そして文章の最初の導入です。
今朝も朝一番にパソコンをチェックすると、ご相談メールが数件入っていました。
ご相談の多くは
■今、(他医院で)治療を受けている最中だが、本当にこの治療で大丈夫か?
■(他医院で)治療を受けたが、仕上がりに不満がある。本当に正しい治療だったのか?
そしてどのメールにもあることは
「何の詳しい説明もなく治療をされた」
ということです。
導入から
不安、憤りの空気が伝わってくるんです。
人は自分が感じた怒りや不満や不安は
どこかに持っていかずには、いられません。
歯医者さんで受けた怒りや不満や不安は、また違う歯医者さんへと持っていきます。
「こんなつらい体験をした。だからもう二度とそんな想いをしたくない」
持って行き場のない気持ちを誰かに受け止めてもらいたいのです。
こんなデータがあります。
■歯科医師の先生に対し
「インフォームドコンセント」正しい情報を得た(伝えられた)上での合意
を心がけていますか?
と質問したところ、89%の先生が、「はい」と答えています。
これに対し
■患者さんに対し
歯科医院からの説明はいつも、わかりやすいですか?
と質問したところ「はい」と答えた人はたったの39%でした。
こちらは正しく伝えているつもり、です。
しかし、伝わっていない。
これは現状です。
これは私達吉本歯科医院の毎回のテーマでも、あります。
お悩みの相談メールをたくさん頂くと
気がつかせてくれることが、本当にたくさんあります。
患者さんはそんな些細なことで、不安になったりするんだ
患者さんはこういうことでつらいと思うものなんだ
また
患者さんが教えて欲しいのはこういうことなんだ
患者さんが聞きたい説明は、このタイミングなんだ
メールを頂くたびに、
それだけで、患者さん応対マニュアルができそうなほど、です。
一番悲しいことは、
せっかく「ここに行こう、信頼してまかせよう」と行ったところで
話をちゃんと聞いてもらえなかったり
一方的に説明を押し付けられたり
勝手に治療をはじめられたり
することだと、思います。
これは歯医者さんだけでなく
どんな業種でも、きっと同じ。
歯医者さんの治療で
大切なことは
まずは、知って頂くこと、です。
ご自分の状態を、そして歯の仕組みをちゃんと知って頂くことです。
知らずにおまかせ、では
必ず患者さんご自身も治療後に
「こんなはずじゃなかった」
「聞いていなかった」
という悲しいことになってしまいます。
歯科医院側は、もっと患者さんの言葉になって
頭を180度切替えるくらいわかりやすい言葉に変え話をし、
なによりも
伝えるトレーニングをしなくては、なりません。
話は伝わらない
と大前提を持っておくくらいでちょうどいいのです。
そしてもうひとつ大事なことは
話を聴いてもらえそうな雰囲気
です。
私も病院に行った時、
まだまだ聞きたいことがたくさんあっても
「もうこれ以上は聴けない」オーラがむんむんに
漂っている先生の前では
「はい、ありがとうございました」と席を立ってしまいます。
この先生には
ここのスタッフには
「こんなこと聴いてもいいかな?^^」と
なんでも聴ける雰囲気がある、というのが一番です。
何でも聴いて下さいね、とは書いていながらも
聴けない雰囲気を醸し出しているようでは、ダメですね。
・・・と、そういうことを言い出してしまうと
もはやそこにいる人の人柄にまで通じてしまいます。
不安そうにしている患者さんに優しい声をかけて欲しい
何が不安なのかをお聞きして欲しい
医院を出られる前に、少しでも不安を取り除いてさしあげたい
そういうことを今のうちのスタッフ達は
よく理解してくれていると私は思っています。
言葉では言い尽くせない心の部分を
なんとなくわかって動いてくれる人達です。
メールでのご相談を受けていると患者さんのお悩みは持って行き場のない不安や不満は
どんどん増えていっているように日々感じます。
相手は異性人だと思って
想いを伝える言葉を学ぶこと
これは母性型勉強会でも、いつも勉強していることです。
伝える力は、学ぶことで身につく
そう思います。