2009.10.09オールオンフォーや即時荷重のインプラント手術を終えられた患者様へ
オールオンフォーや即時荷重のインプラント
またはその日に仮歯が入るインプラント手術を終えられた患者さまへ吉本歯科医院では
必ずお守り頂きたいことが3点ございます。
■1つ目は、「お食事」です。
①術後2週間は、流動食に近いものを召し上がってください。
上顎の場合は術後6ケ月、下顎の場合は術後3ケ月間、まだ骨とインプラントがくっついていない状態にあります。
口の中は非常に不安定な状態にある、ということをご理解ください。
この期間のお口の中はバイ菌が傷口に入りやすくなっています。
この期間に、咬む力が加わってしまうと、インプラントと骨がうまくくっつかず、「インプラントが外れてしまった」「インプラントを支えている患者さまの骨が骨折してしまった」という患者さまの症例は全国的にも多く報告されています。
くれぐれも、流動食以外は口にせず、咬む力を加えないようにご注意ください。
また、この期間は、うまく食事が取れず人間の体に必要な栄養が摂取できにくい、ということが起こります。
栄養補助食品などを上手に利用し、体調管理に努めてください。
摂取していただきたい栄養は(たんぱく質、ビタミン類、ミネラル、カルシウム、コンドロイチンなど)です。
※
上手に栄養補助食品(サプリメントなど)を利用しましょう。
たんぱく質を補給するために手軽なプロテインも効果的です。
① 術後2週間以降~6ケ月まで
この期間は、流動食から、柔らかいお食事へと変わっていきます。
上顎の場合は術後6ケ月、下顎の場合は術後3ケ月間、まだ骨とインプラントがくっついていない状態にあります。
口の中は非常に不安定な状態にある、ということをご理解ください。
この時期も、まだまだ安心できません。
この時期にご家族と同じような食事をされたために「インプラントが外れてしまった」「インプラントを支えている患者さまの骨が骨折してしまった」という患者さまの症例は全国的にも多く報告されています。
たしかに「咬めて」しまいますので、安心してしまいますが、くれぐれも「柔らかいもの」だけをお召し上がりになりますようお願い致します。
この際、どこの歯で咬めばいいのかは、患者さまがインプラントを埋入した場所により異なりますので、お食事の指導をカウンセラーよりご説明させて頂きます。
では、お食事していただける柔らかいメニューのイメージをここでご紹介しますね。
柔らかく似た煮込みうどん
ヨーグルト
上記のような、咬む力にほとんど負担がかからないような柔らかいお食事をお召し上がりください。
※ 「介護食(カムウエル)」もおすすめしております。ご相談下さい。
■2つ目は、「お口のお掃除」です。
インプラントを長持ちさせるためには「清掃」が不可欠です。
インプラントは、歯が入れば終わり、ではなく、その後のメインテナンスが絶対に必要です。
インプラント手術後の清掃を怠ったために、インプラント周辺にバイ菌がたまり、インプラント周辺の歯茎に膿がたまり、骨が溶けてしまい、インプラントが外れてしまった、という患者さまの症例は全国的にも多く報告されています。
日々のお口のお掃除に関しては、専任の歯科衛生士がご指導させていただきます。
そして定期的(月に1回程度)、メインテナンスの治療のご予約をお取りいただきご来院下さい。
歯科衛生士が歯科医院専用の機械でお口のお掃除を行います。
そうすることで、いつもお口の中は清潔に保たれ、インプラントの状態が安定してまいります。
■3つ目は、「咬み合わせ」です。
マウスピースによる保護を歯科医師より指示された患者さまは必ずお使い下さい。
寝ている間は、歯を食いしばる力が加減できないため、マウスピースを入れずにお休みになると、過剰な力が加わりインプラントが故障する可能性が出てまいります。
必ず毎晩マウスピースを装着しお休み下さい。
インプラントをされた患者さまにはこの3つの大きなお約束を必ずお守りいただけますようくれぐれもお願いを致しますね(^^)
■術後のその他の注意事項
① インプラント治療をされた患者さまは、タバコを控えてください。
また喫煙者の近くにも行かないようお願いします。
タバコの煙を吸うだけでも血流が悪くなることが学会では報告されているそうです。
② イソジン薬でのうがいは控えて下さい。望ましくないと報告されています。
③
激しい運動は避けてください。
長時間の入浴は避けてください。シャワー程度なら結構です。サウナは避けて下さい。
④ 手術当日の夜は、多少高めの枕をお使い下さい。
術後の腫れを少なくするために有効です。熱っぽく感じる時には、口の周囲の皮膚を濡れタオルなどで軽く冷やしていただいても結構です。
下唇に軽い麻痺(しびれ)が出る場合もございますが、だいたい3~6ケ月後で消失しますのでご安心下さい。
⑤ 出血について
術後は、口の中に血がたまったような感じがしたり、血がどんどん流れているような感覚がしますが、唾液が赤くなるような出血は普通ですので、ご安心下さい。
傷口から絶えず出血するようであれば湿らせたガーゼをロール状にして30分程度咬んで下さい。
出血に関してご心配な場合は、ご遠慮なく歯科医師にお電話下さい
個人差がありますが、手術を受けた部分に近い皮膚面に皮下出血により黄色っぽい皮膚の変色が見られることがあります。これは10日ないし2週間で、かならず消失します。
手術部分に感覚の違和感がみられる事があります。これは数ヶ月程度で気にならなくなります。
⑥上の顎の手術の場合、鼻血が出ることがありますが、問題ありません。
これは上の顎と鼻の骨が繋がっているため起こります。
ただし、その際に鼻を強くかまないよう、深呼吸しないよううどんをすする等鼻に圧がかからないようにお願い致します。
⑥ 術後2週間後程度に抜糸を行います。抜糸までは歯ブラシを使わず消毒薬によるうがいをして下さい。手術した箇所の糸には、ハブラシを当てないようお願い致します。
インプラント治療をされた方は、この先将来的にもフッ素入り歯みがき、イソジンはお控え下さい。望ましくないと報告されているそうです。
もし、何らかの事情で薬の服用ができない場合には必ず歯科医師にお申し出下さい。
手術を受けられた部分に関する疑問、あるいは不快な症状が見られた場合には、ご遠慮なくご連絡下さいね。
一日でできるインプラントといううたい文句で、「その日から普通のご飯が食べられる!」と思われている患者さまも多くいらっしゃいますが、そんな事はございません(--;)
術後の流動食から、柔らかい食事への以降を経て、通常のお食事ができるように
なっていくわけです。
吉本歯科医院では、こういった術後のお食事も、実際にはどの程度までなら「食べられるのか」を
キチンとご説明させて頂いております。
そうすることで、10年後、20年後も、インプラントを長持ちさせて頂くことが可能です。