2010.03.30人材が作り出すサービスイノベーション・・・なんだそうです(^^)
昨日は、お昼から、四国経済産業省主催の「人財がつくり出す、サービスイノベーション」というテーマのセミナーに参加してきました。
なぜ、行ったかと申しますと、四国経済産業省がつくる「2010年サービスイノベーションガイドブック」の中に四国の元気な企業で吉本歯科医院が紹介されたから、です(笑)
取材に来ていただいたダイナミックマーケティング研究所の武藤さんというとってもお茶目な(^^)研究員の方にお誘い頂きウキウキで行ってまいりました。
セミナーの最初に、この武藤さんが取材をした中で印象に残った会社ということで
私どもの吉本歯科医院をなんと大きく取り上げて下さり!とっても驚いたとともに、嬉しかったです。
「やばい、こんなに誉めてもらったらもっとちゃんとしなくっちゃ・・」と思ったのは言うまでもありません(笑)
今回のセミオーでは、人材に焦点をあてた経営、ということで、実際に人材を大事に育てながら成長している会社の社長さんたちがリアルな実体験を話して下さいました。
お話をおうかがいしながら、「うんうん、そうそう」と心に届く言葉が結構ありました。
借り物ではない、自分で本当に困って脳ミソに汗をかきながら獲得した実感のある言葉が
どんどん飛び出したきました。
やはり、現場こそが全てで、現場こそが面白い、と感じました。
私は、吉本歯科医院の質を高めるのはもちろん院長、ドクターの技術や知識の向上はありますが、それは「当たり前のこと」で、そのことと同じくらい大事なのが、中で働くスタッフの質だと思っています。
人を育てることでしか、会社は生き残っていけないとさえ、思っています。
だから、吉本歯科医院では、スタッフは自分の家族と同じで、宝物だと思っています。
現実に吉本歯科医院に今お越し頂いている患者さまから頂く声は、そのほとんどが
「歯医者さんなのにとても心遣いが行き届いていた」
「スタッフの方がみなさん同じように優しく接してくれた」
「若い人が丁寧な言葉をきちんと使っている」
など、人的な要素がとても多いのです。
スタッフたちがそれぞれの持ち場で、「気配り」を発揮させてくれているからこそ、
こんな声をたくさん頂けるんだと思っています。
セミナーでたまたま近くに座っていた方に、吉本歯科医院のことに興味を持ってくださった方がいらっしゃり、いろいろお話をさせて頂きました。
社員を変えようと思ったら、どうするんですか?とその方。
どうかな?とふと考えた時、私は社員を変えたいとは、思ったことは一度もないことに気が付きました。
能力は引き出されるものだ、と思っているので、どうやったら彼女の中から、いいものを引き出せるかなということだけをいつも考えています。
こちらが思いもかけないような能力が発揮されることが今までにたびたびあったので、
これこそまさに、「想定外」なのです(笑)
「ええっ?いつの間にそんなすごいことになっちゃってたの??」と驚かされることもあります。
人と人との関係はすべて相互、です。
すべてはこちら次第で、いいものが引き出せるか悪いものが引き出されるかが決まると思います。
ただ、こんな風になっていったらいいなあ、という思いはいつもあります。
吉本歯科医院をこんな風にしたいという明確なイメージははっきりあるので、そのイメージは
折々に伝えようと思います。
そのイメージは、人が作りだす雰囲気です。
中にいる人間が、みんな喜んでいる状態、それが理想です。
中にいる人の心があったかかったらそのスタッフに関わる患者さまもその空気に
包まれてしまうと思うんですね。
そのために、私はあえて、誰か一人とまずは向き合うことからはじめます。
彼女は何を困ってて、どんなことに興味を持ってて、どんなことが悲しくって、
そんなことをよくよく聞いて、しっかり考えます。
そして、こういう風にしていったらもっといいよね、具体的にはね・・・という風に
私のいうことも話を聞いてもらうようにします。
そういった一対一のやりとりが深まっていくと、自然とその空気は周囲に伝播するもの、です。
全部の空気を良くしたい、と思ったらまずは、とっても小さなことに目を向けてみるのが
早いのかもしれません。
例えば、うちの場合は、一人の悩みは同時にスタッフ全員の悩みでもあります。
一人の悩みを深く聞いていくことで、みんなの悩みがわかったりすることがあります。
よく社長さんたちとお話をすると、そんなに従業員の感情に気を遣ってたら仕事なんて前に進まないじゃないかっ!!と、おっしゃられます(苦笑)
でも、うちの場合は、みんなの感情が「快」で「前向き」じゃなければ、一瞬にして吉本歯科医院は
くら~くなって、よどんでしまうんですね(--;)
そのよどみがミスを生み、情報の伝達をストップし、大きな大きな事故へと繋がります。
人の心はコインの裏表のようなもので、自分を受け入れてくれる人の前では、「喜び」や「感謝」の心が引き出され、自分に無関心な人の前では、「怒り」や、「攻撃」の心を引き出してしまうんですね。
私は「無関心」ほど、人を無気力にすることはないと思っています。
うちの院長は、診療に対しては非常に厳しい人なので、医療の中で指摘しなくてはいけないことは
スタッフにもズバズバ言っています。
しかし、嫌いで憎くて言っているわけではないので、いいのです。
伝えなくてはならないので、言っています。
「何もいわれない」ことは、実はとってもつらいことです。
私は無関心でいられるよりは、大嫌いと言われたほうがまだましです。
それくらい、人は関わって欲しい、生き物だからです。
うちのスタッフの話をひとつしますね。
先日、受付にたってくれている樋口から、「相談がある」とほとんど涙目状態で言われました。
何があったの?と私は聞きました。
ある患者さんをお電話口で怒らせてしまったというのです。
よくよく話を聞いてみると、電話の向こうは当院にお越し下さっているお子様の患者さんのおじいさま。
そのおじいさまはいつもお子様を吉本歯科医院へお連れ下さっている方です。
その日は、ご予約日だったのですが、お越しになられず、お電話でのご連絡もなかったので
樋口がお電話したところ、おじいさまが電話に出られました。
樋口は「申し訳ないのですが、お越しになられない時は事前にご連絡を・・・」と申し上げたところ
おじいさまは、「そんなこと言ったって子供が帰ってこないのに、しょうがないじゃないか・・・」という風にお怒りになられてしまったそうなのです。
電話の向こうのおじいさまのお気持ちを瞬時に察知した樋口は、はっと気がつき
「大変失礼しました」と何度もお詫びを申し上げたそうなのですが、電話口では、ご不快なまま
切ってしまわれたんだそうですね。
電話を切ったあと、樋口は、考えたんだそうです。
おじいさまの気持ちになってみれば、確かに、予約の時間には行かないといけないのはわかっていても当の子供が帰ってこない・・・・そんな中でやきもきされていたんだろう、と。
そんな時に、「事前に連絡を」と言われても、腹が立つだけだ、と。
そう考えたんだそうです。
「もう少し、私が配慮のある言葉をかければ良かった。どうしたらいいでしょうか?」
と私に言いました。
私はその時に、ああ、すごいなあと素直に思いました。
こういうシーンはどこの職場でもよくある話です。
私が嬉しかったことその①
すぐに報告をしてくれたこと、です。
患者さんを怒らせてしまった、という場合、多くはそのことを上司にはひたかくしにする場合がほとんどです。
現場の生の声は、特に、こういったマイナスの事例はなかなか上司には上がってきません。
現場で情報がストップすることがほとんです。
しかし、その些細なことは、患者さんの感情であり、本音の部分ですので、
つもり積もって、いつかは取り返しのつかない大きな事件に繋がることが、あります。
大袈裟な話ではなく、最初は本当に些細なことなのです。
経営者として、患者さんとの細やかな感情のやりとりの全てをこの樋口のように報告してくれること、
これほどありがたいことはありません。
また、こうやって些細なことを報告、相談してくれることで、私にとっても大きな気づきになります。
一人の悩みは全員の悩みであることが多いです。
今回は樋口がたまたま抱えた悩みですが、次は違うスタッフが同じような体験をするかもしれません。
その時に、樋口がどんな心模様で患者さんに接していったかということを全員で共有することは
つまり、「応用が利く」ようになってくるわけです。
今朝のミーティングでこのことを樋口に話をしてもらいました。
吉本歯科医院では、こうやって一人の抱えた問題はみんなで共有する「癖」があります(笑)
そのことにはこんな意味があるんですね。
そうやって積み重ねていくことで「相手の気持ちを推し量れる」ようになってくるし、
とっさのトラブルに、対応できるような実力がついてきます。
私は人が成長するときは、今回の樋口のように、自分の心が痛い想いをして、そこから
考えて、対応して、掴み取った体験がとても必要だと思うのです。
こういったことは本をどれほど読んでもできるものでは、ありません。
大事なことは、そんな心模様に本当になれるかどうか、ですので、知識ではどうにもならない心の部分です。
もうひとつ嬉しかったことその②
すぐに自分を振り返ることができていたこと、です。
人には2つのパターンがあると思うんですね。
何か問題が起こった時、自分の周囲や人や出来事が悪い、と思う人
何か問題が起こった時、自分によって出来事を発生させていると思う人
です。
私は後者が、好きです。
そう考えた方が、全てがうまくいくんだということをなんとなく体験の中で知りました。
自分の心向きをかえるだけで、それは見事に相手に伝わります。
「私は悪くない、相手が悪い」という心の時は、それが伝わります。
どんなに口でいいことを言って、最もらしいことを言っていても、もう見事に伝わってしまうのです。
樋口がまず最初に私に言った言葉がとても心に残っています。
「私が、もっとあの時に配慮すればよかった」と。
すごいですよね。
ほとんどは、「だって、予約を無断キャンセルしたのは患者さんなんだから、患者さんが悪い」という風にいってしまいますよ(苦笑)
だって事実だけ聞けば、そうなんですものね。
樋口は、理屈じゃない感情の部分を大事にできる人なんですね。
それは言葉で教えて、大人になって後から身につけられるようなシロモノではありません、はい(泣)
昨日、お電話でお叱りを受けたおじいさまがお越しになられたそうです。
私は留守にしていて、その現場を見ていないのですが、お越しになられた時に
樋口は、心からのお詫びを込めて「大変申し訳なかったです。私の配慮が足りず、ご不快な思いをさせてしまいました・・・」とお伝えしたそうです。
すると、おじいさま。
にっこりと普通通りに「いやいや、うちも子供がかえってこんで、困っとんじゃ~」と心を開いて
お話を返してくださったそうです。
その後は、お互いに心のわだかまりもすっきりし、いつも通りの患者さまの顔があったそうです。
それが樋口にとっても嬉しいことだったそう。
素敵ですよね。
私は、こんな話は大好きです。
人とちゃんと向き合っていくことができたら、こうやって樋口のようにどんどん成長していっちゃうわけです。
そのキーワードになっていることは、やはり、「素直」ということと、「自分を振り返る」ということだと思うのです。
そんなわけで、私は今いるスタッフの「採用」はやはり、大成功だったなと、ひそかに万歳をしているのです(笑)
神様、吉本歯科医院に素敵なスタッフを送り込んでくださってありがとう!と拝みたくなりましたね。
追伸
このブログを読んで下さっている方が結構いらっしゃるそうで、いたるところで「ブログ読んでるよ」と声をかけて下さって嬉しくなります(^^)
私は、思い立ったらすぐに言葉にして残しておきたいたちなので、このブログは私のデータベース化しております。長くてすみません(><)
そして、スタッフに向けて発信している部分も、あります。
こんなこと考えてるよ、今は。っていうことをいつも読んで欲しいし、リターンが欲しいのです。
いつもちゃんと見ていることを伝えたいし、本人が知らないような本人の魅力も発見して教えたい、という気持ちがあります。