2010.04.22命の恩人
毎回毎回、治療にお越しになられるたびに私達スタッフのお昼ご飯として味つき玄米ご飯を持ってきてくださる患者さんがいらっしゃいます。
今日治療が終った後、お話をしながら思わず涙が出てしまったことがあったので
お話します。
この患者さんとは不思議なご縁で今まで繋がっている方です。
今から6年前、ちょうど私と院長が結婚した頃に出会いました。
忘れもしない6年前の年始の寒い頃です。
院長がある大きな会に出席するためクレメント高松ホテルに行っていました。
会が終りかけた頃、みんながぞろぞろと会場から出ている時に、人だかりができて大騒ぎしているのを院長が見つけ何事かと思えば、男性がぐったり倒れているではありませんか。
周囲では「急性アルコール中毒じゃないか」「心筋梗塞とかじゃないか?」とかいろいろ
言いながらもなすすべもなく、みなどうしたらいいかもわからず立っていたどう。
そこでうちの院長は男性に即座に近寄り、まず口の中に手を突っ込んだそうです(驚)
その時のことを聞くと、どうやらあの大きな手でげんこつ分くらい突っ込んだんだそう。
何かをノドにつまらせ呼吸ができなくなっているんじゃないか?と瞬時に思ったそうです。
想像通り、喉の奥には大きな肉が詰まっていたんだそうで、その肉を取り除きすぐ
人工呼吸を繰り返したそう。
その後、救急車が来て病院に運ばれたそうですが、病院の先生いわく、処置があと数秒遅かったら間違いなく手遅れだったんだ、そうです。
私はその日、院長と結婚式の打ち合わせで待ち合わせをしていたのですが待てどくらせどいっこうに
現れず、しかも電話も繋がらず、「もう、ええかんげにせんかいっ」と怒っておりました(泣)
2時間ほどして「ごめんごめん」とやってきた院長は「ちょっと急用ができて遅れちゃった」と普段顔。
何が起こったのか知らされず、その事件を聞いたのはそれから数日して院長が処置をした
方の奥様からその一部始終を聞いた、という流れです(--;)
「言いなさいよ、そんな大事な話」という気分でしたが(TT)
この時の倒れていた男性の奥様がこの玄米をいつも持ってきて下さる患者さま、なのです。
今日しみじみおっしゃって下さいました。
「私は思うんよ。人と人との繋がりは本当に不思議。あの時、吉本先生があの場にいなかったら
いまうちの主人は生きていない。私達家族も、こうやって幸せに過ごせていない。うちの人が倒れたときにあれだけ周囲に人がいたのに、誰も見て見ぬふりだった。今こうして主人が元気でいられるのも神様が運を下さったから。吉本先生はほんまに命の恩人や」
と(泣)
さらに、あんなことがあってから、生きるということをとても大切に感じるようになったとおっしゃいます。
不思議なご縁で繋がったこの患者さんですが、この患者さんをきっかけに繋がった多くの方がいらっしゃいます。
私は30ウン年生きてきてこの1~2年ほど「人との関わりの素晴らしさ」を痛感したことはありません。
当たり前のことなのですが、人は絶対に一人では生きていけません。
どんなに「自立してるの」「強いの」と思っていても、一人では生きてはいけないと思うのです。
人と人がちゃんと関わりをもってその繋がりを心で感じられている限り、心が病んでしまうことはない。
そう思います。
だからこそ、心をオープンにして生きていくことが大事なんだと思います。
誰にでも心をオープンにして、自分の感じたことを話す、そして、自分に心地良い時間を
たくさん持てていれば自然と笑顔が溢れてくんです。
この世の中は全て循環しているので、いいことも全部周囲に広がっていくし、また悪いことも全部広がっていきます。
嫌でも「伝わってしまう」んですね。
どうせ生きているならいいものを伝染させたい、ですね。
「本当に先生には感謝しています。ありがとうね」と、優しく手をにぎって下さった今日のこの患者さんに私もこころから、ありがとうございます、と申し上げます。