2010.10.22足物語
時々、「元気か?」と医院にひょっこり顔を見せて下さる
木村斉先生。
ご存知の方も多いことでしょう(^^)
最近では、金万亭先生という芸名で、各地で落語を披露していらっしゃいます。
この木村先生、私も「落語の木村先生」というイメージで
もう何年もお付き合いさせて頂いていたのですが
先日たまたま実家にかえり、本棚を何気なく見ていたら
なんと木村先生の著書があるではありませんか!
「あれ~」とびっくりし、そのまま手にとって一気に最後まで読んでしまいました。
そのご本がこの「足物語」
開くと序文に、森繁久弥さんのコメントが。
「・・・・少年は病弱でした。
右足が慢性骨髄炎にかかっていたのです。
小学2年の時に発病し、中学二年で手術を受けました。
退院してからは体育の授業は松葉杖をついて見学するだけ。
その後もスポーツとは無縁の青春を送りました。
やがて大学を出て、高松高校の生物の教師となります。
ある日、生徒にすすめられるままにサッカーボールを
蹴ってみました。
しかしなかなかうまくいきません。
やっているうちに面白くなって病みつきに。
ついには生徒より練習熱心になります。
成果が実り当時発足した県サッカーリーグに出場するまでになり
高松高校サッカー部の監督になりました。
後には全国規模のスポーツレクリエーション大会に毎年出場するようになり
サッカーは「人生そのもの」となります。
香川県選抜チームの主将にも選ばれ
当時57歳です。
最年長(^^)
3日間で5試合というきつい日程です。
チームメートが次々倒れる中
熟年パワーを発揮して走り続けます。
初戦の奈良県に快勝して波に乗り
チームは三勝一敗一分。
見事2位に輝きました・・・」
この話の主人公が、この木村先生ご本人なんですね。
「世界の中心で愛を叫ぶ」あの、庵治町に住んでいらっしゃいます。
本をじっくり読んでいるうちに
木村少年の姿が浮かんできて、
なんとも心があったかくなるのを感じました。
「先生~、本全部読みましたよ~。いや~そんな少年時代だったんですね。」と
本のお話から、人生の話まで待合室でついつい熱くなってしまいました。
こうやってたまに
「元気か?ちょっと近くに寄ったから」と顔を見せてくれることって
嬉しいんです、私。
「ちょっと醤油かしてくれる?」みたいな感覚で(笑)
今はなかなかメールとかインターネットで会話することが多くなって
対面で話をする時間が昔に比べて圧倒的に減りました。
確かに自分の時間が大事、で
確かに、今はみんな忙しい、のですが
忙しい時間の中でもこうやって
数十分でも、顔を見て、何でもない話をして笑って
「じゃ、またね」っていう瞬間があると、
なんだかまたその後元気になっているから不思議です。
ちなみに木村先生
「ぼくは、書院のワープロまで。いっさい、デジタルは駄目なの。
もっぱらアナログ」ですって。
足物語は、吉本歯科医院の待合室に置いておきますね。
よかったら読んでみてくださいね。
ちょっといいお話です。