2013.01.07いないと困ると思わせる
さきほど、また新年そうそう感動するような出来事が、ありました。
一人のスタッフが、患者さんの来院予定日を一覧にして私の手元にもってきてくれました。
患者さんの声の記事掲載にご登場下さった患者さん
当院の患者さんビデオにご登場頂いた患者さん
ご遠方から長年通って下さっている患者さん
社外での集まりや例会での関連のある患者さん
いつもご挨拶をして下さる患者さん
つまり、マネージャーとしての立場の私が、
「お会いしてお話しをお聴きしておきたいかな」
「年始のご挨拶をきっとしたいかな」と
思われる患者さんのリスト一覧というわけ、です。
「一覧にしておいてね」と仕事をお願いしたことは
一度も、ありません。
私はそのリストを見てすぐに嬉しくなり、「うわあ、こんなに!ありがとう!助かる!」と
彼女に言いました。
彼女は入社以来その「素直さ」を最大の武器にし
驚くほどの吸収スピードで「人が欲しいものを先に与える」という能力を
伸ばしてきました。
実はこの能力
すごい武器です。
しかも、一度身に付けると一生使える相当な武器です。
私は彼女を長年見てきてある一定の「型」があることに最近気がつきました。
そしてこの「型」は、今のように就職難、リストラ、大不況時代において、雇う側にとって「いないと困る」と思わせる
重要な要素だと、思います。
その要素のひとつに
几帳面で正確な仕事
ということが、あります。
上司が
「あれはどうなった?」と聞いた時、「さあ、わかりません」
「金額はどうなってる?」「さあ、わかりません」
「いつ頃のこと?」「さあ、わかりません」
ではなく、時間、内容、お金の問題について正確な処理を求められている
ということを深く理解している人と、自己流でいんじゃない?と思って仕事をしている人の違いです。
一般的に社長や上司、経営者と言われる人は
いつも四方八方に気を巡らせて考え行動しています。
さらに現場で起こっていることをそこまで正確に把握することは
できないのです。
そんな上司の立場を理解し、「現場で起こっていることは几帳面に整理し、正確に上司に報告してくれる」という存在は素晴らしいのです。
また、「自分から動く」
ということも重要な要素です。
指示待ち族が多い中、日常の決まりきった仕事がパッと空いた時、
自分が何をすべきか?を理解できている人は動きが違います。
そういう時には
普段かたずけられない書類を整理したり、できることはいくらでも、あります。
人を雇う側から見た時に、
目の前の仕事がないからといってぼや~っとくちゃくちゃ無駄口を話されている光景を見るほど
情けないものは、ありません。
逆にそういう時に、明日の仕事のために、今日やっておく仕事を自分で見つけて動いている人は
光ります。
私自身、いろいろな医院さんやクリニックによく見学におうかがいさせて頂くのですが
光っている人は、ごくごく少人数ですが、必ずいるものです。
一人もいない、となるとこれは大変です(--;)
そして最後に協調性、です。
どんなに能力が優れているよりも、協調性がものを言います。
吉本歯科医院では「採用の基準」の中に大きく明記していることでも、あります。
どんなに優れた才能や技術を持っていたとしても
自分の自我が強く、あくまでも自分流のやり方を貫いてしまうような人は
まっさきに「では、あなたのような優秀な方はどうぞどこにいっても雇って下さるでしょうから
どうぞどうぞ・・」「では、どうぞ独立なさっては??」
ということになってしまいます。
上司の判断がゆるかったり、、経営状態が安定している時はそれでも十分いけるのですが
いざ経営が大変になったり、人件費を削減しないといけないという事態になった時には
そうもいかなくなります。
つまり、能力があっても協調性がないために
周囲の和を乱し、何よりも雇う側が「面倒くさい」のです。
能力が高いがゆえに、傲慢になってしまったり、資格があるがゆえに自分の能力を過信しすぎているとかならずそのツケは回ってきます。
謙虚さは最大の武器なのです。
時代はますます「大不況」に突入しようとしています。
日本人は昔のように勤勉に汗して働く時代がやってきています。
実態のない仕事は淘汰され、本当に人に必要とされ、そして現場で人が忙しく動いている
仕事しか生き残れないようになってきます。
実際に手を動かし、足を動かし、忙しく働く人が
生き残っていく時代です。
しかし考えてみれば必要とされ、一生懸命無心で働くことができることは幸せです。
目の前に仕事がある、ということは幸せです。
余計なことを考える暇がないほど、夢中で仕事ができることは精神の安定を
もたらします。
目の前に人がちゃんと人がいて、
お客様も目の前にいて、
顔をみて、声を聞いて、やりとりを交わして仕事が成り立っていく
そういう時代に返っていくと思います。
ちょちょちょっとはったりをして情報を操作しお金を儲ける仕事は
虚像として淘汰されていきます。
実体があるもの、実際にニーズがあるものしか、残ってはいきません。
どんな時代がやってきても
「いないと困る」と思わせてしまうような人は
安心して生きていくことが、できます。
欲しい人、というのはみんなが欲しいものです。
逆に
欲しくない人、というのはみんな欲しくないのです。
もてる人はますますもてるし
もてない人はますますもてないのです。
人の問題で普通とか、真ん中は、ありません。
「いい」か「悪い」か、どちらかです。