2016.02.04あなたはどこで噛んでいますか?
吉本歯科医院には、「噛み合わせ」治療を求められ各地から患者さんがお越しになられていますが、実際に「噛み合わせ」が原因でどんな症状を訴えられているのか?
■歯の一点だけが当って違和感を感じる
■姿勢のバランスがうまくとれずに、めまいやふらつきがする
■まっすぐに歩こうとしても右へ右へと歩いてしまう
■夜眠る時に、ティッシュを口に入れないと苦しくて眠れない
■首や肩の筋肉が張って苦しい
■朝起きた時に、顔に噛み締めたシワの後がくっきり刻まれている
■首の後ろから頭にかけて重い感じがする
など、患者さんによってお体に出てくる症状はさまざまです。
私の医院では、「噛み合わせ」のご相談にお越しになられた患者さまには、事前にどのような全身症状が出ているかという項目にチェックをして頂くことがあるのですが、その項目は人によっては数十項目になってしまう方もいらっしゃいます。
私、吉本彰夫が考える良い噛み合わせとは、
1.「骨」
2.「関節」
3.「歯の並び」
4.「筋肉」
これら噛み合わせを構成する要素が
■全てバランスが良い状態になっている
■無理な力がかからずにスムーズに動ける状態になっている
これが良い噛み合わせだと考えています。
顎の骨は、左右対称と思われるかも知れませんが、実は顎の骨って、左右対称ではない人がほとんどなのです。
よく美人は、右と左が左右対称になっていると言われますけど、実際ほとんどの方が右と左ってちょっとずつ違うのです。
また、上顎というのは、頭の骨にくっ付いていて、まったく動きません。
それに対し下顎と言うのは、顎関節といわれる場所でもって、頭からブラ~ンとぶら下がっている状態です。
下顎はぶらーんとぶら下がっています。
そして左右に自由に揺れバランスを取っているのです。
https://www.8181118.com/director/2016/02/post-110.php
(前歯が出っ歯になるには口の中に原因があります)
それが、筋肉によって閉じられるその瞬間に、無理な力がかかる状態の場合には何が起こるかというと
■体の姿勢バランスが取れなくなる
■噛んだときの振動が耳やヒタイに響く
■目の上のあたりが重くなる
そんな症状が出てしまうことになります。
歯には2つの大きな役割があります。
①ものを噛む咀嚼機能
②姿勢が崩れて倒れないようにバランスをとる機能です。
特に②は、下顎部分を示します。
下顎は、人間の姿勢バランスや平衡感覚を司るとても重要な部分なのです。
噛み合わせが数ミリずれただけで、
■どちらか一方の肩だけが上がるような姿勢になる
■まっすぐ歩こうとしても左に左にと傾いて進んで しまう
■めまい、ふらつきが頻繁に起こるようになる
というようなことが起こります。
これは実際に、吉本歯科医院へお越しになられた患者さんが問診票に実際にお書きになった言葉です。
また、平衡感覚を司っていますので、当然、自律神経系にも大きく影響します。
噛み合わせでお悩みの患者さんは、同時にいろいろなお体の不定愁訴を抱えていらっしゃることが本当にいのです。
構造医学の先生による衝撃の実験症例を紹介します。
歯科医師が扱う「歯科」という分野がどれほど人間の全身に大きな影響を及ぼしているかということをべるための実験を行われた先生です。
生物にとって「噛み合わせ」がどれほど重要なものかを改めて感じる実験でした。
それは犬を使っての「噛み合わせ」の実験です。
2つの実験を行いました。
①噛み合わせを数ミリ削る
(上下の歯を数ミリ削り落とす)
②補綴物を入れ、一部分を高くする
(銀歯を入れる)
この2つの実験をしました。
①は、1週間目に、右足関節が変形し姿勢が崩れ始めました。
平衡感覚を明らかに失って真っ直ぐ歩けないようになります。
そして、目から涙が止まらなくなり、その後、数週間で死に至りました。
もっとおそろしいのは、②の銀歯を入れた犬、です。
1週間もしないうちに、両目の周りがヘルペスのように赤く腫れ涙を流しだします。
そして、犬は、一週間も過ぎないうちにすっかり老けた顔貌になり、同じように両足関節が曲がり、姿勢が崩れ、平衡感覚を失い、こちらは実験をしてから一週間後に死に至りました。
壮絶な実験ですが、これは事実です。
人間と犬は違いますが、自然界に生きている動物は、「自然界に不自然な行為」をほどこした場合には、この違和感に耐え切れず、即、死に至ってしまう、ということなのです。
4本足で歩いている犬にとってはここまで「噛み合わせ」が全身へ、そして生命にまで影響してしまいます。
この実験は私たち人間にとっても「知らなかったではすまされない」事実です。
たった数ミリ、いや、数ミクロン、歯を削っただけで上下の噛み合わせのバランスはいとも簡単に崩れます。
また、銀歯を入れるにしても、噛み合わせのバランスを考慮に入れずに口の中に入れてしまった場合にも同様に崩れます。
このことは、私たち歯科医師にとって、衝撃的な実験でありまた、歯科というジャンルが、どれほど、間の体全体ということを考えた時に、大きな役目役割を担っているか、ということを改めて感じさせられます。
「噛み合わせをきちんとする」ということは、お感じになられていない方はまだまだ多いと思いますが、自身の体を守る上で、とても重要なことなんですね。
みなさんは『歯並びを綺麗にすることが噛み合わせをきちんとする』ことだと思っていませんか?
私の医院にご相談に来られる患者さんの多くは、
見た目の歯並びを良くする⇒矯正治療⇒噛み合わせ改善と思っておられます。
しかし、必ずしも見た目をキレイにしたからといって噛み合わせが改善されるわけでは、ないのです。
見た目重視の矯正治療は、逆に噛み合わせを悪くしてしまう可能性だって潜んでいるのです。
矯正治療は子供さんがするもの、というイメージをお持ちの方がほとんどですよね。
矯正治療は成人してからでももちろん行えます。
しかし、矯正治療をしたのはいいんだけれども
•「なんだか顎が痛い」
•「顎がカクカクとする」
•「なんだか寝起きが悪い」
•「何年かすると歯並びが崩れてきた」
矯正治療を終えてしばらくして、そんな事を訴えられる方って実はとっても多いのです。
実際に、私の医院にも、「とにかく今すぐなんとかして欲しい」とおつらいお悩みをご相談に
来られる患者さまは多くいらっしゃいます。
もちろん治療の必要性があって、つまり元々関節が悪い状態であって矯正治療を行うことによって前よりは良くなった。
しかしもともとの状態がよくないので、その症状が出てきた。
治療しなければもっと悪い状態になっていたかもしれない患者さんもいらっしゃいます。
矯正治療をして、噛み合わせは良くなったはずなのに「顎がだるい」とか、「体の調子が悪くなった」そんなことを言われる方が本当に多くいらっしゃるんですね。
おかしいですよね。
こんな症状が出てしまうなんて・・・。
それは「噛み合わせのバランス」よりも「見た目」を優先し過ぎて矯正治療を行ってしまうと残念ながらこのようなことが起こってしまうことがあるのです。
特に美の基準のひとつである
「Eライン(E-line、エステティックライン)」です。
これは欧米の美の基準です。
残念ながら、日本人は人種が骨格が違うのです。
顎が未発達で鼻が低い人が多く、欧米人のようにEラインが完成できる人が少ないのです。
歯を抜かない非抜歯矯正では、Eラインの実現は不可能です。
ですので、関節や筋肉に無理な力がかからずに楽に口を閉じた時に、
上の歯と下の歯の奥歯がしっかりと噛める状態にあることがとっても大切なのです。
しかし、ほとんどの方は楽に閉じた時には、歯がその場所にはいないので、
顎をズラして歯が有る場所で噛もうとするのです。
前歯が先に当たってしまうと、顎を後ろに引っ込めなければ奥歯でしっかりと噛めないので、
関節に大きな負担がかかってしまいます。
例えば
■顎を引っ込めて噛んだり
■顎をずらして噛んだり
■こねたりして噛んでいる
この様な方が実は多くいらっしゃいます。
ほとんどの方に「私はこうやって噛んでいる」という意識はありません。
自覚はありませんが、私の医院に来られる患者さんの多くは上記のように噛んでいます。
無意識に、です。
噛み合わせが機能的でないことにより、歯を失ってしまうリスクは高くなります。
どんなにこまめにお口の中のお掃除をしていても、です。
日本人が歯を失う原因の第一位は「歯周病」です。
歯周病とは、歯を支えている骨が溶けてなくなる病気です。
骨が溶ける原因は2つあります。
①細菌による感染症
②噛み合わせの悪さからくる破壊的な力
①による細菌は、お口の中を定期的にお掃除することで予防することはできます。
しかし、②の噛み合わせの悪さからくる破壊的な力によって歯が日々磨り減っていっているとはご存知ない方がほとんど、です。
一生懸命口のお掃除をしてきたのに、歯を失い、入れ歯をしなければいけなくなった、
という方は実は本当に多いのです。
どうぞ知って下さい。
噛み合わせの悪さからくる破壊的な力があなたの歯を将来失わせるということを。