2016.06.09歯の神経を取る前に知っておいてほしいこと
歯の神経を抜くと、その歯は死んでしまいます。
ある患者さんのご相談の時のことです。
Hさんは、同じところが何度も何度も痛くなり何度も歯医者さんに通い治療を繰り返していました。
そして、ある歯医者さんで「悪くなっているのでこの歯はもう神経を取ってしまいましょう」と診断されました。
そんなことを繰り返していると、だんだん状態がひどくなり、歯医者さんに行ったら「歯の神経を取りましょう」と言われ治療したという体験、あなたにもありませんか?
私はHさんのお口の状態を詳しく診させて頂きました。
私の診断では、「歯の神経はまだ生きているので神経を取らなくても良い」という判断でした。
今までの医院さんでは「歯の神経を取りましょう」と診断されました。
私の医院では「歯の神経を残す治療をしましょう」と診断しました。
この診断の違いによってその後の治療が全く違ってくるのです。
これが「診断が変われば治療は変わる」という事になるのです。
「歯の神経がもう死にそうなのでいっそ取ってしまょう!」と診断すると、実は治療をする側としては簡単です。
歯の神経が残っていると、触っても痛いので患者さんも痛がるし、嫌がります。
歯科医師にとって何よりも嫌なこと、それは自分が関わった患者さんが、痛い!と思うことです。
そんな馬鹿な!と思われるかもしれません。
しかし、歯科医師だって人間です。
痛がられると嫌なのです。
患者さんが痛そうな、辛そうな顔をしていると辛いのです。
ましてや治療中に、「痛いっ!!」なんて言われようものなら、内心はつらくて心がグサグサと傷ついてしまうものなのです。
歯の神経を取るということはつまりはその歯は死ぬということを意味します。
心臓がバクバクと生きていた状態から内臓を抜いて剥製(はくせい)にしたという状態です。
生きている木の枝は細くても簡単には曲げても折れません。枯れ木はすぐにポキッと折れてしまいます。
ですので、その歯はたとえ表面的に見た目は白くきれいな歯であっても神経を取っているので枯れ木と同じです。
強度は1/10まで一気に落ちます。
なぜなら神経を抜いているので歯に栄養や水分が届かないから、です。
何か力がかかった瞬間にポロリ折れてしまうことも十分考えられるのです。
有り得ますよね?
だって、死んだ歯なんですから。
歯の神経を取る=生きた歯から死んだ歯になる
ということをどれほどの人がご存知でしょうか?
知っていれば恐ろしくて早々簡単に「神経抜きますね」「ハイお願いします」とはならないはずなのです。
そんな、歯ぐらいで大袈裟な、とお思いでしょうか?
歯を軽んじる人はかならず将来歯で泣くことに、なるのです。
しかし、死にそうな人を死なないようにすることはできるのです。
最悪の状態を、生きられる状態に復活させることはできるのです。この違いです。ただし、以下のような場合には歯そのものを取る必要があります。もし取らないとどんどん状態が悪化します。
■歯の周りの骨が溶けてしまっている。
■歯がグラグラでほとんど宙に浮いている。
歯の神経ってどこにあるの?どうやって取るの?
では、そもそも歯の神経ってどこにあるのか?
どうやって取るのか?
お話しますね。
そう、自然治癒しないのが「虫歯」「歯周病」なのです。
歯髄=歯の神経と血管です。
歯髄は単に痛みを感じる神経線維だけではなく、極細の血管が走っています。
では歯髄はどんな仕事をするのでしょう?
歯髄は、主に象牙質と呼ばれる部分に栄養を行き渡らせたり修復したりする役目があります。
さらに虫歯菌などの細菌が歯から体の中に入り込もうとするのを防ごうとしてくれます。
先ほども申し上げた通り、「ほうっておいて良くなることがない」虫歯の治療では、歯の痛みに対して、私達歯科医師が一番治療しやすく単純で確実な治療法は、
抜歯
です。
歯を抜きますか?
神経を取りますか?
という話になるのです。
つまり、歯を抜いてしまう、ということです。
神経ごと歯も全部抜いてしまう、という治療です。
歯が痛い=歯を抜くでは、歯がどんどん失われてしまうことになります。
痛みを感じて私達に警告する歯の神経を取る治療は歯を一時的に残すことができるのです。
抜歯(歯を抜くこと)に比べれば、時間や期間、費用などもかかりますが、歯を残すための最後の手段として用いられるのが一般的です。
このような方はまずはご相談下さい
- 「神経を抜かないといけない」と診断された方
- 歯をもう大きく削りたくない方
- 何度も同じところが虫歯になる方
- 「歯を抜かないといけない」と診断された方
- 神経治療をしたのに痛みが何日もおさまらない方
- 歯科治療の後、口の中に違和感が残る方
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