2010.01.12噛み合わせ(かみあわせ)が悪くなるとどうなるか?
噛み合わせ(かみあわせ)が悪くなるとどうなるか?
これは歯科医以外でもいろんなジャンルで色々な事を言われてます。
良くマスコミにも取り上げられたりされています。
で、実際はどんなことがあるかというと本当、色んな事が現れます。
「頭痛」だとか「顎が痛い」だとか「首がどうだの」「肩がどうなの」「腰がどうなの」
本当に色んな事が出てきます。
そういった一般的な事は他でも言ってくれると思いますので私は噛み合わせの専門として
どう考えているか、または患者さんに常にどういうようにお話しているかについて
書きますね。
実際のところ、噛み合わせ(かみあわせ)が悪くなるとどうなるのか・・・
実は「顎」、顎と言うと下顎のことを指します。
この下顎、実は人間の体においてとっても特殊な骨なんです。
この顎は、右と左に繋がっているんです。
そして、頭からぶら下がっているんです。
如何でしょう・・・体の中で左右に渡って同じ骨で、しかも、ぶら下がっている・・・そんな部分はありますでしょうか?
左右に繋がっていると言えば、例えば頭「頭蓋骨」があります。後は、ありません。
左右が繋がっていて、さらにぶら下がっていて、振り子のようにバランスを取るのが「顎」なんです、実は。
振り子時計を思い浮かべてくださいね。
振り子時計は、「右に行って」「左に行って」「右に行って」「左に行って」そんな感じでバランスを取ります。
また、サーカスで綱渡りをする人は、長い棒を持っていますよね。
なぜだと思いますか?
実は長い棒を持つことで、左右のバランスをそれで取っているんですね。
その様にバランスを取る、と言う重要な役目が下顎にはあります。
「えっ、そんなに重要なの?」って思われますよね。
以前、吉本歯科医院では、極真会館「空手」の、「マウスガード」(※マウスピースとは呼びません)を作成する、高松で唯一の医院でした。
この「マウスガード」、他の競技とはちょっと違う作り方をします。
「マウスガード」と言うのは、目的は、ぶつかって来た時に、その衝撃を和らげる、そう言う事が思い浮かぶんですけれども、それだけではなく、極真会館の場合は、噛み合わせ(かみあわせ)を重視した「マウスガード」となっています。
普通「マウスピース」「マウスガード」と言うと、上に付けますので、上の歯型だけ作るわけです。
それに対して、極真会館においては、反対側の下の歯の型取りもします。
そしてまた、噛み合せを取ります。
なぜ噛み合せを取るんだと思いますか?
これは恐らく、歯科の先生もご存知ありません。
これは極真会館においては、「マウスガード」を作れる医院は決まっています。
その、特殊な講義を受けた「協力医院」のみが、「マウスガード」を作れ、極真会館のマーク、そしてID番号が入るのです。
それ程、極真会館では「マウスガード」ど言う物を重視しています。
また試合中に、何回か外れる事が有ったならば、その時点で、もうその選手は退場です。
では、その極真会館では、どの様な噛み合せにしているのでしょうか?
普通の歯の噛み合せを取る時ですが、通常「バイトを取る」って言います。
「バイト」と言っても「アルバイト」ではございません。
「バイト」と言うのは「噛み合わせ」と言う意味合いです。
専門用語ですね。
通常、奥の歯でしっかりと噛んだ状態。
要するに、お食事をする時の状態の噛み合わせ(かみあわせ)を記録します。
これが通常の噛み合わせ(かみあわせ)です。
しかしながら、極真会館においての噛み合せは違います。
下顎を、やや前方、前下方に突き出した状態、その状態で噛み合わせ(かみあわせ)の型を取ります。
何故でしょうか?
実は、蹴りを入れる時、体がすごく不安定になります。
その時に、顎はどうなっているのか?
ちなみに、奥歯でしっかりと食い縛って、噛んだ時に、蹴りを入れると力が入らないんですね。
体がブレてしまいます。
非常にこれは優秀な研究です。
その、極真会館の有力な選手を集めて、それを研究されたんですね・・・ある先生が。
そうすると、有能な選手が蹴りを入れる時、顎は前方に動いていってます。
ご飯を食べる時のかみ合わせの位置ではないです。
その時に最大の力が発揮されます。
またその時に、体制を崩しやすい。
その様な、顎と言うのは、体の体制を整えるのに、凄く大事な役割をしていると言う事です。
顎の位置って言うのは、凄く大事なんです。
顎が振り子のように、体の重心に対して、自由に動き、そして、体のバランス、それを
取っているのです。
つまり顎は、自由に動けなければいけないのです。
患者さんに「顎を右に動かしてください」「左に動かして下さい」と言う事をお話しすると、「えっ」と言われる方がいらっしゃいます。
「顎を動かす、どう言う事?」「動かした事なんか無い」実際ギリギリやってみても動かない、そんな方、一杯いらっしゃいます。
そうすると、顎は動きたくても、動けない状態になってしまう訳です。
顎が動きたいのに、動けない状況になっている。
でも、顎は動きたい。
だから、無理やり動こうとします。
そうすると、歯をちびさせたり、歯を動かして行ったりするのです。
顎は頭からぶら下がっています。
振り子の様に、右に左に前後に、自由に動けないといけないのです。
しかもその時、関節に対して無理な力が加わらない事です。
筋肉がものすごい力が必要無い事です。
楽な状況で、無理に力を入れる事無く、顎は右に左に前後に動けなければいけません。
それが凄く噛み合せにとって、大事なのです。
体の重心、バランスを整えると言う事において、凄く大事なのです。
吉本歯科医院には、プロのスポーツ選手や、お体を職業にされていらっしゃる患者さまが
よくお越しになられます。
そういった方は「顎の位置って言うのは、凄く大事」ということをご自身の身で持ってご存知でいらっしゃるので私の申しあげることを本当にストレートにご理解下さいます。
顎のバランスが崩れると、それを補うかの様に「肩」や「腰」がズレて行きます。
噛み合わせは全身を整えていると言っても言いすぎではない、と私は考えます。