2021.07.30ブリッジをさらに長く繋いでいるうちに歯がどんどんなくなります。
香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。
初診でお越し下さった患者さんの
ご相談内容です。
『昔から、歯が悪く、の4本の前歯は差し歯の状態です。
数年ほど前に前歯の左側が折れてしまい、歯を抜くしかないという診断を受け
受診したその日に歯を抜いて隣の歯を使い、ブリッジを作りました。
このブリッジが1ケ月前に
違和感、痛みがでてきました。
そして数日前にブリッジが外れてしまいました。
そこでかかっている歯医者さんを受診しました。
その結果、両方の支えになる歯も割れてしまっているので
支えの歯も抜いてさらに長いブリッジをするしか
他に手がないと言われました。
そんな急には判断できないと思い
とりあえず今のいれてもらって家に帰って考えると言って
帰ってきました。
素人の考えですが
1本を2本で支えても数年で割れるなら
ブリッジをさらに長くしても
また同じように割れてしまって
こうやってどんどん歯がなくなっていくだけじゃないんだろうか?
と思いました。』
ブリッジ治療が外れてしまって
どうしたらいいだろうか?
このような状態でお越し下さる患者さんは
非常に多いです。
歯が抜けたところに
両隣の歯を削り、3本または、3本以上の歯をつないで被せものをする治療法
それがブリッジです。
ブリッジ(橋)のようになっているので
ブリッジ治療と言います。
歯を失った時
多くの方はこのブリッジ治療をお受けになります。
治療をされる先生も
ブリッジをおすすめする場合は
多いと思います。
ブリッジ治療には
保険がきくものと
保険がきかないもの(自費)があります。
ブリッジ治療のメリットは
金パラ(金銀パラジウム合金)であれば
保険が効くため安価で治療をが受けられます。
しかし
やはり
ブリッジ治療も大きなデメリットがあるのです。
その時その場だけ
良ければいい
という考え方では、将来
そのツケを払うのはご自身ですので
先に、起こることを知っておいて欲しいと思います。
ブリッジ治療のデメリットをお伝えます。
①両隣の健康な歯を大きく削る必要がある
歯の表面の一番硬い部分を削り取ります。
ですので歯の神経に当然近くなります。
歯の神経近くまで削るということは
痛みが出やすくなるということです。
そして痛みが出た段階で
その歯の神経は取るしか方法はありません。
歯の神経を取るとその歯は死にます。
死んだ歯の強度は10分の1まで一気に落ちます。
ですので歯を失う時期がはやまります。
②過剰な噛む力により両隣の歯が揺さぶられて抜けてしまう
ブリッジ治療で恐ろしいことは
この噛む力により、歯が揺さぶられ釘ぬきのように
両隣の歯達たちが抜けてしまうことにあります。
ブリッジをかけた歯たちは
歯がないところに橋をかけているわけです。
つまり、
本来であれば
4人か5人でおみこしをかついでいるところを
たった一人で必死でかついでいるようなもの、です。
店員さんが10人で必死で働いていたところを
7人くらいが辞めて
残りの3人で必死で回しているようなもの、です。
そんな状態が毎日続けばいかがでしょうか?
最初のうちは
耐えることができても
すぐに疲労で残りの3人も倒れてしまいます。
そんなものです。
これは自費でも保険でも
同じです。
自費のものにすれば
目立たないとか、色が変わらないとか
そういった見た目での改善はありますが
噛む力に対しては
保険であっても自費であっても
同じです。
多くの方が
ブリッジ治療を選ばれ
その後7~8年後に
「ブリッジがグラグラしてきて噛めない」
「ブリッジが外れそうで痛い」
という状態になります。
しかし、そうなった時には
もう両隣の歯は
グラグラですので
歯を抜かなくてはいけない状態にまでなってしまっている方が
ほとんどです。
歯を失われブリッジ治療を選択される方は
ブリッジ治療をするその前に
ブリッジ治療とはどういうものなのか?を知って下さい。
両隣の歯を大きく削ってしまってからでは
もう手遅れ、です。