2021.09.08歯科のレントゲン写真で噛み合わせは診ることができますか?
香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。
吉本歯科医院は
開業以来、無料メール相談を行っております。
噛み合わせ専門ということで
全国、そして海外に在住の日本人の方から
毎日のようにご相談メールが届きます。
お口の中の写真
歯の写真
そして
歯医者さんで撮影したレントゲン写真を
添付して送ってくださる方も多くいらっしゃいます。
よく頂くご質問なので
ここでご紹介しておきますね。
パノラマレントゲン写真(顎の骨も含め全体を撮影した写真)
で
①噛み合わせがどうなっているか?
判断ができますか?
②ビフォーアフターで噛み合わないものを比較できますか?
というご質問です。
来院された患者さんからも
よく頂くご質問です。
まず①についてです。
パノラマレントゲン写真では
硬いものが白く写ります。
例えば
歯の根っこの向きがどっちを向いているのか?
骨に対して真っ直ぐ歯が向いているのかどうか?
どの方向に倒れて傾いているのか?
左右差はあるのか?
などがわかります。
ですので、
噛み合わせの要素の一つがわかります。
噛み合わせは多くの要素から成りますので
パノラマレントゲン写真は
噛み合わせの要素の一つが判るということです。
パノラマレントゲン写真だけをもって
噛み合わせがどうかということは言い切れません。
ただ要素の一つに問題があるということであれば、
当然噛み合わせも崩れているであろうという事が推測されます。
次に②のビフォーアフターですが、
レントゲン写真は通常、規格写真という分類になります。
例えば、
運転免許証の顔写真も規格写真の一つです。
運転免許証について(※警視庁HPより抜粋)
当日撮影する時に撮影者が
こっちを向いてください、
顎を引いてください、
口を閉じてください)
などと指示があるように、
また,うつ向きがちだったり、
少し横を向いていたりしているとNGとなります。
基本的事項が規定されている写真となります。
パノラマレントゲン写真も規格があります。
まず必要な条件として
同一機器、
同一人物、
同一機器への患者さんの誘導者、
同一撮影者である
という条件が必要になります。
これはレントゲン撮影機器を作成しているメーカーによって
ズレがあるからです。
そしてまた最近では、
CTを撮影しCTの撮影データからコンピュータ処理にて
パノラマ写真に似た写真に見えるようにコンピュータ処理して、
写真を映し出して表示している。
という機器もあります。
これは残念ながら、
パノラマレントゲン写真の規格にはあいません。
同じようにパノラマレントゲン写真を撮影するために
患者さんご自身を規格通りに正しい位置に誘導できているかどうか、
つまり機器への誘導者の厳密さや撮影者の設定値、
撮影するときの電圧強さや撮影時間を設定によっても変わります。
それらがズレたら
残念ながら写真同士は重なりません。
言い換えるならば、同じ患者さんで
同じ日に口の中を触っていない状態で
10枚撮影したとして、その10枚はおそらくピッタリとは重なりあいません。
大学病院で、
放射線科の放射線専門医が厳密に細かい指示を出して撮影した場合には
かなり近い状態にはなりますが、それでもピッタリと重なるのは稀です。
一般開業医では残念ながら
大学病院なみに厳密にレントゲン写真を撮影している先生は
非常に少ないと思われます。
例えば、
硬い材質の詰め物をした。
そのビフォーアフターの写真を見比べたら、
以前には柔らかい部分だった部分が硬い部分になっている。
なので治療をした可能性があるという比較は可能です。
毎日、各地からのご相談メール
本当にありがとうございます。
お陰さまで
私も、「ああ、なるほど、確かに
これはちゃんとご説明しないとわからないはずだ」と
毎日、振り返るきっかけとなります。
お陰さまで
勉強をさせて頂けています。
こちらも一緒にご覧くださいね
↓