2021.10.18インプラント治療の前に知っておくこと
香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。
インプラント治療を受ける前に患者さんが知っておくべき事項があります。
知っておくだけで、あなたの将来起こるであろうトラブルから守られます。
5年前に他医院でインプラントをした患者さんがお越しになられました。
インプラントを入れた部分の被せモノが外れて困ってしまったとのことでした。
インプラントを入れた部分の歯茎は真っ赤に腫れています。
咬むと顎が痛い。
頭痛がひどい。
こんな状態になってしまって、「なんとかして欲しい」というご相談です。
このようなご相談は日常的によくあるご相談です。
インプラント治療をされた医院さんへまずはご相談下さいと申し上げました。
しかし、残念ながら、コミュニケーションギャップや、治療への不安などから元の医院さんにご相談に行きたくない、という方はとても多いのです。
本来は、インプラント治療をされた先生に、修理、メインテナンスをお願いするのが一番なのです。その理由はあとでお話します。
では、せめて、インプラントをされた医院さんへ上記ののつだけでも教えてもらえるように確認して下さい、と患者さんにお願いしました。
患者さんが、インプラントをされた医院さんへ相談へ行くと、こう言われました。
「5年前のカルテですので、もうありません。」
確かにカルテは
5年間保存が法律で義務づけられています。
なので、5年すぎたカルテは廃棄したとしても
法律には反していません。
しかし、インプラントは5年、10年、15年、20年と
その後の患者さんの寿命が続く限り、お口の中に入っているものです。
インプラントは本来、治療後何かトラブルがあった場合には、インプラントをされた先生に一貫して修理、メインテナンスをお願いするのが一番なのです。
また、こんな状況になってしまう前に、どうぞ知っておいて頂きたいのです。
そして、正しい知識を得てください。
ある患者さんは3年前に他医院で下顎部分にインプラント治療をされました。
しかし、最近になってインプラントを埋入した部分が腫れて痛みが出るようになりました。
レントゲン写真を撮影し、詳しく骨の状態を拝見するとインプラントを埋入した周囲の骨が溶けてしまっていました。
バイ菌が入り込み炎症を起こしています。
インプラントはただのネジです。
元々の自分の歯ではありません。
元々の歯のように抵抗力も自己防御機能である免疫もありません。
様子をみていれば落ち着く、良くなるということはまったくありません。
異物なのです。
インプラントを埋入し、被せ物の歯が入ればそれで「完成!」と思っておられる方はとても多いです。
特にトラブルを起こし、「どうにもならない状態」で当院に駆け込んでこられる方も少なくは、ありません。
今回の患者さんのインプラントトラブルは
メインテナンスを怠ったためにバイ菌が繁殖し、インプラント周辺の骨が大きく溶けてきたことによるものです。
最近、インプラント治療による事故がマスコミに取り上げられています。
そのトラブルは
などです。
そして
などです。
問題が起こっているには必ず原因があります。
では、インプラントが故障したり、トラブルがあったりした場合に
「はずせばいいではないか?」
「もう一度やり治せば良いではないか?」
と単純に思っておられる方も非常に多いのです。
しかし
そう単純なものではありません。
インプラントが故障したりトラブルがあった場合には
インプラントを埋入している骨ごとごっそり
削り取らなくてはいけない
という大きなリスクがあります。