噛み合わせの悪さひとつで、体のバランスは面白いほど崩れていきます。
また噛み合わせのバランスを正常に戻すだけでまっすぐ歩けなかった人がまっすぐに歩けたりもするのです。
噛み合わせのバランスを考えた設計をしなくては、たとえどんなに見栄えの良い材質をその部分に行ったとしても必ず故障し、将来何かしらの不具合を起こします。
これは歯科でいえば
「見た目はきれいに並んでいるけど、
噛むとすぐに壊れます」という状態です。
家やビルを建てる時と全く同じです。
設計が大事。
基礎が大事。
地盤が大事。
大黒柱が大事。
屋根を造ってから、基礎の工事に
取り掛かることはできませんよね。
歯科治療も全く同じこと、です。
そういった意味で、私たち歯科医師は、お口の中で起こっていることを通して
患者さんの体全体を「診る」といった視点が必要です。
吉本歯科医院では虫歯治療、矯正治療、審美歯科治療、インプラント治療、顎関節症の治療などらゆる治療にこの考え方が基本としてあります。
歯の噛み合わせというのは、実は地盤である
。
下顎というのは、頭蓋骨に対して固定されることなくら下がっているものなのです。
ご自分の頭蓋骨を触ってみながら確認してみて下さいね。
体の動きに対して体の重心を整えるための「振り子」のような役目をします。
下顎は体の中で左右に渡ってぶら下がっている唯一の器官です。
つまりここがおかしいと全身のバランスを崩してしまう、ということが起こります。
「良い噛み合わせ」とは
顎関節が楽な自然の状態で上下の歯がキチンとかみ合い、
前後左右に下の顎を動かした時に、顎関節に無理な力がかかることなくスムーズに引っ掛かることなくける状態
のことを言います。
つまり下顎がちょうど「振り子」のようにスムーズに動けるようになっていることが必要です。
見た目が綺麗なだけの歯並び、そして見た目優先の「噛み合わせ」など、
そんなものは私に言わせてみれば「タイヤのない車」と同じ、なのです。
車は安全にちゃんと走ってはじめて「車」なのです。
「標準速度で走ってはいけない」
「ガタガタ振動して故障を繰り返す」
「ガタガタ振動して怪我をさせる」車は、
良い車とは思えないのです。
「良い車」とは、歯科治療で言えば、
きちんと噛める機能性(噛み合わせのバランスが取れている)ということです。
どんなに見た目がよくても、噛めない、全身の不調を引き起こす等の歯では、健康とは到底言えません。
良い噛み合わせを考慮した歯科治療を行うことで、患者さまが得るもの、それは、将来必ず起こりうるリスクを小限に抑え、全身的な不調を引き起こす原因を最小限に抑えることができる、ということです。
噛み合わせを構成するあなたのお口の中にある「歯」についてご一緒に考えていきたいと思います。
ということを、まずは知って下さい。
あなたは、あなたのお口の中にる歯は、全部で何本あるかご存知でしょうか?
親知らずを除くと、全部で28本あります。
そして28本、すべてが「形」も「大きさ」もまったく違います。
歯は28本なんですが、その28本、1本たりとも同じ「大きさ」
「形」は無いんですね。
驚きですよね?
?
歯には、28本「形」「大きさ」がそれぞれ全く違う、
このことにどんな意味があるかお分かりになりますか?
それぞれの歯の持っている役目、役割、機能が違うと言う事です。
28本のうち、2本や3本歯が無くなった、でも噛めるから、いいじゃないか!
と思いますよね。
歯には、28本「形」「大きさ」がそれぞれ全く違う、このことにどんな意味があるかお分かりになりますか?
それぞれの歯の持っている役目、役割、機能が違うと言う事です。
28本のうち、2本や3本歯が無くなった、でも噛めるから、いいじゃないか!
と思いますよね。
もちろん噛めるかも知れない。
でもそれは、なくなった歯の代わりを代償する歯は実はどこにもないのです。
バランスが崩れてしまうのです。
両手足には20本の指があります。
どの指がなくなっても困りますよね。
歯が28本あるという事で、私は噛み合わせの事を
「おみこし」に例え、患者さんにお話するようにしています。
歯は全部で28本、上下左右それぞれ7本ずつです。
7本7本7本7本で、28本です。
つまりおみこしで、片方に7人、片方に7人、合計14人でおみこしを支えている。
その様にお考え下さい。
その14人、全員が元気な14人ではありません。
大人もいれば、子供もいます。
大きい人もいれば、小さい人もいます。
大きい人ばかりであれば、大丈夫かも知れませんが、
残念ながら十分な力を発揮できない小さい人もいるのです。
さぁ、下の歯の前歯を見てみましょう。
下の歯の前歯は、小さいですね。
根の先が尖っていますね。
根っ子は細いですね。
おみこしを支えている小さい子供だと思ってください。
根っこは1本ですよね。
ではこれを立ててみましょう。
立たないですよね(――;)
すぐ倒れます、棒みたいなものですから。
すぐ倒れちゃいます。
歯というのは、畑に大根が植わっている様に、骨の中に植わっている、
もっと言い換えれば、砂の山に棒が刺さっている状態だとお考え下さい。
そこに力が加わると、簡単に棒は倒れていきますよね。
次に奥歯を見ていきましょう。
奥歯、いわゆる6番目や7番目という表現をします。
そのうち1本の歯は6歳臼歯って言います。
6歳臼歯は6歳の時に生えてくる訳です。
これはものすごい役目をします
家で言う大黒柱です。
見てみましょうね。
噛み合わせの面は臼状の形をしています、
根っ子は3本も有りました。
何かに似ていませんか...?
カメラの三脚です。
カメラの三脚はどうでしょう?
自分で立てますよね。
自立しています。
カメラを支えられますよね。
つまりこの奥歯は自立することができる。
そして噛む力を支えることが出来る、その様な構造になっています。
それに対して前歯は、根っこが1本ですから、その様に力を支えることは出来ません。
つまり人間というのは、臼状の部分(奥歯)、ここで力を支え、
噛む事をし、磨り潰すという事をする訳です。
では前歯は?
...自分で立てません。そんな力はありません。
カメラの1脚と同じです。
前歯は一人で立つことはできない存在なのです。
草食動物、肉食動物、その両方を持ちえる事が出来たのが人間なのです。
奥歯で支え、奥歯で磨り潰す、しっかりと奥歯で支える。
そして前歯は、奥歯で噛んだ時に当たらない、
と言う事がものすごく大事なのです。
もちろん矯正治療の様に、歯を残念ながら、上下左右
1本ずつ抜かれた方、いらっしゃるかも知れません。
歯を抜いた場合は、もうその時点で28人が24人になっちゃっています。
4人足りないわけです。
そうすると、奥歯の人が、十分に支えることが出来ませんので、
矯正の治療をした方の中には、奥歯への負担を柔らげる為に、
わざと前歯を当てる様に整列している先生もいらっしゃいます。
そういう特殊な事を除くと、奥歯で支えて、前歯は
当たらないって言うのはすごく大事な事なのです。
入れ歯も同じです。
前歯にはそもそも、自分で力を支える、すり潰す噛む事をする、
その様な能力、そのものが無い訳ですから、
その前歯でガンガン普通に噛んでいたら何が起こるのか...。
当然、出っ歯になっていきます。
このようにだんだん崩れていきます。
歯茎が下がって歯が伸びたように見えます。
右上の歯が下の歯に突き上げられて飛び出てきています。
本来の位置から列を乱して飛び出したので、隣あう歯との間に隙間が出来てきています。
いきなり揺れだして抜け落ちてしまう場合もあります。
同じ運命を辿る事となります。
歯は、1本1本にそれぞれ役目役割機能が有るわけです。
奥歯は、臼状の形態でもって、力を支えることが出来る。
つまり、力のあるお父さんだと思って頂いたらいいでしょう。
奥歯=お父さん
それに対して前歯は、細くて小さい、子供達です。
前歯=子供達
真ん中の歯は、4番目5番目、お母さんというところでしょうか...
真ん中の歯=お母さん
奥歯でしっかり支える、6番目7番目の歯が無くなった途端、
歯は、どんどん崩れて行く訳です。
おみこしをいつもは、14人で支えていました。
その内4人がお父さんお兄さんでした。
しかし、ある時からお父さんが1人抜け、2人抜け、後には奥歯である大黒柱4人が全員いなくなってしまった。
残った子供達やお母さんでおみこしを支えなくてはならなくなった。
支えれなくなって崩れて行く、こんなイメージです。
ドミノ倒しの様に崩れて行く訳です。
なので、バランスが必要なのです。
噛み合わせのバランス、つまり、顎のバランスが崩れる、ということは、
全身のバランスをドミノ倒しのように崩していくんですね。
噛み合わせって、実はとっても重要なことなんです。
知らなかったではすまされない重大な問題が「噛み合わせ」には
隠されていることが多いんですね。
実際に「噛み合わせ」が原因でどんな症状を訴えられているのかと申しますと
■平衡感覚がうまくとれずめま いやふらつきがする
■まっすぐに歩こうとしても右 へ右へと片側に寄ってしまう
■夜眠る時に、ティッシュを口に入れないと苦しくて 眠れない
■首の横の筋肉が張って苦しい
■朝起きた時に、顔に噛み締めた シワの後がくっきり刻まれている
■首肩の後ろから頭の上の部分 が痛い
■ブルドック顔になってきた
など、患者さんによってお体に出てくる症状はさまざまです。
私の医院では、「噛み合わせ」のご相談にお越しになられた重症な患者さまには、
事前にどのような全身症状がでているかという項目にチェックをして頂くのですが、
その項目は人によっては数十項目になってしまう方もいらっしゃいます。
では、いったい「良い噛み合わせ」ってどんなものなのでしょうか?
私、吉本彰夫が考える良い噛み合わせとは、
1.「骨」
2.「関節」
3.「歯」
4.「筋肉」
これら噛み合わせを構成する要素が
■全てバランスが良い状 態になっている
■無理な力がかからない 状態になっている
これが良い噛み合わせだと考えています。
さらに全身にまで影響が及ばれている方の場合には、姿勢や態癖のバランスが崩れます。
顎の骨は、左右対称と思われるかも知れませんが、実は顎の骨って、
左右対称ではない人がほとんどなのですね。
よく美人は、右と左が左右対称になっていると言われますけど、
実際ほとんどの方が右と左ってちょっとずつ違うのです。
また、上顎というのは、先ほどお話しましたが頭の骨にくっ付いていて、まったく動きません。
そう、上顎は頭蓋骨にくっついて全く動かないのです。
それに対し下顎というのは、顎関節と言われる場所でもって、頭からブラ~ンとぶら下がっている状態です。
下顎はぶらーんと常に振り子のように右に左に揺れながらぶら下がっている。
それが、筋肉によって閉じられるその瞬間に、無理な力がかかる状態の場合には何が起こるかと申しますと
■体のバランスが取れなくなる
■噛んだときの振動が頭頂ではなく、ヒタイに響く
■目の上のあたりが重く なる
そんな症状が出てしまうことになります。
歯には2つの大きな役割があります。
①ものを噛む咀嚼機能
②平衡感覚という姿勢バランスをつかさどる機能
です。
特に②は、下顎のスムーズな動きを示します。
下顎は、人間の姿勢を維持し、態勢バランスを司るとても重要な部分なのです。
なぜ、歯を失いはじめた頃から、「よく転ぶ」ようになるか
なんとなく理解できませんか?
平衡感覚を司っている機能がバランスを崩すのです。
噛み合わせが数ミリずれただけで、
■どちらか一方の肩だけが下がるような姿勢になる
■まっすぐ歩こうとしても左に左にと傾いて進んで しまう
■めまい、ふらつきが頻繁に起こるようになる
■腕や手の指がしびれてしまう
というようなことが起こります。
奥歯くらいなくなったって、他の歯があるからいいじゃないか
あなたは、そう思っていませんでしたか?
なくなった歯の代わりには、ならないのがあなたの口の中にある1本1本の歯たちです。
前歯がいきなり飛び出してくるわけでは、ないのです。
いきなり歯が出っ歯になるわけでは、ないのです。
出っ歯になるには、そうなる原因が必ずあなたのお口の中に
あります。
その根本原因は「噛み合わせ」にあります。
えば奥歯の神経(根っこ)の治療、保険治療では歯の神経(根っこ)は3本である、ほとんど3本であるということが、教科書に書かれております。
ですから、歯の根っこの治療(歯の神経治療)は3本までしか算定することができません。
仮に4本目5本目の根っこ(神経)があって治療したとしても、です。
しかし、実際には、歯の根っこ(神経)に4本目、5本目というのが見えるのです。
保険制度が決まった時には、そんな4本目の根っこ、5本目の根っこ、そんなの見えていない。
あってもすごく稀だから、そんな治療は普通の治療においては必要ないと考えられていたのだと思われます。
ところが
見えてしまうのです。
先ほどのように見えてしまうのです。
https://www.8181118.com/director/2016/01/post-105.php
(↑4本目の歯の神経の入口がみつかりました)
私の医院には
「歯の神経治療を終了したはずなのに、まだ痛みが止まらない」
「神経を取っているのに痛いと訴えるなんてどうかしている、と怒られた」
という方が西日本各地からお越しになられます。
当たり前ですよね、
治療していないんですから、
4本目、5本目の神経は触っていないままだったから痛かったのです。
歯の神経治療というのは、口の中のバイキンが歯の神経にまで行き渡ってしまい、歯の神経が腐っていたり、または腐りかけている状態の時に必要とされる治療です。
過去に受けた神経治療で完全に腐食した神経が取りきれてない状態のまま被せ物をしてしまった時,被せモノの境目からバイキンが入り込んでくるなど再発する可能性は十分にあります。
どんなに自由診療でセラミックス等の高価な材質で詰め物を被せたとしても、きちんと神経の治療を行いバイキンがいない状態に消毒処理をしていないと、近い将来再発をしたり、最悪の場合には、せっかくの高価な被せモノをしている歯であっても抜歯しなくてはならないことになってしまいます。
歯の神経治療は将来あなたがご自分の歯を残すことができるかどうかのとても重要な治療なのです。
歯の神経治療をきちんとしているかどうかで将来あなたが多くの歯を失っていくか、ご自身の歯を残せるかどうかが決まるのです。
ですので,小さい字を見るために皆さんメガネを掛けます。
それと同じで吉本歯科医院では顕微鏡を使ったり、ルーペを使ったりします。
歯の神経治療はあなたが将来ご自分の歯を失わないためのとっても重要な治療であることを
どうぞお知りになって下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=sBNdWQuuU7Y&noredirect=1
例えばメガネを掛けている方、コンタクトレンズをされている方、いらっしゃいますよね。
大人になってから眼鏡や老眼鏡をかけるようになった方もいらっしゃれば、昔から小さい子供の時からメガネを使っているよという方もいらっしゃると思います。
どうして使うのでしょうか?
簡単ですよね、当然ですよね、使ったらよく見えるからです。
視力が落ちたからよく見えるようにメガネやコンタクトを使うのです。
今ここで仮に痛みを取るという技術に関して考えてみましょう。
歯科治療に置き換えてみます。
普通術者から治療しようとする歯を見るとこんな感じです。
肉眼で見た時にはこう見えます。
歯と1円玉を並べてみました。
こんな世界です。
ルーペで見るとこんな世界です。
歯の神経(歯の根)が3つ見えていますね。
例えば字が小さな本を読もうとした時、
字が見えないと読めませんよね。
ですから見えないのでどうしますか。
メガネを掛けますよね。
横に一円玉を置いてみました。
こんなサイズです。
コンタクトレンズを掛けますよね。
車の運転、見えてないと危険ですよね。
普段メガネをつけていらっしゃる方がメガネを外して車の運転、とても危険ですよね。
つまり見えている事に対してしか処置をすること行動を起こすことができません。
もちろん経験であったり、技術であったり、手先が器用であったり、すごく大事なことです。
しかしながら目が見えなくなってきたり、見えていたものが見えない、もしくは今まで見えてなかったものが見えるようになった時、それはまったく違う治療となるのです。
先ほどの続きです。
まず、お口の中をルーペでみると
こんな感じです。
歯の表面がばい菌で溶けてドロドロになっている状態です。
決して珍しいケースではありません。
一部が黒くなって肉に埋もれているため黒い部分を削ると出血してきます。
そのため、先生の診断によってはこの時点で「抜歯」を宣告される場合も少なくありません。
この表面のドロドロした状態をずはキレイに除去します。
まずここまでの処置が大変です。
黒い部分を削って除去し、まだ使えそうな硬さのある歯質を露出させました。
レーザーを用いて止血しました。
止血させることで、歯の神経の入口を3つ見つけることができました。
歯の周辺部分の赤くなっている歯茎から出血が起こるのですが、レーザー治療により
止血された状態で歯が良く見える状態になっています。
もちろん吉本歯科医院のこの炭酸ガスレーザーは保険では認められていません。
ここまでの処置ができるかどうかだけでも
抜歯か抜かずにすむかの診断が大きく変わってきます。
具体的にお話しましょう。
歯科の治療においては何ミリの世界が治療にとって必要なのか?
吉本彰夫は1ミリ、いやもっと狭い0.1ミリの世界で治療を行っております。
さらに顕微鏡で精密に見ていくと3つの神経の入口以外に白い点が見つかりました。
しばらくすると横から血が流れ込んできます。血との戦いです。
その白い点の穴の中に細い針を慎重に入れていきます。
注意深く入れないと細い針ですので折れてしまいます。
針が折れた時点でその歯は「抜歯」となります。
細心の注意を払って行います。
白い点だった穴を針で広げていくと
4本目の歯の神経の入口が見つかりました。
こういうことが吉本歯科医院では
当たり前に行なわれています。
顕微鏡を使えばどうなるんでしょうか?
はっきりと見たいところが見えます。
もし将来もっといい顕微鏡が出てきたら、おそらくもっと今では見えていないものが見えてくるようになるかもしれません。
吉本歯科医院にはそういう設備がすでにあります。
そしてわたくしどもは常にそういうよく見える世界で治療を行っております。
これが、私達の「あたりまえの基準」です。
「歯を抜かないといけないと診断された」
「なんとか抜かずに治療できないか」
というお問い合わせを毎日のように頂きます。
まず、歯を抜かないといけないと言われた状況が、いったいどういう状況で歯を抜かないといけなくなっているのか?
その原因というのがあります。
例えば「熱が出た」ということをイメージしてみてください。
その原因はなんでしょうか。
風邪があります。
インフルエンザがあります。
デング熱があります。
おたふく風邪があります。
感染症かも、しれません。
つまり、いろいろな原因の結果、今熱が出ているという症状を呈しているのであります。
「歯を抜かないといけないという状況にある」というのも同じように原因がいくつもあり、またその症状も様々であります。
その状況により変わってまいります。
「歯を抜かないといけない状況」になった原因を
まずははっきりさせないといけない。
まずはそのことを知って下さい。
まず歯は何で支えられているかご存知でしょうか?
歯は歯茎で支えられていると思われている方、多いと思います。
実際鏡で見ると歯の周りには歯茎が見えます。
しかしながら歯茎というのは肉です。
肉ですので押さえるとへこみます。
噛む力は一般に100~200kg、強い方だと寝ている時だと300kgという強い力でもって噛むというふうに言われています。
歯茎にはそのような力はありません。
実際には固い骨で覆われております。
そう、歯を支えているのは、骨なのです。
ですからまずこの歯の周りにある固い骨、この骨があるかないか、どの程度その骨が残っているかどうか。
それが歯を残せるかどうかの基準の第一条件になります。
次に
という条件になります。封鎖については
をご覧下さい。
「歯を抜かないといけない原因」がバイ菌からきている場合には、バイ菌を殺すということができれば歯を温存することができます。
そして、虫歯から発生し、根っこに膿が溜まって周囲に骨が溶けている場合。
この場合にはきちんと根っこの処理をし、殺菌をすることができれば根っこ周囲の骨は自らの力で骨を治そう、つまり骨を作っていきます。
骨を作るということができます。
しかしながらこれが歯の根っこの周囲から入ってきた場合、そして根っこから歯の周囲まで貫通してしまっている場合。
この場合はいくら消毒をしても歯茎の周囲からバイ菌がどんどんどんどん追加で入ってきますから封鎖することができません。
この場合も抗菌剤は効きません。
また、根っこが割れている場合、もうすでに噛む力に耐え得る本来の強度、歯の強度そのものがありません。
ですから殺菌して同じように見た目、歯のようなものを作れたとしても実際に噛む、食事をするという日常生活になった途端に、その力に耐え切れずに折れてしまうことがあります。
その場合にはどんなに消毒をしたとしても歯を抜かないといけなくなる。
どんなに被せ物を自由診療でしたとしても、ご自身の歯の根っこ自体の強度がもう落ちてしまっている場合には残念ながら抜かないといけません。
つまり乾かすことができるか、できないかということであります。
歯茎よりも上にご自身の健康な歯がある場合には、風をかければ簡単に乾かすことができます。
これが第一段階の残せるかどうかの基準です。
第二段階、歯茎の中に歯がなってきている場合、この場合は周りの歯茎と歯の位置、相対的な位置関係で決まります。
例えば歯周外科、歯周治療によって歯茎が引き締まり、相対的に歯茎を引き締めて歯を歯茎より上の状態にする。
もしくは骨の治療をすることによって、歯を歯茎の上にきれいな状態にできる。
この場合は封鎖をすることが可能になります。
しかしながら、一時的な封鎖ということになりますので、錆びる材質を選択されると当然ですが、その腐蝕から隙間ができ、簡単に破壊されます。
例えば船を造ると思ってください。
船を造るのに船の鉄板は錆びない材質。
でもその鉄板と鉄板をつなぎ合わせいるボルトであるとかネジであるとか、そういうものが実際に錆びる材質である。
その場合は簡単に壊れるということが想像できますよね。
これと同じことです。
口の中とは常に水分で満たされています。
錆びる材質は簡単にその隙間が破壊されてしまいます。
次にそもそもその歯がそういう状況になってしまった原因。
これが虫歯の菌ではなく、実は力というものによって悪くなってきている場合があります。
例えばトラックやトレーラーをイメージしてみてください。いっぱいタイヤが付いていますよね。
いっぱいタイヤがついているから
重たい物や大きいものを運ぶことができるのです。
この荷物を普通の自家用車に載せてみたとイメージしてみてください。
もうタイヤがひしゃげてパンクしそうになりますよね。
耐え切れないのです。
つまり物にはある程度の限界を超える力がかかると壊れてしまうということです。
そもそもこのような強い力がかかる場所、耐え切れない場所。
例えば奥歯を歯を失い、真ん中の歯で噛んでいた。
入れ歯は気持ち悪いからと言って使っていなかった。
手前の歯で両方で噛むのではなく噛みやすい方、例えば右ばかりで噛んでいた。
両足だと1km2km歩けます。
片足だとどうでしょう。
片足ケンケン、100mでも厳しいのではないでしょうか。
簡単に破壊されます。
これはご自身の歯であっても、生きている健康な歯であっても割れるのです。
これを歯の神経の治療をしようが、自由診療の硬い材質にしようが、もともとの歯という構造躯体そのものが破壊されるほどの強度の力がかかっていますから、どんな硬い材質でそこの部分を補ったとしても治療して補ったとしても、その接合部分は当然ですが耐え切れないのです。
この場合には、例えばタイヤを増やす。力を支えられる強度を増すような、そこに本来の受けるべき力、それ以上の力がかからない状況下。
例えばインプラントであるとか、他のない部分の歯を補うであるとか、そういうことをしなければ何をしても壊れてしまいます。
ですのでこの場合にも歯を抜かないといけないという診断になってしまうこともあります。
歯というのは親知らずを除いて28本あって普通なのです。
28本、上下それぞれ14本・14本で力というのを支えあっているのです。
これをたった10本の歯、たった8本の歯で支えようということ自体がそもそも無理があるのです。
この場合には保険診療だから自由診療だから、そういうことはあまり関係がありません。
何であったとしてもご自身の歯そのものがその力に耐え切れずに割れてしまう。
もしくは
倒れてきてしまう。
前に倒れて出っ歯になってきてしまう。
ということが起こってきているのです。
ですので、そういう原因を取り払わずにその歯だけを治すということはできないのです。
「歯の抜かないといけないと診断された」
場合には、
まずは、何が原因で抜かなくてはいけなくなったのかを
知って下さい。
そして、お口全体、噛み合わせ全体を考えた治療を行って欲しいのです。
歯の神経が痛いんです。
ということで患者さんがご相談に来られた場合には2つの方法があります。
通常一般的な医院さんで行っている保険治療の場合は歯の神経が痛みを感じているので、神経を殺して痛みを感じさせなくする方法です。
つまり、神経を取ってしまう
という治療です。
もうひとつは、
当院で行っております歯の神経の中に入り込んでいるバイ菌を殺し、歯の中のバイ菌を殺すという処置です。
バイ菌がいなくなるので、歯の神経は痛みを感じる必要性がありませんので、歯の神経を残せることが多くできます。
ただし、神経がすでに大部分死んでしまっている場合や封鎖ができない場合には、神経を取らなくてはいけなくなる場合もあります。
虫歯の保険の歯科治療の場合は、「痛い」ということであれば、痛みを感じているのは神経なので、神経を取ることによって痛みを感じさせなくさせるという、痛みを取る治療をします。
神経を取る治療をするためには、歯の頭があって根っこがあり、その中に神経、血管が通っていますから、歯の頭が邪魔なので頭を削って神経の入り口を露出させ、そこから器具を入れて神経の治療をします。
そして頭がありませんので、その後お薬を詰め、芯棒を立てて被せものをします。
その時の芯棒は保険で認めている材質の中には、腐食する金属が主体となります。
被せ物についても同じです。
封鎖ができていなければ、バイ菌は顕微鏡で見ないといけない位のサイズの大きさですので、当院では
歯の神経治療をお考えの方は、
まずは歯の構造をよくお知りになり、治療のメリットデメリットをお考えの上
歯の神経治療を選択なさって下さい。
今回は吉本歯科医院での治療でとてもよく使用する「リン酸」についてです。
吉本歯科医院では、虫歯の治療、歯の根っこの治療、ほぼすべての
治療に対してその行程内容、使用している薬品が一般的な歯科医院さんとは違います。
つまりやっていることがまったく違うのです。
治療をお受けになる患者さんは、診療台に座り、イスを倒し、治療がはじまってしまえば口の中で何が起こっているのか、知るよしもありません。
痛い
しみる
にがい
すっぱい
しょっぱい
振動が響く
など、口の中の感覚を頼りに何が起こっているのかを想像するのみ、です。
わかりやすい例でお話します。
例えば虫歯治療です。
私の医院の虫歯治療は通常の医院さんで行なっている虫歯治療よりも
時間も費用も通院回数もかかります。
それでもご遠方からでもお越しになり、多くの患者さんにご支持し続けていただけているという理由のひとつが
「虫歯が再発を起こしにくいから」ということが上げられます。
みなさん虫歯治療を思い出して下さい。
虫歯治療をした時のことを。
通常は虫歯になり、歯科医院で治療する際に、まずは虫歯部分を大きく削ります。
次に、削った部分にふたをするためにかぶせ物(補綴物)や詰め物をします。
これで治療は終了です。
しかし、このプロセスの中に
■虫歯の再発
■治療したのにさらに悪くなっていく
原因があるのです。
今回は、吉本歯科医院で常に行なっている特殊接着技術についてお話します。
吉本歯科医院で治療をされた患者のみなさまは、
今一度お口の中を鏡でご覧頂き「ああ、私のこの歯はこうやって治療したんだな」と
その治療工程を改めて知って頂ければ幸いです。
多くの方は
この治療をなんのためにやっているのか?
今、自分自身が受けている治療のレベルがどの程度のものなのか?
という意味がわからなければ、不安になります。
今、やっている工程が、「一体何のために、必要なのか」がきちんと頭で理解することができた時、
はじめて納得し安心します。
どうぞ知って下さいね。
ただ単に、時間がかかっているだけでは、ないのです。
その治療を行うには、治療に必要な時間がどうしても必要なのです。
◆ ◆ ◆ トピックス ◆ ◆ ◆
■ なぜ何度も同じところが虫歯になるのか?
■ 口の中に入っている詰め物は何でできていますか?
■ 薬はちゃんと使えば、ちゃんと効く
私の医院では例えば虫歯治療で削った部分に新しいかぶせ物をかぶせる時や詰め物を入れる時に、
特殊な接着技術を用いております。
そして歯の被せ物を行なう前に歯の削った表面を薬剤にて徹底的に消毒します。
その後、特殊な接着技術により、完全に封鎖させるのです。
この接着技術は吉本歯科医院のあらゆる治療に使われております。
また言い換えればこの接着技術があるからこそ、他医院では
決して治らない症例に対しても良い結果を出していけている、と言えます。
■抜かないといけないと診断された神経も残すことができた
■抜かないといけないと診断された歯でも抜かずに治療することができた
■何度も同じところが虫歯になっていたが、治療後ピタリ再発が起こらなくなった
これらの事例が成功するには「そうなるべくして治療をしている」から、なのです。
治療が失敗するにも原因があるように、成功するのも理由があるのです。
たとえば、「リン酸」という薬品を私の医院では毎日のように使います。
医学、薬学、化学関係の患者さんも多くいらっしゃるのでご存知の方もいるはずです。
「リン酸」の化学式は (H3PO4)
虫歯治療の各過程
根っこの治療の各過程
詰め物の装着過程
歯周外科の根面処理過程等
ほぼすべての歯科治療で使用されています。
接着技術が必要な治療にもこの「リン酸」は使います。
当院で治療をされた方は思い出して下さいね。
お口の中がすっぱい水でいっぱいになったことがありますね。
あのすっぱい水、それが今回お話する「リン酸」です。
では、この「リン酸」ですが、吉本歯科医院での虫歯治療にどのように使っていくか、詳しくお話しましょう。