昨日、母性型経営勉強会が行われました。
楽しかったし、元気がでてきた、そんな会でした。
「母性型経営」なんて考えにちょっとでも関心を持って下さる方しか集まっていないので
いい雰囲気に包まれるんでしょうか。
明らかに、経営者のためのビジネス異業種交流会・・みたいな空気感とは違うのです(笑)
「母性型経営のススメ」は、発起人のコピーライター人見先生がとってもクリエイティブな感覚で
お料理して形にしてくれるべく現在動いております(^^)よろしくお願いします~~せんせい。。
いたるところで「母性型」の言葉が登場するようなったら楽しいなあ。
その中で、勉強会の様子をご紹介していきますね。
母性型経営という考え方を私たちに教えてくれたのは人間科学研究所の池田弘子先生。
。。。。。池田先生・・・とは、私の実の母でございます(笑)
しかし、私と母とは、周囲から見ると「親子なんだけど話していることは親子じゃない!」と
よく言われます(^^;)
池田は私がモノ心ついた頃から今のような仕事をしていました。
池田が行くところにはどこにでも付いていってましたので、大勢の人の前で講演をしたり
セミナーをしたりしていることをずっとそばで見て聞いていました。
また、いわゆる好景気の時期には全国からしょっちゅう講演やセミナーの依頼があり
北は北海道のはしから南は鹿児島まで池田は出かけていたのですが私は、学校を休んでも
くっついていっていたことを覚えています(笑)
もちろん仕事というシーンなので子供連れ大丈夫なの?と思われると思うのですが
当時は、世の中そのものが結構おおらかで、
「へえ、池田さんの子供なの?よく来たね~」と普通にどこに行っても受け入れてくれるような
時代の雰囲気がありました。
私は、今思えば、その頃からずっと母が多くの人の中にはいって仕事をしていく様子を見てきたのですが、その記憶が無意識に心の中に残っており、今、人との関わりというところでものすご~く役にたっていることを感じています。
子供にとっては母親の存在は、一番です。
その母親が、私はいつも楽しそうでイキイキしていて、もっと言えば落ち着いていた、ということが
今の私にとってどれほど大事な安心感を育ててくれたものかと思います。
我が家は世間的に見ればおそらく「まあ、大変な家庭環境ですわね~」とかわいそうがられるような
環境だったとは思います。
親戚の人からも、「ともこちゃんはこんな過酷な環境でよくひねくれずに育ってるわね~」と涙ながらに同情してくれる人もいましたが、当の本人は、「そんなもの」だと思っておりましたので子供心にその同情心にのっかって(笑)おもちゃを買ってもらったり、やたら優しくしてもらったりしておりました。
子供の頃から大人を観察するのが面白くてたまらなかったので、母が連れて行ってくれる全国の仕事場(講演やセミナーや、イベントなど)で大人同士がやりとりをしているのを見るのが私の遊びでした。
私がなぜそのような過酷な?家庭環境でひねくれなかったのか?また、結構楽しく育っていったかというとそれはもう一言、「お母さんが一番面白そうに生きていたから」です(笑)
私の母は、いろんな人と出会い、新しい仕事をして行く時など、まず私に話をするのです。
「ともちゃん、今日ね、こんな人に会ってね、今度一緒にこんなことするんだよ。
この人ってこんなすごいこと考えているんだよ。すごいよね。素敵だよね。一緒に行こうね」って
小学生の私に楽しそうに話すわけです。
そんなことを小学校時代から今までほぼず~っと続けていたら
それを聞いて育つ私は、
生きているって素敵なことなんだ
人との出会いってすばらしいんだ
結局は人と人との関わりが全てなんだ
さらには、仕事は面白いんだ
と潜在意識の深い深い部分に植え付けられていくわけです。勝手に(^^:)
そして今、一番私がありがたいなあと思えること
それは、私は生まれてからこれから一度も母に「否定されたこと」が、ありません。
もちろん悪いことして殴られたことはありますが
どんなときでも、認めてもらえなかったことは、ない、のです。
というよりは
「あなたは本当にすごいわね」
「なんだってできるわよ、思い切りやってごらん」
「深刻になることなんて何ひとつないわよ」
失敗しても
「よかったじゃない!だから今があるのよ」
失恋しても
「新しい人が現れる前に空きを用意してくれてるのよ~神様が」
一時が万事こんな感じ・・・
前向きとか、通り越してびっくりするほど「自分のいいように思考する」ように
会話の中で育てられました。
なので、私の中では、今は
失敗は、ないし
うまくいかない、ということも、ない。
すべては考え方ひとつでどうにでもなっていくことを知っているから。
そして、自分が話す言葉で自分を作れていけることも身体にしみこんでわかっているから。
今は、世の中でいろいろな「幸せに生きる」とか「やる気になるため」とか「自分を信じる」とかの
手法が出回っているけれど
その全ては、やはり私はお母さんだと思うのです。
お母さんが、心から安心して、心から自分が楽しいと思えるような毎日を過ごしていることが
子供にとって一番の能力開発です。
うちの息子を見ていて思います。
私がいそがしくって、おじいちゃんおばあちゃんの家に預かってもらっている時に
たしかに寂しい思いをしているかもしれないけれど、
それに関してはそこまで心配をしていません(笑)
それよりも、息子は私の顔を見ています。
私が安心してて楽しそうにしている時、息子はのびのび安心して楽しそうに遊んでいます。
私は子供と母親は一心同体で繋がっていると、思っています。
私の心の安心感度合いがそのまま息子に繋がっている。
そして私は不安だったり、ストレスいっぱいだったり、周囲に不満たらたらもっている時は
面白いほど、様子がおかしくなります。
それほど敏感です。
子供というものは。
たぶん、浮気をしてかえってきた旦那さんの様子がちょっとおかしいと勘付く奥さんの感度の150倍は鋭いと思います(--)
母性型経営とは、まさにお母さんが子供を無条件で認めて育てていったように組織での人育てもしていこう、ということです。ざっくり言うと。
お母さんがどんな状況になっても子供を捨てることは、しません。
今は、捨てますが。普通は捨てません。
そして、どんな子供でも、
たとえば、お母さんにとって言うことをきかない面倒な子供でも
決して、見放すことはしません。
見て、聞いて、そばで見守り、じっくり育てます。
親が子を思うように見つめていく
そんな想いをあふれさせていくと、会社経営は確かに、変わっていきます。
どんな人だって、絶対に見放さない
そして、徹底的にいいところを見つけ出し、そして徹底的に引き出します。
だって、自分の子供のいいところが見つかって、その能力が引き出されたら一番嬉しいのは
お母さんです。
なぜ、母性型なのか?
と昨日の勉強会でよくわかりました。
人を育て、見守る本質が母性にはある、と思うのです。
それは男性の中にもあります。
また、子供を持たない女性の中にもあります。
母性性の強い経営者が多くなっていけば、こんなにギスギスした社会ではきっとなくなる、そう思います。
安心感というベース、心の安全基地を、3歳までに作り上げることがどれほど大事なことか、
大人になって、そして、経営者として人と関わっていくうちに、改めて感じます。
しかし、残念ながらその時期にたっぷりと自分の存在が認められる安心感を得られなかったんだという場合には、もう一度、愛情の再構築を行えばいい、そう思います。
大人になってから愛情???何言ってんの?というのは理屈の世界です。
人を動かしているのは、心の奥底の愛情のタンクだと思うのです。
そのタンクにどれほどの愛情が入っているのか?
満タンなのか?
半分なのか?
または、からからなのか?
はたまた、そんなタンクの存在さえ気が付かないのか?
これだけストレス社会って言われています。
そのストレスの原因は人間関係です。
どんなに仕事に負荷がかかっても、複雑になっていいても、
ベースである職場や、自分がいつもいる場所での人間関係がうまくいっていれば
人は意外に元気でいられるものです。
「仕事はいそがしいけど、みんながいるから元気になれる」
「ここにいると安心できる」
と思えたり、
職場の中に、人と人同士が笑い合っていられる空気があれば
人はそうそう心が病んだりはしません。
今は、あまりにも人間関係というものを複雑視して考えていると思うのです。
情報が多くなったせいでしょうか。
人と人同士が目を合わせて話す機会が圧倒的に減ったからでしょうか。
豊かになったせいでしょうか。
人と交わるよりも、もっと楽しそうなことが増えたのでしょうか?
私はこう思います。
人間関係は自分で作るものだ、と。
最初から「ある」ものではない。
職場での人間関係は、はじめは上司と部下、社員同士。
みんな違う人が、また、知らないもの同士がひとつの場所に集まって仕事をするわけです。
最初からうまくいくはずなんて、ありません。
お互いが歩み寄って、気を遣い合ってはじめて気が合いだし、関係が作られていくわけです。
うまくいく人間関係の原則は、私はやはり「きちんと向き合う」「真正面から」ということに
尽きると思うのです。
男も女もなく、もうその一点です。
逃げたくなるようなシーンもありますし、
引いちゃいそうなシーンもあります。
うっとおしいなあ
逃げたいなあ
面倒臭いなあ
というシーンもあります。
人間は感情をもったややこしい生き物なので、好きの嫌いのいろいろあります。
こじれだすとどこまでも袋小路に入ってしまい、自分だけの問題じゃないような気までしてしまうのが人間関係というものです。
だからこそ、押さえておかないといけないことがある、そう思います。
そこで、私は提案です(笑)
人間関係は私が作るもの、というスタンスを胸に生きてみませんか?
最初から、ある、のではなく「作る」
そう、まさに、無から有を作る、とってもクリエイティブ♪
私はそういう意識を持って生きようと思い始めたとたんに、翌日から人との関係が変りました。
「私はこうしたい!」という想いをもった時に
そこからはもう愚痴は出ません。
周囲にいろいろ言われてても、それも私には耳にはいってこないし、気にならなくなります。
私が~する、という想いをもったとたんに、
パッと人に合う瞬間には、もうすでに私の心はオープンに開いています。
相手が閉じていても、私は開いている。
心が閉じているか
心が開いているか
見えないと思いますか?
でも、想像して下さい。
きっと、わかります。
パッとあった瞬間に、「あ、感じがいいなこの人」って自分が感じてしまう瞬間ってありますよね。
そんな時は、必ず相手の心は開いているのです。
逆に、「な~んか、感じ悪いなあこの人」って自分が感じてしまう瞬間もあります。
そんな時は、相手の心は閉じています。
自分のこととして置き換えてみると、す~ぐにわかりますよね。
私は吉本歯科医院のスタッフには、ホームページにも書いていますが
とにかく「感じのいい人を目指しましょう」と言っています。
感じのいい人の定義は、
「心が開かれている」
ということです。
心が開かれている人の前に立つと、人と人同士は鏡のようなものなので
時間がかかる場合はありますが、必ず同じように心を開いてくれる時がきます。
どんなにかたくなな心でも、あたたかい光についつい心地よくなって開いてしまうのです。
北風と太陽ですね。
母性型経営の母性とは、いわば「太陽」の役割をしていきましょう。
ということなのです。
それは、相手にとっていいことだから、という理屈ではなく
やっている本人が一番楽しいことだから、です。
母性型原理・・・・突き詰めていくと本当に面白いのです。
次回の勉強会では、サヌキ男とアワ女の母性型原理がテーマなんだそうです。
日本的な思考が、いかに「母性型」だったのか、という話なのですが
私はこの話を池田に聞かされた時、鳥肌がたって興奮していてもたってもいられませんでした。
このあたりは「話術の天才」池田弘子氏が惹き込みながらお話をしてくれると思います。
どうぞお楽しみに。。。。
勉強会の様子は、別途ご紹介しますね。
次回は6月9日(水)6時半からです。場所は高松テルサです。
母性型経営、または母性型原理に関心がおありになる方はどうぞお知らせ下さいね。
今年1月から発行をしております吉本歯科医院のニュースレターですが、読んで下さった方からいろいろとリアクションを頂いております。
発信したことに対してたくさん反応を下さると私たちもとっても嬉しくなってしまいます(^^)
カウンセラー森下のコーナーと、マネージャー吉本のコーナーもあったりします。
特に森下の文章は、直球で素直な人柄が思いきり表現されていて患者さまには
とても好評を頂いております。
吉本歯科医院では、初診の患者さまが一番最初に出会うのが、受付の樋口と
カウンセラーの森下ですので、2人の人柄がもっともっとお伝えできればいいなあ・・と思います。
さて、3月号の私のコーナーの文章とも多少かぶってしまいますがお伝えしたいことは
はやく書いておかないと脳ミソから吹っ飛んでしまうので思い立ったらすぐ、書いてしまいます(笑)
吉本歯科医院では、開業以来、院長吉本彰夫の診療理念というものを掲げています。
① 自分の家族にできる治療かどうか
② 院長自身がその体に対して受けたい治療かどうか
③ 10年後の患者さまの歯の健康を見据えて治療にあたること
どこの会社にも壁に貼っていますよね?社是とか、企業理念とか。
でも、その想いがそこで働くスタッフに100%伝わっているかどうか、そしてその掲げた理念に対して嘘のないことをリアルに行っているかどうかは、正直「?」と思わされる機会が少なくありません。
吉本歯科医院では、患者さまに向けてかなり多くの情報発信を行っております。
そしてその情報を頼りに四国中から患者さまがお越しになられております。
しかし、もし仮に私共がお出ししている情報に嘘があったり、誇大な表現があったりすれば、実際に吉本歯科医院にお越しになられた患者さまは一瞬にしてその「違和感」をお感じなられることでしょう。
また、歯医者さんで行われていることは患者さまサイドから見れば一体どんな材料を使ってどんな技術で、どんな衛生状態で治療が進められているかなどは全く見えることはありません。
「あんないいこと書いてても実際は違うじゃない」と思うことってよくありますよね。
そしてそのたんびにガックリきて、どこかさみしい気持ちになってしまいますよね。
また、人の口に戸は立てられませんので「いい評判」も「悪い評判」も伝わっていくでしょう。
そして患者さまに対してうたっていることと実際に診療室の中でやっていることにほんの1%でも「嘘」があれば、それはまず一番に中にいるスタッフたちが違和感や不信感を感じます。
私たちは地味なことではありますが、その「違和感」をとにかく無くしていけるようにしたい、と思っています。
そのためには吉本歯科医院の全スタッフが、院長吉本彰夫の診療に対する考え、思い、信念を深く理解していることが必要です。
社長の考えをそこで働く社員の全てが共有できていたら、何があってもそれは「強い組織」だと私は思います。
しかし、トップの想いをスタッフに伝えること、これは一朝一夕でできることではありません。
紙に書いて「これ、読んで覚えておいてね~時々チェックするからね~」で浸透するわけはないですよね(苦笑)
私たち吉本歯科医院では、院長吉本彰夫の診療理念をスタッフ全員が共有するためにさまざまな取り組みを行っています。
聞いてくださいね。
例えば、ある患者さまの症例をテーマに、スタッフ全員で「診断」を行ないます。
レントゲンや、口腔内写真、症状の聞き取りを実際に見ながら院長、吉本彰夫ならどう診断し、どんな治療計画を立てるのか、を全員で話し合います。
もちろん受付に立つものも、カウンセラー、歯科衛生士、全てです。
何度も何度も症例を見て、院長のそばで診断を聞いているとだんだんと院長の考えや、治療に対する考えがわかってきます。
そんなミーティングを繰り返すうちに、今ではほぼ全てのスタッフが、この患者さんの場合だとうちの院長ならこう診断するだろう、とか、こんな治療内容になっていくだろうな、使う材料はこれだろうな、院長は患者さまに10年後こうなってて欲しいんだろうなということがわかります。
歯科に対して全くのど素人だった私でさえわかってくるから面白いものです(^^;)
また吉本歯科医院では、スタッフ全てを適材適所に配置しています。
よく組織の論理では、人材には替えがきく、と言われています。
どんなに優秀な人でも組織の中では、大きな歯車のひとつなので、替えはいくらでもいる、という考えです。
うちは、全く逆、です。
例えば、吉本歯科医院の受付の樋口の代わりは、いません。
また、彼女のような基準で受付に立ってくれる人材はそうそういないと私は思っています。
カウンセラーにしても歯科衛生士に関してもしかり、です。
非常勤で来てくれているママさんスタッフに対しても同じです。
今うちにいるスタッフは一人として「絶対離さない」と勝手に思っています(笑)
人はそれぞれ個性があります。
もちろん短所もありますが、よくよく考えてみれば短所は長所であり、長所は時に短所にもなります。
それをいいと見るか悪いと見るかはそれを評価する人によって決まります。
つまり、それぞれのスタッフのいい面を引き出せるかどうかはこちら側にある、ということです。
100%経営者側の責任です。
自分の器以上の社員は来ない、と言いますが本当にそう思います。
どこまでも、彼女たちの素晴らしい面を引き出し続けていきたいと思っています。
仕事を通じてどんどん綺麗になっていく、また、そうでないとおかしい、とも思います。
そんな考えなので、私はいつもみんなに言っています。「ずっとここでいてね」と(笑)結婚しても子供ができても、ずっと吉本歯科医院に力を貸して欲しい。
そのための環境整備は一円も惜しくはありません。
そう思えるスタッフに囲まれるためにも『採用』はやはりとても重要です。
私はそうそう簡単には吉本歯科医院の中にスタッフを入れません。
人間関係や、仕事の基準を保つことが何よりも大事なので、その基準を崩すような人材は絶対に入れません。
では、採用の決め手は何か?と言いますと、ズバリ「人柄」です(^^)
他人を受け入れていける素直な心がありそうな人かどうか、です。
自分で言うのもなんですが、私、結構「見る目」あるんです(笑)
最近では、私が嫌だなあ~と思う人はうちのスタッフはみんなわかります。
「マネージャー、あの人、苦手なタイプでしょ」と(ーー;)
好き嫌いを顔に出すことは絶対ありませんが、不思議とわかってしまうんですよね。
そう考えるといい人材は意外と少ないものなんですよ~。
そしていい人を見つけたら絶対に離さないと決めること。
そして、大事に大事に長い時間をかけて育てていくこと、です。恋愛と同じですね(^^)母性型経営にはある種の覚悟も必要です(笑)
こんにちは。吉本歯科医院のマネージャー吉本委子です。吉本歯科医院にお越しになられた患者さまからはよく「何か特別な教育をしてるんですか?」「スタッフがみなさんとっても親切で優しい」と嬉しいご感想を頂きます。待合室で、診療室で、そして受付で、患者さまと当院のスタッフたちが笑顔で楽しそうにお話を交わしているその表情を見ていると私はとっても嬉しくなります。まだ何も人に対する教育や、経営に対するきちんとした考え方を私たち経営する側が持てていなかった頃では絶対にありえなかった光景が今の吉本歯科医院には確かに、あります。経営者は経営だけを考えていては駄目で、「人の教育と経営は常にセット」であるべきだと改めて感じます。
いいお店やいい会社というのはその中に一歩入っただけで、一瞬で感じますよね。「ああ、何かいい雰囲気だなあ」とか「そこにいるだけで病気になりそうなほど悪く空気・・・」とか、人はなんとなく肌で感じているものですよね。
そこで働く社員がみんな親切で、笑顔がとっても素敵なことを感じたとしたら、そこに集う人すべてはなんとなく幸せな気持ちになります。
先日、私の友人と久しぶりに会った時に驚くような話を聞きました。
彼女は日本では誰でも知っているような大手企業の四国支社に正社員として勤めています。
正社員は少数で社員の8割は派遣社員だそうです。
派遣社員と正社員のやっている仕事内容は全く同じで、違うの給与や待遇です。
この不況時代で派遣社員が「はい、来月までね」というように容赦なく切られていく様子を彼女は毎日毎日、目の前で見ているそうです。残っている正社員や派遣社員たちも「次は自分か?」という気持ちはいつもあるんだそうです。どうせ切られるなら今のうちに会社のものを徹底的に使ってやろうとか、次の就職に有利なように自分が関わった仕事のデータや顧客の情報も持っていってやろうとか、聞けば恐ろしい話もどんどん出てきます。ここだけ聞くと、「なんて奴だ!」と思われるかもしれませんが、働いている人達の心の中からこんな醜い気持ちを引き出してしまったのは実は経営者の責任です。
自分さえよければそれでいい、会社さえ利益を上げらればそれでいい、そういった経営に対する考え方があれば、同じようにそこで働く社員たちも同じ気持ちになってしまうんだと思います。
まさに個人主義や利益中心の資本主義の考え方です。
こんな考えが少しでも経営者の中にあったとしたら、そこで働く社員が安心して働けるはずも、ありません。
またそれを自らやっている経営者自身が幸せになれるはずも、ありません。
母性型経営とは簡単に言うと何?と申しますと「本来ひとがあるべき姿」で人生も経営もしていこう、ということに尽きます。
会社は利益を追求するとこと、です。もちろん理屈ではそうです。
しかし、仕事は、それをすることで幸せになる人がいなければそれはやはり、おかしい、と思うのです。では、幸せって何でしょう?って思った時、「お金がいっぱいあること」「やりがいがあること」「大好きな人に囲まれていること」などいろいろ価値観があると思います。しかし、私が思う幸せとは、「いつも誰かと何となく繋がっている感じ」「隣の人を信じられる」という安心感で満たされている時だと思うのです。
今、家族だって、職場だって、もしかしたら恋人同士だって、「自分は一人なんじゃないか?」と思っていたりします。どんなにみんなでお酒を飲んで盛り上がっていてもどこか心の中に空しさや孤独感を感じている、そんな時代です。でも、私はあえて思うのですが、本当はみんな人間は誰だって、人間を信じたいと思っていて、隣で働いている仲間ともっと心で繋がりたいと思っている。当たり前のことかもしれませんが、男性は女性を大好きだし、女性は男性を大好きで、自分とは違う人間をもっと信じたいし、深く関わりたいと思っているんですね。人間だって生物ですから。人と繋がっていないと実は生きていけないのが人間です。だけど今という時代に限っては、その本質的なところが全て崩壊しつつある、と思うのです。人と人との繋がりが人間にとって、大きく言えば組織にとってどれほど大事なものかを全く忘れてしまっているのが、今問題になっている「人切り」であったり、「効率優占」であったり、「機械化」であったりします。経営者は今という厳しい時代だからこそ、そこで働く社員を心から大事にし、そしてそのことによって自分自身も満たされ、満たされたあふれる思いでもって社会に対してどんどん貢献していくことが、とてもシンプルな道だと私は思います。ただ、大事にするといっても、単に甘やかすとか、給料をあげるとか、そんな話ではありません。私は吉本歯科医院のスタッフは自分の家族だと思っています。その想いが通じるには時間がかかるかもしれません。でも、今いるスタッフはすべて自分の家族と同じです。お腹がすいたら、みんなでわけて食べたいし、もし、食べ物が少なくなったからといって、「じゃあ、食べ物少なくなったから、だれかを追い出そう」という思考には絶対なりません。だって、家族ですから。どんなに貧しくてもお腹がすいても自分の子供を追い出して自分が満腹になりたいなんて発想、絶対しませんよね。その感覚と同じです。では、利益は?と、申しますと、私たちの経験則からいえば、「きちんとしたことをちゃんとやっていたら利益は後からついてくる」。これはどこかの立派な本に書かれていそうな理想論ですが、どう考えてもそうとしか思えないので敢えてこう言います。それに、実は利益をちゃんと上げたいと思ったら、中をきちんとあたためた方が2年、3年後を考えた時にはよっぽど効率がいいんですね(^^;)子育てと同じで、一番大事なところを手を抜いたら後で大変!という感覚と全く同じです。
次回からは吉本歯科医院での「母性型経営」をちょっと具体的にお話させて頂きますね。
■ 患者さまに満足して頂くための接遇教育はどんなことをしているのか?
■ 吉本歯科医院を大好きになって頂くために私たちがいつも考えていること
■ 規則で縛るのではなく、信頼関係で包みこむ
■ 問題が起こった時はチャンスと考えられる職場の雰囲気を作る
■ 協調性のある人だけを採用し、採用したら徹底的に大事にする
こんなことを書くと誤解をされそうですが、あえて誤解を恐れず書いてみます(^^;)
私たちは人間です。人間はみな例外なくお母さんから生まれました。ですよね?たぶん(笑)人は、まずは母性的なものからスタートしています。
そして、人の成長には男性的な父親の役割と、女性的な母親の役割が必要です。
実際に子育てをされてこられた方なら実感として感じていることだと思いますが、子どもにとって最も必要なことは、「自分の存在は認められている」という大きな安心感です。
そして、それは人が人として生きていくための全ての基盤となります。
その基盤である安心感があってはじめて、外の世界への好奇心や新しいことにチェレンジしようと冒険的な意欲が子どもの中に芽生えてきます。
うちの子供も、公園で遊ばせている時に、遠くにいてもちゃんと視線の届くところで、
「見ている」と、子供は安心して、いろいろな遊具にチャレンジしていきます。
高いところだって、ちょっと危なそうなところだって、ぐんぐん進んでいきます。
面白いのは、ちょっと遊んだら、チラッと私の方を見て、「ちゃんと見ているかどうかを確認」するのです(^^;)
そして、目を合わせてニコッとして、「ちゃんと見てくれていることを確認」できたら、今度はもっと
難しそうな遊具にチャレンジし始めます。
何度も何度も、私の姿を探しながら、確認しながら、少しづつ遠くに遠くに離れていくのです。
これは上の子も下の子も同じです。
どの子供も同じです。
そして、少しでも私の姿が見えなくなると、途端に不安な顔をして、遊ばなくなります。
お母さんを探しだすのです。
不安な顔で。。。
そして、見つかるとまた安心して遊びに行きます。
子供って見てたら本当に面白い、です。
子供との関係の中には、人間関係のエッセンスの全てが凝縮されているような気もします。
人が人として最高の状態で生きていくことができるには
何を置いても「安心感」ありき、なんだと痛感しています。
そして、この安心感は「◯◯ができるから誉める」といったような条件付きのものではなく、「わが子はどんなことがあってもすべて私の大事な子」という無条件のものでなくてはなりません。
無条件で自分の存在を肯定され、その安心感の中で育った子供は、ほうっておいても好奇心が芽生え、「やる気を出せ」と言われなくても、自ら考え、行動を起こします。
大人になっても自分の心の中に、好奇心が溢れ続けているので、「やりたいことがない」といったことなど起こるはずもありません。
人間を育てるには、まずは順番があります。
今は、明らかにその順番を間違えていると思います。
まずは、「安心感」ありき、です。
そして、その安心感の前提になるのが、子どもの存在を無条件に肯定すること、つまり「私の子供はどんな子であっても、大事」という母性的な心で接すること、です。
子供を育てるには、まずは理論理屈よりも母性が必要です。
そして、存分に自分の存在を肯定され安心感を得た子供は、はじめて好奇心やチャレンジする意欲が芽生えてきます。
そうなってきた時になってはじめて男性的な「おいっ、ここはちゃんとこうするんだ!!」というような父親の出番がやってくるのです。
これって、組織の中と全くおんなじですよね(^^)
心の安全基地、つまり安心感をその人の心の中に作ってあげる、ということが何よりも最優先することなんだと私は思います。
それがないのに、その上に何を乗せても無理、です。(←言いきっちゃえ(笑)
自分が本当に大切にされた実感がある人は、人を大事に親切にすることができます。
逆に、自分が大切にされた実感がない人に、どんなに「お客様を大事に!笑顔で!」なんて
押し付けても、無理、なんです。
自分が体験したことしか、再現することなんてできません。
それをどんなに知識で頭に詰め込んでもできっこないんですね、悲しいかな(泣)。
体験こそが全てです。
生み育て、「安心感を築き」そして守り続ける、そうした母性型人間優位の、母性的な生命力に満ちた社会に戻っていけば、そこで生きる私たちも少しはこんなに息苦しい社会ではなくなるはずです。
母性型の経営、今という時代にこそ必要な考えだとすっかり確信しちゃっています(笑)。
最近は、どこに行っても誰と会ってもこんな話ばかりしているのですが、
意外にも私よりもこの話に盛り上がってくれる方が多く、とっても嬉しいのです。
わかってくれそうな人としか会っていないし、わかってくれそうなところにしか行っていない、という事実はありますが(笑)