香川県高松市の
噛み合わせ専門歯科
吉本歯科医院の吉本彰夫です。
歯の治療の8割が
過去に治療した歯の再治療
ということを知っていますか?
先日、ご相談にお越し下さった患者さんは
「ほぼ30年近く同じ歯医者さんに通っていたのに
65歳を過ぎた頃から
被せ物が取れ、歯に穴が空いていたり、歯が折れたり
歯を抜かないといけないと診断される歯が増えてきたり
一気に歯の状態が悪くなってきた」
ということでした。
ほとんどの方は
■虫歯ができた
■かぶせ物や詰め物が取れた
■歯がしみる、痛い
■歯がグラグラする
■噛むと痛い
■歯が折れた、割れた
■歯茎が腫れて痛い、血が出る
といった時に
歯医者さんに駆け込む
のではないでしょうか?
そして
虫歯であれば、
悪いところを削って詰め物やかぶせ物をしてもらい
治療が終われば
「ああ、これでやっと歯が治った」
と思われていらっしゃるのでは
ないでしょうか?
実は、この常識こそが
あなたが
ちかい将来
多くの歯を失ってしまう
大きな原因なのです。
あなたが
歯医者さんに駆け込むこれらの症状ですが
「そもそも
そうなってしまった原因」
をお知りになっていますでしょうか?
もうすでに歯を何本か失ってしまっている場合には、
その時、歯がなくなった原因は
一体何だったのでしょうか?
虫歯
歯周病(歯槽膿漏)
歯が折れた、割れた
の症状は
結果にしか
過ぎません。
そうなってしまった原因が
必ずお口の中にはあるのです。
しかし、
その根本原因を
患者さんご自身が知らないことが
ほとんどです。
それらの病気を引き起こしている
根本的な原因は
①咬み合わせ
(バランスの悪さからくる破壊的な力)
②細菌(清掃不良または細菌感染)
です。
「かみ合わせ」と「細菌」の両方に
原因がある方は
とてもはやく破壊が進みます。
「歯の掃除さえすればいい」では
片手落ちになってしまうのです。
多くの方は歯が悪くなる原因は
「私が歯みがきを毎日きちんとしなかったからだ」
と思い込んでいる方がほとんどです。
本当にそうでしようか?
あなたは過去に治療した部分が
また虫歯になってしまった
という体験がありませんか?
日本中で現在行われている
歯の治療の3分の2は、
過去に治療した部分の再治療なのです。
最初は小さな虫歯だったかも
しれません。
小さな虫歯を削って
小さな詰め物をしていました。
何年かしてその小さな詰め物部分が
虫歯になってしまいました。
小さな詰め物を外し
大きな詰め物に
やりかえをしました。
そしてまた虫歯になった時には
大きな詰め物を外して
虫歯部分を更に大きく削り取り、
今度は削った歯を覆うような
大きなかぶせものをしました。
しかし、
また何年かして
今度はかぶせ物が外れてしまいました。
銀の被せ物がはずれた部分を見てみると
バイキンによってドロドロに溶かされた
歯の根っこが見えてきました。
歯の根っこまで
バイ菌がきてしまった歯の神経を
残すことは大変難しく、
こうなったらもう
「この歯の神経は抜くしかありません」
ということになるのです。
神経を取った歯の強度は10分の1まで
落ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=sBNdWQuuU7Y
歯の神経を取るとどうなるの?
動画もご覧下さいね。
歯の神経を取るということは
歯の神経と一緒にある
神経や血管も一緒に取り除く
ということを意味するのです。
血管を取り除くと、
栄養が歯にいかなくなります。
栄養がいかない
神経や血管を取った歯は
少しの力がかかることで
あっけなく折れたり割れたりします。
神経のない歯が折れたり、割れた場合には、
もう歯を抜くしか方法がありません。
多くの日本人は、
このような順番で歯を失い、
そしてもう1本、
また1本とドミノ倒しのように
歯を失っていっています。
そして80歳になった時に、残っている歯は
わずか11本というのが現実なのです。
11本では、
何も噛むことはできません。
入れ歯で苦痛に耐える生活を
過ごすことになってしまうのです。
同じところが
何度も虫歯になるには
必ず再発する原因が
あなたのお口の中にあります。
原因を突き止めることで
無駄な治療をしなくてすみます。
http://www.8181118.com/director/2016/02/post-113.php
原因を取り除かない限り再発を繰り返すのです
無料メール相談やお問い合わせは
こちらまでお送りください。
https://www.8181118.com/contact/
Q:50歳になって両方の奥歯が噛むとちょっと痛く歯がグラグラしているような違和感を感じています。
歯みがきをすると血が出る時もあります。
コロナが流行しだしてからマスクをつけて出勤していると、自分の口臭がマスクの中で充満しているような気もします。
他人は言ってくれないのでどの程度の口臭なのか不安です。両親が入れ歯になってから一気に老け込み体調を崩しているのを知っているので自分も不安になってきました。
まずはどうすればいいでしょうか?
はじめまして。
かみあわせ専門歯科医師の吉本彰夫です。
ご両親が歯を失い入れ歯になった途端に体調を崩されていたことを身近で見ておられたからこそ、「ひょっとして私も・・?」と少しご不安になったのかもしれませんね。
今回の疑問は
① 奥歯の違和感の原因は何なのか?
② 口臭が気になるが、どの程度の口臭なのか?
の2つ、ですね。
まずは①からお話しましょう。
両方の奥歯が噛むと痛い、違和感を感じている、歯磨きをすると出血をする、グラグラしているという症状は、歯周病が原因である可能性が考えられます。
歯周病とは歯を支えている骨が溶けてなくなってしまう病気のことです。
多くの方が歯周病の原因は、ご自身が歯みがきを怠ったせいだとお考えですが実はそれだけが原因ではありません。
歯周病の原因は3つあります。
① 歯周病菌による細菌感染
② かみ合わせ異常による破壊的な力
③ ①と②の両方によるもの
① の細菌感染は口の中に悪さをする歯周病菌が感染しており、その菌が歯を支えて
いる骨にまで侵入し骨を溶かしていくものです。歯を支えているのは歯茎ではなく骨で
すので土台となる骨が溶けてなくなると当然ささっている歯はグラグラ揺れてきます。
② のかみ合わせ異常による破壊的な力というのはイメージしにくいかもしれません。
噛み合う歯同士のあたりが強すぎたり、かみあわせのバランスが悪いと毎食の食事の
たびに歯はガンガンと当たり続け、そのうち歯が欠けたり折れたり割れたり穴が空いた
りといったことが起こります。
① と②の両方をきちんと診察してもらうことが、とても大事です。歯周病であるという診
断はパノラマレントゲンを撮影し骨の状態を確認し、歯科医師による口腔内の診察が必要です。
50歳という年齢はそろそろ、歯の状態があちこち故障してきはじめる年齢です。
今の状態がどの程度なのかを患者さんご自身が知ることが、50歳以降歯を失わずにす
むかどうかの決め手になります。
まずは歯周病の診断をかみあわせを含め、診断を受けてみられてくださいね。
② 2つめ疑問にお答えしますね。
口臭に関しては生理的な口臭と病的な口臭の2種類があります。
家族以外はなかなか指摘しづらいのが口臭です。
自分自身では自覚できないのも口臭の特徴です。
歯科としてみれば歯石がたまりつねに歯と歯の隙間にモノが詰まっていたり汚れがつ
いている場合には当然口臭が発生します。
歯周病が進行している場合には「ドブ川のような臭い」と言われるようなにおいが発生
します。
しかし、口臭でご相談にお越しになられる患者様の多くは「口臭がひどいと思い込んで
いる」状態です。
人間ですので生きていると無臭ということはあり得ません。
口の中には絶えず唾液が流れているわけですのでにおいはします。
歯周病が進行している場合や、死んだ歯の神経が残っている場合には強烈なにおい
が発生することがありますので、こちらもひとつめの疑問と関係してきますが歯周病で
あるという診断はパノラマレントゲン写真を撮影し骨の状態を確認し、歯科医師による
口腔内の診察が必要です。
いずれの疑問も、お一人で不安になりネット等で不安な材料を検索していくとどんどん不安の渦に巻き込まれていくことがあります。まずはきちんと咬み合わせ状態と歯周病の診断をお受けになり、治療が必要であれば計画をたて治療を受けて頂くことが大事です。
【自分でできる歯周病チェック】
□ 朝起きたとき、口の中がネバネバする。
□ ブラッシング時に出血する。
□口臭が気になる。
□ 歯肉がむずがゆい、痛い。
□ 歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
□ かたい物が噛みにくい。
□ 歯が長くなったような気がする。
□ 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる。
チェックが多かった場合には歯周病が進行している可能性があります。
専門が変われば診断が変わります。
歯を失った部分に、
入れ歯にしようか、インプラントにしようか
メリットデメリットを教えて欲しい
私の場合はどちらがいいかを教えて欲しい
とご相談にお見えになる方はとても、多いです。
お話をうかがっていると、
患者さんが想像するインプラント、入れ歯の長所短所というのは
ほぼ、同じです。
みなさんは、いかがでしょうか?
患者さんが想像するインプラントの長所
■噛める
■違和感がない
■見た目がきれい
患者さんが想像するインプラントの短所
■手術が怖い
■費用が高い
■テレビなどの報道でトラブルが多いことが不安
次に
患者さんが想像する入れ歯の長所
■安い
■何度も作り直せる
■手術などないので楽
患者さんが想像する入れ歯の短所
■違和感がある
■見た目が老ける、老け顔になる
■入れ歯を使っている人の話から、「痛い、合わない、噛めない」と不安
ここ10年では、寿命も大きく伸び、健康で長生きしたいという意識を
お持ちの方が圧倒的に増えてまいりました。
質の高い人生を過ごすために
歯が大事、ということを
知ってくださる方が増えてきたことは
素晴らしいことだと、思います。
「噛めない」という状態が毎日の精神状態、健康状態に
どれほど深く影響するかということを
さらに多くの方に先に(そうなる前に)、知っておいて頂きたいと思います。
しかし、
予算や安易な長所短所のイメージだけで
お口の中に入れるものを
選択するのは、危険です。
特に、インプラントを選択された方の場合は
噛み合わせを無視したインプラントをしてしまった場合、
後が、本当に悲惨です。
インプラントはあなたの顎の骨にドリルで穴を開け
ネジを埋め込み、骨とくっつけてしまうものです。
つまり、インプラントは一度埋め込んだら動かない。
堅くくっついていますので、動かないのです。
建物を建てる時の
柱と思って下さい。
堅くて強い柱をドーンと顎の骨に埋め込んで強く固定するのです。
しかし、
インプラント以外のあなたの歯は
簡単に動きます。
あなたご自身の歯は簡単に動くのです。
ご自身の歯は歯根膜というクッションによって覆われていますから物と物を噛んだ時に一瞬当たった後、動いているのです。
歯は一生動き続けます。
インプラントを1本でもあなたの口の中に入れるということは
動き続けるご自分の歯と
まったく動かないインプラントとが
共存していく、ということを意味します。
もし、かみ合わせが悪い状態で
インプラントが1本でもお口の中に入り
固く骨とくっつき、動かない状態になればなるほど
インプラントに噛み合う相手の歯
インプラント周囲の歯が
ドミノ倒しのように破壊されていきます。
インプラントを入れたことで
健康だった他のご自身の歯が破壊されていきます。
歯を失った時
インプラントにするか、入れ歯にするか
とお悩みの場合は
まずは、一番最初に
そもそも今回、あなたが歯を失ってしまったその原因は
一体何なのか?
一体お口の中のどこにあるのか?
そのことを突き止めなければいけません。
まずは、
①噛み合わせをきちんとする
そこから
②入れ歯にするかインプラントにするかを決める
のです。
順番を間違うと大変なことになってしまいます。
以前書きました
記事も一緒にご覧下さいね。
↓
噛み合わせを無視したインプラントをするとどうなるのか?
結論から言うと簡単に壊れてしまいます。
ご自身の歯も、
治療した後に被せた被せ物や詰め物も、
ブリッジも、
インプラント、
入れ歯(義歯)も、
所詮噛むための道具に過ぎません。
インプラントだから噛めるということではないのです。
すべてあくまで道具なのです。
その道具を無視した使い方をすれば必ず壊れるのです。
この時に許容範囲が広いのがインプラントです。
ですのでインプラントにすれば壊れやすかったものが壊れにくいということは確かにあるのです。
しかしながら何でも噛めるというわけではないのです。
そこが難しいのです。
例えば両足で歩けば1km 2km歩けるでしょう。
しかし、片足ケンケンだとどうでしょうか?
どんなに元気な方であっても100mも片足ケンケンすれば
膝が痛くなったり
腰が痛くなったり
されるのではないでしょうか。
何とかもったとして、その後普通に右足左足両足で普通に歩けるでしょうか?
ねじれてしまって歩けないんじゃないでしょうか?
実はインプラントにも欠点というのがあります。
それは
インプラントは動かない、
ということなのです。
動かないのは実は長所なのです。
動かないから噛めるのです。
ではなぜ「動かない」ということが欠点なのでしょうか?
実はご自身の歯は簡単に動くのです。
ご自身の歯は歯根膜というクッションによって覆われていますから物と物を噛んだ時に一瞬当たった後、動いているのです。
ご自身の歯は動くもの、
インプラントは動かないもの、
なのです。
動くものと動かないものが共存するということはどういうことでしょうか。
例えば車をイメージして下さい。
昔の車に対して今の車はとても乗り心地がいいものとなりました。
大きな影響としてはタイヤ、車輪ですよね。
車輪がタイヤになったということです。
まだ車にゴムのタイヤがなかった時代、
たとえば
金属製の車輪だった頃、イメージしてみてください。
ガタガタガタガタ、すごく乗り心地の悪かったことでしょう。
タイヤになることによって、スプリングが入ることによって、その衝撃が車体や乗っている方にいくことを緩められ、故障が少なくなったり乗り心地が良くなったりしたのでしょう。
昔のインプラントは残っていらっしゃるご自身の歯と繋げる、いわゆるブリッジのようなことをしていたことが過去の先生方には多くありました。
例えば歯を失われた場合、両隣の歯を繋げるブリッジという方法があります。
それによって弱いもの同士を繋ぐことによってすごく強くなり長く持っている。
だからインプラントを入れた後、本数を多く入れると当然費用が掛かるわけですから残っている歯と繋いでブリッジにしよう。
単純に考えればすごくいい治療のように思われます。
しかしながらこの治療の結果は、「いやそれで今もうまくいっているよ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、多くの方が実はトラブルになっていらっしゃいます。
そして公益社団法人である日本口腔インプラント学会という日本で歯科の中で一番大きな学会がありますが、その「インプラントを治療するにあたって」という治療指針の中にインプラント同士は繋いでもいいが、残っているご自身の歯とインプラントを繋いではいけないと明確に書かれています。
ご自身の歯とインプラントを繋ぐ治療法は過去の治療法であり、その結果はよくない。
それゆえにその結論としてご自身の歯、つまり動くものとインプラント動かないものを繋いではいけない。というふうに明言されているのです。
実は口全体ということで考えると、動かないインプラントと動くご自身の歯が共存しているわけです。
ご自身の歯が動くとはいえ、そんなに大きくグラグラ動くわけではありません。
歯周病でもない限り。
当たって少し動く程度です。
ですからインプラントと繋いだ場合には、少し動いた力がすぐにインプラントにかかります。
ですからダメです。
口全体ということになれば、例えばトラックやトレーラー、タイヤがいっぱいのものをイメージしてみてください。
口の中の歯は28本です。
28本のタイヤがあるとイメージしてみてください。
この内2~3本が金属の車輪だったとしたら乗り心地どうでしょう。
そんなに大きくは変わらないかもしれません。
金属の車輪を少し低め、当たりを少なくする。
他のタイヤのほうはへこんだりしますから、そのへこみ分小さいタイヤ(金属の車輪)を付ければ乗り心地はほとんど変わらないですよね。
ですからご自身の口の中でインプラントとご自身の歯が共存する場合には、実はインプラントの当たり方は弱くしているのです。
弱くするような調整をしないと長く持たせられることができないのです。
インプラント治療した後、
「なにか噛んだ感じが低い感じがする」
「他の歯より弱い感じがする」
とおっしゃられる方が多くいらっしゃいます。
あえてわざとそのように調整をしているのです。
実はインプラント治療を開発されたブローネマルク先生はそこまでよくわかっていらっしゃいました。
ですからすべての歯を失われた方への治療法としてインプラントを推奨されていたのです。
つまり総入れ歯の方、総入れ歯だった方を対象にインプラント治療を推奨されていたのです。
すべての歯を失われた方のためのインプラント治療なのです。
何本かの歯を失われた方に対してインプラント治療は推奨されていないのです。
その後研究が進み、そのような力の差、動く動かないものの差、ということがわかってきて他の歯よりも若干弱めにすることによってある程度噛むという行為が取り外しの義歯よりも出来るということが分かってきたので、今応用されているのです。
治療した年齢の時はあくまでも残っている歯がいかに長く残っているか、残って居続けるものとして治療計画は進んでおります。
ですからインプラント治療で大事なことは
■将来他の歯がいつダメになるのか、
■どのようにダメになるのか、
■ダメになった時にどうしなければいかないのか、
ということが実は重要なのです。
『インプラントと関係ない歯が故障した』
『インプラントと関係ない歯を抜かないといけなくなった』
という時に実は噛み合う場所であったり、重心バランスが変わったりするのです。
そのような状態である程度のものは噛めるのです。
しかしそこで気付かず噛み続けると実は壊れてしまうのです。
必ずインプラント治療をされた患者様は他の歯を治療したとしても、インプラント治療をした先生に全体のバランス、そのままで大丈夫なのかどうか、なんらかの調整が必要なのかどうか、ということを診て貰う必要があるのです。
『噛んだ感じ、わからない』
『違う歯だからいいだろう』というそういうことで治療していると実は後でとんでもない悲劇に遭ったりするのです。
https://www.8181118.com/director/2013/04/post-68.php
↑インプラントをされた方で、他の歯の治療をお受けになった場合は急いで噛み合わせのチェックを受けて下さい。
全部の歯を失われた方は全部インプラントにしてしまえば、そういうトラブルはないのです。
非常に起きにくいことになります。
ですから何十年も持っている方は十分にいらっしゃるのです。
他の歯がダメになった時にどうするのか、ということをしっかりと考えてからインプラント治療を受けないと、後で大変なことが起こってしまうのです。
今さえ良ければいいという考えではダメなのです。
インプラントというものは将来、他の歯がダメになった時にどのようにするかというところまで治療計画を立てておく必要はあると思います。
そして何よりも大事なこと、残っている歯がダメにならないようにするために、歯は簡単に動いていきますから残っている歯が動かないようにするために、どういうことをしないといけないのか。
例えばマウスピース、必ずマウスピースを付けるということ。
必ずメインテナンスを受けるということ。
これが
『面倒くさい』
『定期的な歯の掃除なんか』
ということであれば、逆にインプラント治療は受けてはいけないのです。
↑
https://www.8181118.com/implant/
専門が変われば診断が変わります。
セラミッククラウンとはセラミックという材料を使用して作ったクラウン形態、覆い被せる被せものという意味です。
セラミックインレーとはセラミックの材料を使ったインレー、いわゆる小さい詰め物という意味合いです。
大きく被せるタイプのクラウンか
小さい詰め物タイプのインレーか
という意味ですね。
小さい詰め物で問題ないのか?
大きく覆い被せるフルカバーの被せ物が必要なのか?
それは治療した部位の状態で決まります。
そして強度を要する場所なのかどうか?で決まるのです。
前歯と奥歯では全くかかる力が違います。
かかる強度も違います。
治療する場所であったり、必要とされる強度によってインレーを選択させる場合もあればクラウンを選択する場合もあります。
特に審美歯科の場合はその後の色の変化やインレーであれば
隣にはご自身の歯があります。
ご自身と詰め物をくっつけるためには接着剤が必要です。
見た目には、ご自身の歯、接着剤、詰め物というふうに見えます。
この層が見えるわけですからこの見た目を気にされる方もいらっしゃいます。
その場合には全体を覆い隠し接着剤の部分が見えにくい歯茎寄りの部分にしてしまうことによって、その段差や境目が見えにくくなります。
例えば、小学校の実験でもあるんですが、コップのそこに10円玉を入れて横から、斜め横から見たときに10円玉をみることはできません。しかし、水を入れると10円玉が見えるようになります。これは光の屈折によるものです。
ですから、日常生活においては色んな方向から光が入ってきますので、診療室では境目がわからないくらいきれいな仕上がりになっていたとしても、光の屈折、例えばオフィスなどの白い蛍光灯なのか?外での太陽光なのか?によっても見え方が変わってしまうのです。
見た目にわかりにくくていうのがどの程度までをご本人が求められるのかによっては詰め物ではなく全体に被せる方がいいこともあります。
というご質問は100人いらっしゃれば100人の方から頂きます。
私はこうお答えしています。
「隣の歯の寿命が、
インプラントの寿命を決めます」
詳しくお話しますね。
「どの歯を残し、どの歯を抜くか」ということで迷われることが多いかと思います。
なるべく多くのご自分の歯を残したいという気持ち、良く分かります。
当院にお越しになられた方も
はじめは皆様「1本でも多く自分の歯を残したいんです」
そう、おっしゃられます。
また、インプラントはすごくいいものだ
と理解されている方が多くいらっしゃいます。
そして
インプラントさえ入れればもう大丈夫だ、
インプラントさえ入れればすべて再生される
歯がなくなったらその時インプラントにすればいいじゃないか
そう思っていらっしゃる方、本当に多くいらっしゃいます。
私はもっとインプラントのデメリットというところを知って頂きたいと思います。
「インプラントってすごくいいものだ」
それはすごくいい条件が重なった方のお話しです。
残念ながらインプラントというのは単なるネジです。
ですのでトラブルは当然あります。
トラブルの原因がなんなのか?
どういう時にトラブルになるのか?
いうことを是非知って頂きたいのです。
そして実際にインプラント治療を受けようと思う場合には、知っておいて頂きたいのです。
インプラント治療をしてからでは手遅れなんです。
ます最初に
インプラントとご自身の歯の違いを知って下さい。
まずインプラントは全く動きません。
ご自身の歯は一生動き続けます。
インプラントを1本でも口の中に入れるということは
動くものと
動かないものが
共存していく状態になる、ということです。
インプラントを検討している患者さんから
ほぼ100%頂く質問があります。
それは
「インプラントはどのくらい持ちますか?」
です。
一番問題なく、10年20年と経過が順調なケースは
お口の中に歯が1本もなく、上下すべてをインプラントにされた場合です。
全ての咬む力が、インプラントのみで設計されている場合です。
建築物と同じです。
古い古民家の柱を残してリフォームした場合と
いっそ更地にしてしまって強固な柱をドーンと建て新築した場合
見た目は一緒かもしれませんが
強度の問題、噛める力、耐久性は
比較するまでもありません。
しかしながら、インプラント以外にご自身の歯が残っている方の場合には、いろんなトラブルがあります。
私のもとにインプラントトラブルで駆け込んでこられる方の多くは
お口の中に2~3本のインプラントを埋入されている方です。
☑インプラントが入っている歯の隣の歯が割れた
☑インプラントが入っている歯のかみ合う上の歯が痛い
☑インプラントが入っている右側とは反対側の奥歯が一気に壊れてきた
このような症状です。
まず第一に知っておいて欲しいことがあります。
それは
インプラントはすごく良く噛めます。
ものすごく噛めてしまうのです。
しかし、すごくよく噛めるがゆえに
フランスパンや
お肉をガンガン噛んでしまわれます。
実際に噛んだ相手の歯は・・・・?
歯は上の歯と下の歯で噛みますよね。
下の歯をもしインプラントにした場合、
上の歯もインプラントであれば問題はありません。
しかし、上の歯がご自身の歯であった場合、どうなると思いますか?
その上、上のご自身の歯が、もう既に神経を治療をして神経がない歯だった場合。
神経のない歯の強度は本来のご自分の歯の強度の10分の1程度しかありません。
見た目はきれいにたってるけど
チョンと力がかかれば簡単に崩れる家と同じです。
見た目はいいけど、柱が腐って弱っている状態です。
インプラントが良く噛めるがゆえに
噛み合う上のご自身の歯がその噛む力に耐え切れないんです。
そして破壊されてしまう。
では、
インプラントが入っている人はどの位の力で噛んでいいのか?
インプラント自体はは強い力で噛んでも壊れません。
しかしながら
インプラントが入っている歯と咬み合うご自身の歯は今までの治療の結果あと年齢相応の弱い状況、もうすでに何十年も頑張ってきた弱い歯なのです。
ですから、その歯が耐え得る強度以上の力がかかれば、
その残っている歯が次々に壊れます。
ここまでが
上に(下に)インプラントを入れた場合の噛み合う相手の上下の歯の話しをしました。
次に左右の話しです。
両足だと1km・2km歩けます。
片足ケンケンだとどうでしょう。
おそらく100mも難しいのではないでしょうか。
健康な足ですよね。
骨折している足ではありませんよね。
健康な足だというのにもかかわらず、片足だと100mも行けないのです。
つまり本来の受け持てる力以上の力がかかると壊れるということです。
インプラントも単なるネジです。
例えば左にインプラント治療をしたとしましょう。
右はご自身の歯があります。
何年か後に右のご自身の歯が虫歯や歯周病、歯が折れた割れた等の理由で
ダメになってしまった。
右では噛めないけれど左はインプラントがある。
ああ昔インプラント治療をしていて良かった。
今は右では噛めない。
でも左が噛める。
ということで左で噛んでいた。
何が起こると思われますか?
本来受け持てるインプラントの強度以上の力がインプラントにかかりますから、
今度はインプラントが折れる。
またはインプラント周囲にある骨が骨折する。
このようないろんなトラブルが起きてきてしまうのです。
インプラントは単なるネジです。
万能ではありません。
もしそのような状況になられた場合には、すぐにインプラント治療をされた先生に相談し、両方で噛める状況を作る、
これがすごく大事なことなのです。
これが左右的なお話しです。
次に問題なのが、隣り合う歯です。
近隣の歯です。
例えば前から数えて、よくあるのが6番目・7番目の歯にインプラントをした。
奥歯の2本ですね。
6番目・7番目の歯がなくなったので、その部分にインプラント治療をした。
よくあるケースです。
手前の4番目・5番目の歯は何とか根っこの治療をしたりして残せた。
当然ですが
インプラントの持つ期間、
手前の歯の死んだ歯の持つ期間、
違うんですね。
歯の神経がしっかり残っていて生きている歯の場合には、
負担がかかってきた場合には
痛いなあ
しみるなあ
いうことを感じますので手を打てます。
しかし、歯の神経をもう既に取ってしまっていて
死んでいる歯の場合には、無理な力がかかってきてトラブルが起こったとしても、
痛いとかしみるといった自覚症状は一切感じることができません。
場合によっては力の負担によって歯が折れたとしても
気付かれない方もいらっしゃいます。
その状況を放置すると何が起こるのか。
いずれこの歯は抜かないといけないかもしれない。
でも今抜きたくない。
今は噛めるから問題ない。
ということで置いておかれる方が実は多いのです。
手前の歯が折れると、その歯が助からないということはご理解頂けるのですが、問題はその歯を抜かないということではなく、歯の周囲にある骨がなくなるということなのです。骨がなくなるということが実は大問題になります。
https://www.8181118.com/director/2016/09/post-149.php
確かにその後ろの歯にインプラントをしている歯自体は問題はないかもしれない。
しかしながら、骨というのは段々と染み渡るように広がっていくようになくなっていくのです。
つまり隣の歯を失うと隣の歯の骨が溶け出すと、段々その骨が溶けることによって、実はインプラント周囲の骨が溶けてなくなるのです。
インプラントは大丈夫であっても
インプラントの周りの骨が勝手になくなるのです。
例えば
川沿いに家を建てていたと想像して下さい。
何十年か経ったらいつの間にか川に土地が削られ、家が傾き始めてきた。
と、同じようなことが起こってしまうのです。
どんなにインプラント自体が大丈夫であったとしても、隣り合う歯がそういう状況になってしまうと、インプラントと言えど、そのインプラントを除去しなければならない。
もしくはその骨ごと削って除けなければいけないという状況に追い込まれてしまうのです。
ですからインプラントの寿命というのは実は隣り合う歯の寿命に左右されるのです。
インプラント治療を行なう場合、
隣りの歯が歯の神経がない死んでいる歯であるとか、
何とか甦らせている歯であるとか、
10年・20年確実に持つような歯でない場合には、
そこがトラブルになった場合、
次にどういう処置をしないといけないのか?
そこが悪くなった時にそこにインプラントをするのか?
そこをインプラントを伸ばしてするのか?
そういう治療計画を最初に立てておかないと、大変困ることになります。
今目先のことだけを考えていては
5年後、10年後悲惨な目に合います。
そしてまたインプラントメーカーによって、そういうリフォームということを対応できるインプラントメーカーもありますが、残念ながら対応できないメーカーも数多くあるのです。
極端な話しを言えば、
かなりな本数を失われてしまった方、ある程度年齢を重ねられた方の場合には
どう考えればいいのでしょうか?
確かに歯を残すということはいいことかもしれません。
しかしながら、
その残せる本数、
その機能できる期間、
というのがどの程度のものなのか?
実はこれは古い古民家をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。
最近は古民家を再生して住むことがブームのようです。
その古民家、柱が腐食し4本ある柱が大きい屋根を支えているわけです。
3本は何とか5年・10年は持つかもしれない。
取り合えずこのままだと崩れるので、一番弱い1本だけを良い柱に置き換えるとイメージしてください。
その後何かトラブルが出た時に、良い柱1本ですべての屋根を支えるということは不可能なのです。
しかしながら、屋根と柱はつながっているのです。
屋根が崩れれば、その丈夫であった1本では、1本であったとしても引っ張られて傾いていってしまうのです。
で、リフォームは所詮リフォームなのです。
どの位の期間持つのかということは
その残りの3本の柱によって寿命が決まるのです。
確かにリフォームをすれば、リフォームのような形で修繕すれば、
その時その一瞬に関して言えば、費用は安く抑えることが出来るかもしれません。
見た目は新築もリフォームも変わりません。
しかしながら長期的視野に立った時、
じゃあそれがいつ崩れるのか、その残っているものによって左右されるのです。
それが崩れかけようとした時にすぐに修繕すれば、その最初に治療したインプラントは柱は大丈夫かもしれません。
しかしながら本当に噛みにくくなった時には、その柱そのものがもう既に使えなくなっていることが実は多いのです。
本当にその10年後の1本が同じ高さ、同じ長さ、そのままで使えるんでしょうか。
現実には使えないことが多いのです。
ですから1本でも2本でも歯が残せるようであったなら、残したいとおっしゃる方は多くいらっしゃるんですけれども、その1本・2本を置いておくがために、全体の強度、バランスというものが実は大きく崩れ、そしてその崩れた原因が実は耐久年数に大きく関係してくるということを是非知って頂きたいのです。
ですので噛み合わせのバランスって実はすごく大事なのです。
1ヶ所崩れた所を補強するように補強した場合には、
その噛み合う相手がダメになった時でも、その高さに仕上げないといけないのです。
噛むという行為は
カチカチと噛むという行為と、
もう一つ
すり合わすという、すり潰すという噛み方
があるのです。
人間は肉食動物と草食動物の両方を併せ持つ、
極めて稀な食生活を送っているのです。
実は動物体系的に見ても、これは実はすごいことなのです。
噛むという行為と
すり潰すという行為
この両方を持ち合わせている、実はすごいことなのです。
このすり合わす、すり潰すということは、
隣り合う歯の高さが同じ高さでないと、横にスライド、ずれるということが出来ないのです。
ガタガタだったらどうでしょう。
カチカチ噛めるかもしれない、でもすり潰すということは出来ないのです。
例えば馬とかの歯はまっ平です。
それに対しサメとかの歯は牙のようになっています。
サメは牙で噛み切ることは出来ますが、
すり潰すことは出来ないのです。
ガタガタの歯ではすり潰すということは出来ないのです。
取り合えず今ここの歯がないから、ここの歯がちょっと飛び出てて噛み合わせるために引っ込めて作る。
そういうガタガタな治療をしてしまえば将来その他の歯がダメになった時に、すり潰す・すり合わせるということが出来なくなるということになってしまうのです。
そしてまた、その部分にだけ力がかかり揺すられ、本来の受け持てる力の何倍もの力、本来受け持てる力の方向からではない別の横からの力によって壊される、破壊されるということもあるのです。
ですからある程度の年齢になられている方、残そうと思えば残るかもしれないであろう歯の本数であったり、強度のバランスによっては全て除けて、リフォームではなく新築でしっかりとしたバランスのとれた柱と梁でもって維持させる。というふうにされた方が実は相対的に、結果的に10年単位・20年単位で見た時に非常にトラブルが少なく、良く噛める状態ということを維持できることがあるのです。
10年後に何が起こるのか、
そのトラブルになりそうな原因は何なのか、
ということをしっかりと見極めた上で治療を受けられることをお勧めいたします。
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